48話 地球side 「ふぅん……!」「んぁっ……」
「それじゃあね、優汰」
夕食後、ひとしきり会話など楽しんだのち。
女性達は莉子の家へと引き上げていく。
「このザル野郎が、牙猫族の意地見せてやる!」
「どーんとこい」
30分ほど前から、2人は酒の飲み比べをしていた。
エンレゥはもう完全に酩酊状態なのに対し、ヴァイスはまるで素面だ。
まるで水分補給するかのように、度数のきつい酒をかるく一気飲みしている。
「飲み過ぎんなよ」
「そうだよレウたん。もうギブアップしよって」
「うるぜぇ、まだまでゃこれから……!」
エンレゥも半ば意地になっているようだ。
しかしながら既に呂律が回っていない。勝負はほぼ付いている。
「ほったらかしでいいの?」
「明日の朝に、粥でも作ってやるさ」
結木乃という表札が掲げられた家へと入る。
「アタシもちょっと位、飲めば良かったかな」
「ルリララってもう20歳越えてるの?」
「アタシは15だけど」
ルリララ達の異世界では飲酒に年齢制限がない。
牙猫族の祭りでも、ミミナナくらいの歳の子供でも好んで飲んでいた。
「日本では、お酒は20歳以上からだよ」
「マジか。てかエンレゥってば18なんだけど」
ちなみにルリララは酒類が苦手である。酔う感覚が嫌いらしい。
そうこう話している内にもう9時だ。
「折角だしさ、3人でお風呂に入らない?」
「狭いし、莉子が先に入ってなよ」
適当な言い訳で莉子との入浴を拒んだ。
いつかの銭湯のときのように、セクハラを仕掛けられてはたまらないからだ。
やんわり断ったつもりだが、莉子は不機嫌になってしまった。
「じゃあ、ルリララとミミナナ、先に入って。私は後で入るから」
しぶしぶ送り出したという感じの莉子に対してルリララは。
少し罪悪感を感じながら、脱衣所へと向かった。
「湯船に浸かるか」
タオルをターバンのように巻きつけている。髪が湯に浸からないように。
「ミミナナも入れよ。怖くないから」
誘われながら恐る恐る、足先を水面に付けた。
最初に銭湯へ連れて行かれた時、アタシもこんな風だったな、とルリララは回想する。
彼女自身も内心おっかなびっくりだが、2回目の入浴なので一応先輩面だ。
「あったかい……」
「だろ?」
湯船の中でミミナナを抱きながら、ルリララは気持ちよさそうに目をつぶる。
じんわりと身体全体が温まっていく。
こんなのに慣れてしまうようでは牙猫族失格かもしれないがこの感触、癖になりそうだ。
「(さてと)」
意を決して、ルリララはそっと掌を胸に添えた。
前に莉子から教わった、密かに日課にしている豊胸マッサージを開始する。
遠征のときは周りが男だらけだったので控えていた。今晩は念入りに行わなければならない。
脇の下から掬いあげ、薄い脂肪を寄せていく。
「(好きな人に揉まれてるのをイメージすると、女性ホルモンが分泌されてより効果が出るよ)」
莉子の言葉を思い出す。
近い将来あるかもしれない、彼との逢瀬を考えながら。ゆっくりと胸を寄せていく。
「ふぅん……!」
いくらか続けるうちに、少しずつ身体の芯が熱を帯びてきた。
遠征のときに控えていた理由。ただのマッサージなのに、声を抑えられない。
無意識に太腿をこすり合わせてしまう。
「ルリララおねえちゃん?」
ミミナナは大好きなお姉ちゃんの、真似をしたがる年頃なのだろう。
だが真似した内容が不味かった。致命的に。
「んぁっ……」
ミミナナは、ちゃんと真似出来ていなかった。
先端を刺激してしまったようだ。幼い容姿に似合わぬ官能的な声が浴室に響く。
小学校高学年のように見える少女と、小学校に入りたてほどの年齢の童女が、抱き合いながら自慰さながらの行為を繰り広げる。そんな光景。
「ってミミナナなにやって」
我に返ったルリララは、目の前の童女の行為を止めさせた。
「なにやってんだ!」
「ルリララおねえちゃんの、真似をしてみてたの」
ルリララの顔が茹でダコのように真っ赤に染まる。
さっきまでの行為は他人からそういう風に、見られていたのだ。
「(遠征のとき控えてて本当に良かった……)」
「ルリララおねえちゃん?」
こほんと咳払いする。
「アタシはその、胸を大きくするマッサージだ」
ミミナナはあっ、と一言。少し気まずそうな表情になる。
「ルリララおねえちゃん、わたしとおっぱい同じだから」
「ミミナナー」
少し怒気を孕んだ声で睨み付ける。
そのとき。
「じゃーん」
「げっ、莉子!」
タオルを片手に、裸身を惜しげもなく晒す莉子が、浴室のドアを開けて入ってきた。
「私も一緒に入っちゃおっと!」
「まてっ、狭いって!」
「あはは、おいで2人とも」
浴槽に飛び込んで、ルリララミミナナ纏めてぎゅっと抱きしめる。
「莉子おねえちゃん、むねがおおきいからくるしいよ」
「ミミナナの胸は、ルリララとお揃いだね」
「莉―子―!」




