表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/56

46話 地球side 帰り道

 夕暮れの遊歩道。3人の少女が手を繋いで歩いている。


「あーゆーのイヤ! あんなヒトだいきらい!」

「まぁまぁ」


 ナンパをしてきた男共を振り払ったのは数分前だが、ミミナナはまだ怒りが収まっていない。

 物凄く怒っているようだ。頬を膨らませて憤慨していて、それを莉子が宥めている。


「つーか莉子こそ平気か?」

「平気だよ。ミミナナちゃんが護ってくれたし」


 ありがとうね、とミミナナに礼を言った。


「ま、莉子がOKなら別にいいけどな。買い物のときは、いつも絡まれてるのか」

「普段は優汰と一緒だから、そんなに危険じゃないんだけどね」


 魅力的な肢体を備える莉子は、常日頃から男性などに劣情を向けられている。

 ただ買い物にしろ何にしろ、優汰と行動しているので普段は寄ってこなし、大抵は優汰が撃退している。

 今日は連れが少女2人だったので狙われたのだろう。


「にしてもミミナナちゃん、強いんだね」

「<土魔>数体くらいなら、普通に葬っちまうぜ。こんなナリでも牙猫族なんだ」


 えっへんと、彼女は小さな胸を張る。


 あの。

 不意に女性の声が響く。


「? なんか用か?」


 ルリララは振り向いて話し掛けた。

 スーパーに入るずっと前から彼女は着けてきていた。

 勿論彼女は気付いていたが、敵意は無いようなので泳がせていた。

 まさか話し掛けてくるとは思っていなかったようだが。


「結木乃さん、……久しぶりです」

「貴女は?」

「この間、合同練習でご一緒させていただいた、八見(やみ) 百合花(ゆりか)です」


 背が高めな莉子より、頭一つ分は大きい。おそらく170cmは超えているだろう。


「ああこの間のバスケの」

「覚えて、いてくれたんですね。嬉しい……」


 嘘だな。

 ルリララは察した。

 彼女が誰なのかは知らないが、莉子の性格からして覚えてたのは本当にたまたまだろう。


 なにせ莉子は、興味のない人の顔を覚えるのが本当に苦手らしい。

 優先順位トップは優汰、2位は同率で自分達とヴァイスだろうか。

 おそらく背の高い彼女はランク外に入っている筈だ。というか今まさに、現在進行形で興味を持っていないのが見て取れる。


「さっきスーパーで買い物してましたよね?」

「うん」

「結木乃さんって料理上手なんですか?」

「うん」

「私も料理は大好きなんです。お弁当作りとか趣味なんです」

「へぇ~」


 一応、百合花さんは莉子と会話をしているのだが。

 莉子は一切興味を持っていないようで、適当な相槌を打っているだけだ。

 壁に向かってブツブツと独りで喋っている風にしか見えない。


「(……なんか不気味だな、この女)」


 百合花をじっと観察しながら、心の中で呟く。

 莉子をやけに気にかけているが、そのじつ彼女自身は周りが全く見えていない様子。


 こういう奴って厄介なんだよな。そんな様子で眺めていると。

 目が合うやいなや、じっと見つめ返してきた。


「な、なんだ」

「貴女も。莉子さんを好いているのですか」

「ハァ? あんた突然何言ってるんだ」

「やはり貴女も莉子さんのことが」


 百合花が一方的に喋り続けるせいで、会話が成立しない。ルリララの発言を理解しているかどうかすら疑わしい。


「ルリララおねえちゃん、このヒトってだれ?」

「アタシも知らない、初対面だ」


 ルリララの陰に隠れて、後ろから眺めていたミミナナがこっそり顔を出した。


「まさか、この子は、莉子さんと貴女の子供!」

「何でだよ!?」


 ルリララは激昂する。ミミナナは呆れてしまったのか目を逸らしてしまった。

 しょうがなしに莉子は、その場しのぎの嘘をつく。


「貴女は、莉子さんの友達の瑠璃(るり)さん」

「そうだ」

「そしてこの子は貴女の妹さんの巳菜(みな)さん」

「うん」


 ミミナナは目を合わせようとしない。危険人物と認識したのだろう。

 この女はヤバい。

 先程から気になっていたが百合花の視線は、莉子の胸と股間に釘付けだ。

 ルリララは同性愛になど興味無いが、そういう性癖を持つ女性がいることも理解している。


「ゴメンなさいね、なんか足止めしちゃって」


 さっさと家に帰りたいのだろう、話をまとめる為に莉子が謝る。百合花は何故かはげしく狼狽し始めた。


「勝手に勘違いしちゃった私が悪いんです。ゴメンなさい嫌いにならないでください」






「(さっきの男共のほうが、まだマシじゃね?)」


 眺めているルリララは心の中でそっと呟いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ