4 使命
マリエールはロザリア王女に言った。世の中を何も変えない使命なんて使命じゃありませんと。ロザリア王女は変わる未来なんて見たくないと言った。
4 使命
マリエールはロザリア王女に言った。
「そんな事可怪しいじゃありませんか。世の中を良くしていくのが使命と言う物ではありませんか。世の中を変えない使命なんて使命じゃありませんよ。少しでも良くなる未来を目指しましょうよ。あなたにはそうする力があるでしょう。」
ロザリア王女は神経質のように言った。
「そんな未来真っ平だわ。世の中が変わる未来なんて見たくないわ。そんな物見るなら死んだ方がいいわ。」
話しが全然あっていない。
マリエールは自分の使命を考えた。使命を与えられているだろうか。あるならどんな使命だろうか。少なくともロザリア王女の使命じゃない。この世の中を少しは変えてもいいんじゃないか。できるように変えるだけだ。良くなるように変えるだけ。積極的な使命があるわけではない。国王になると決まったわけじゃない。ロザリア王女の考え方が嫌なだけだ。未来は不透明なままだ。今考える事は無事に授業を終える事だ。他の事はまたその時でいい。授業は始まったばかりだ。その事だけでいい。
教師陣が集まった。内容はマリエールの事だ。一人の教師が、
「まだ落ちませんね。」
一人の教師が、
「授業の内容はとっくに範囲を越えてしまっているのに。」
一人の教師が、
「このままいけばロザリア王女が持ちませんよ。」
一人の教師が、
「いっそ、マリエール令嬢を殺してしまいましょうか。」
一人の教師が、
「馬鹿な事は言わないで下さい。相手は辺境伯ですよ。責任を問われますよ。責任を取れますか。明るみに出ますよ。台無しですよ。良く考えて下さい。穏便に考えて下さい。方法はまだありますよ。結果が出ないだけですよ。魔法陣は試してみましたか。」
一人の教師が、
「魔法陣って転移の魔法陣ですか。気がつきませんでした。下街に出口作るんですね。方法は幾らでもあります。手段は選びません。後は任せるだけです。果報は寝て待て、転移陣だけ作るだけです。たかが6歳の娘です。生き残るのは難しいでしょう。」
一人の教師が、
「どんな段取りでやる。」
教師達は悪だくみをした。
転移陣は下街に設置された。下街に行くのはマリエールのだけのはずだった。ロザリア王女は行くはずじゃなかった。魔法理論の中で魔法陣について教師は語った。転移の魔法陣を教師は出した。マリエールに触らせた。同時にロザリア王女も触った同時にに反応した2人は消え失せた。教師は慌てて近衛兵に通報した。
2人が転移したところは下街の貧民街だった。突然現れたマリエールとロザリア王女にそこにいた子ども達は大いに驚いた。
「お前ら何者だ。何処から来た。」
マリエールは慌てず、
「ロザリア王女とマリエール辺境伯令嬢です。王宮から来ました。魔法陣を触ったらここに出ました。転移の魔法陣だったのでしょう。多分直ぐに近衛隊が来るはずです。関わりになってはいけません。逮捕されてしまいます。我々に関わると弁解の余地がありません。関わらないで下さい。」
一定の抑止力にはなったようだ。
教師は転移陣を貧民街に設置した。マリエールに転移陣を触らせて貧民街に送ろうとした同時にロザリア王女も転移陣に触れて貧民街に転移した。




