表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/56

46あかりの復讐

クラスメイトを救出して8カ月と25日、優斗が転生して1年7カ月と25日がたった。


今日はあかりがお世話になったキアルクス公爵に復讐する日。

キアルクス領はアンダシア王国の東部に位置する。

地形は平地で、豊かな土壌により王国一の穀倉地帯である。

キアルクス公爵は48歳、王国の宰相の経験もある。

切れ者で知られていた。

キアルクス公爵の残虐な趣味は貴族の間では有名で、

噂ではキアルクス公爵に囚われた娘は3カ月で潰される。

1年に4人の娘が犠牲になるという。


俺「第一王子には娘はいる?」

トラ「第二婦人に2人います。年齢は12歳と10歳です」

俺「第一王子は娘のことをどう思ってる?」

トラ「上の娘の誕生日祝いは10歳の少年奴隷です。

ウエスリーム王国で捕らえた代官の息子です。

誕生祝いにしては破格の金貨1500枚。

下の娘は誕生祝いに赤子をねだり、

子持ちの女奴隷をあてがいました。

金貨500枚。

金額的には大切に思っていると」

俺「娘たち、その年で腐ってんだ。

第二婦人はどんな人?」

トラ「東部方面軍、大将の娘です」

俺「そう、じゃ今から行って、その娘2人をさらう」

トラ「王宮は移転禁止の魔法がかかっています」

俺「王宮は近いよね。

歩いて行くよ」

トラ「王宮の入り口は魔法を無効化する魔道具が設置されています」

俺「俺のアストラクトと力比べだね」

トラ「我々はどのように動きましょうか」

俺「3人は待機で、別に出番があるから期待しててね」


歩いて王宮に行く。

王宮の入り口に進むと、左右の壁に魔法を無効化する石板がはめ込まれている。

俺はアストラクトを出力最大で発動する。

石板はあっさり無効化出来た。

衛兵を誘導し、第二婦人の居場所を聞き出す。

第二婦人の居室区画に行き、メイドに娘の居場所を聞き出す。


姉は庭でお茶をしていた。

姉を植木の陰に誘導し、幻惑をかける。

次に眠らせ、奴隷の首輪をはめる。

マジックポーチに収納する。


妹は家庭教師から授業を受けているようだ。

妹に近づき誘導でトイレに行かせる。

姉と同様に措置を行いマジックポーチ収納する。


俺はその足であかりをキアルクス公爵に売った奴隷商を訪れる。

応接室に通された。

索敵すると俺が座る椅子の後ろに隠し部屋があり、

そこに誰か潜んでいる。怪しい。

バリアの魔法で、俺の背後をガードした。

店主が応接室に入り挨拶をしてきた。

店主「本日のご用件を伺いましょう」

俺「初めまして。

俺、人さらい。

売り物があるんだけど」

店主「人さらい?

非合法なのは知ってるか?」

俺「知ってる」

店主「売り物は」

俺「さる国の王族の娘2人。

姉妹、12歳、10歳」

店主「王族の娘?」

俺「キアルクスの第3家令から依頼されて、さらった」

店主「どうしてこちらに売ると?」

俺「金貨1万枚の約束が、7千に値切ってきた。

7千以上だったら売るよ。

お宅、キアルクスに沢山卸してるでしょ。だから」

店主「実物は見れますか?」

俺「了解」

俺はマジックポーチから2人を取り出す。

店主「素晴らしい」


店主が右手人差し指で何か合図をした。

後ろの壁から毒針付の細い棒が飛び出す。

毒針は俺の張ったバリアで弾かれる。

即死のデス弾を後ろの奴に打ち込んだ。


俺「後ろの壁から毒針出すの止めて」

店主「教育が行き届かず、申し訳ありません」

俺「教育は必要ないよ。

殺しといたから」


店主は失敗を表情に出し「失礼しました」と言った。

俺「戦う? それとも商売? どっち?」

店主「商売を選びます」

俺「了解」


俺「この子達に調教は必要ないよ。

強力な幻惑かけてあるから」

店主「体を確認できますか」

俺「2人とも服脱いで」


店主「生娘の確認はできますか」

俺「2人ともこのおじさんの言うこと聞いて」


俺は娘2人を金貨1万枚で売る。

命を狙われたのだ。迷惑料は必要だ。

店主の命代として金貨1万枚。

合計金貨2万枚を受け取った。


キアルクス公爵邸に向かう。

屋敷を探索し第3家令を見つける。

こいつは公爵の奴隷調達係、第3家令と公爵には幻惑と誘導で奴隷商とのつじつま合わせを行った。

奴隷商が2人の娘をキアルクス公爵に卸したことを確認し、トラに公爵の奴隷部屋を監視させる。

娘2人には死なれてはまずい。

適当に保護しながら2週間を待った。


娘2人がキアルクス公爵に拉致され玩具にされている顛末を記した密告文を作る。

それを娘の服の切れ端と共に第一王子に届けた。

密告文を届けて1週間が過ぎたが、第一王子は動かなかった。

俺「読み違えたね。第一王子がヘタレだったとは。

娘2人がキアルクスの所にいるのに、動かない」

レオ「中央軍にも動きが見えません」

俺「公爵、かなりエグイことしだしたから、死ぬ心配があるしね。

次の策を考えないと」

トラ「第二婦人に密告文を届けてはどうでしょう」

俺「そうか、娘のじいさんは東部方面軍の大将か。

即実行しよう。

あと、同じ文面を1週間まえ、第一王子に送ったことも、それに書き添えて。

もう一つ、レオ、娘2人の幻惑は今から解除して。

キアルクス公爵の顔を覚えさせよう」


     *     *


翌日の深夜0時にトラから緊急連絡があった。

寝ているマリーをそっとどかし、ベッドから出る。

マリーの唇にキスをし、着替えて王都の拠点に移転した。

トラ「東部方面軍の特殊部隊が例の奴隷商を急襲、

奴隷商家族、使用人、店員の49名を捕縛しました」

俺「キアルクス公爵邸は? 」

レオ「同じく特殊部隊25名が待機中です」

俺「特殊部隊をうまく地下の拷問室に誘導して、

それに気が付いて騒ぐ衛士がいたら眠らせて」

レオ「特殊部隊が動き出しました。

地下の拷問室に誘導します」

俺「お願いね」

レオ「了」


娘2人はキアルクス公爵邸から救出され、

郊外の屋敷に匿われた。


孫を玩具にされたのだ。

どう落とし前をつけるか、

東部方面軍の動向を監視しよう。

スパイゴーレムを大将の周辺に配置した。

東部方面軍の大将がヘタレでないことを祈ろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ