35.参考資料:【ビジネス雑誌『NEXT INNOVATOR(ネクスト・イノベーター)』1999年10月号】
特集:ネットが拓く新市場──躍進する若手リーダーたち
■ ECインフラの新星、東京・渋谷から全国へ
アーガ・ソリューションズ代表 有賀佳之(32)
東京・渋谷のオフィスに足を踏み入れると、
壁一面に貼られたECサイトの画面キャプチャが目に入る。
その多くが、ここ1年で急成長を遂げた企業のものだ。
平均年齢27.5歳の若い社員たちを率いるのが、
アーガ・ソリューションズ代表・有賀佳之(32)だ。
同社は
・ECサイト構築
・Web受発注システム
・在庫管理のオンライン化
といった“ネット商取引の基盤”を提供し、
創業わずか2年で業界内の注目企業へと躍り出た。
■ “現場を知る営業”と“エンジニアの技術”の融合
有賀は前職で地方ベンダーの法人営業を担当し、地方企業が抱える「ネット化の壁」を数多く見てきた。
一方で、エンジニアだけで立ち上げられたベンチャーの多くは営業担当者を欠き、需要と供給が結びつかないミスマッチが頻発していた。
独立した有賀は当初、そうしたネットベンチャーの営業代行からスタートした。その中で出会ったのが、大手SIer出身の技術責任者・戸口(31)だ。
「技術よりも、まず“使えること”。そこを徹底的に突き詰めたかった」
戸口は、「汎用性の高いECパッケージ」「中小企業向けの軽量在庫管理システム」「iモード対応の更新管理システム」などを次々と開発。
営業の有賀 × 技術の戸口
という明確な役割分担が、
同社の成長スピードを強力に押し上げている。
すでに複数のVCが出資を検討しており、
「渋谷で最も勢いのあるEC系ベンチャーのひとつ」
と評されることも増えた。
■ “ネットは中小企業の武器になる”──有賀のビジョン
「ネットは、地方の小さな会社でも全国と勝負できる。僕らはそのための“基盤”をつくりたい」
有賀はそう語る。
オフィスには若いスタッフが集まり、
深夜まで議論が続くことも珍しくない。
だがそこに漂うのは、
ベンチャー特有の混乱ではなく、
“次の市場をつくる”という確かな手応えだ。
EC市場はまだ黎明期。
だが、有賀の視線はすでにその先を見据えている。




