33.資料【不動産登記簿謄本:権利部(甲区・所有権に関する事項)】および【官報公告】抜粋
調査者が取得した「丘の家」不動産登記簿の転記。
※()内は調査者による補足。和暦には西暦を併記した。
【不動産登記簿謄本:権利部(甲区・所有権に関する事項)】抜粋
■権利部(甲区) 所有権に関する事項
〇順位番号1:所有権保存
受付 昭和62年4月1日(1987年) 第1052号
原因 新築 昭和62年4月1日
権利者 ○○県K市××−×× 都築裕司
→(最初の住人・都築家による「丘の家」新築時の登記)
〇順位番号2:所有権移転
受付 平成10年9月15日(1998年) 第2841号
原因 競売買受 平成10年9月15日
権利者 東京都S区×丁目×−×× ○○不動産株式会社
→(都築家が夜逃げし、住宅ローンが回収不能に。そのため、抵当権を設定していた銀行の申し立てにより競売に付された。都内の不動産業者が買い受け)
〇順位番号3:所有権移転
受付 平成14年9月20日(2002年) 第1673号
原因 売買 平成14年9月20日
権利者 ○○県K市××−×× 有賀佳之
→(有賀夫妻が上記の不動産業者から購入。「丘の家」を見つけ、購入費用を出したのは妻・有賀綾乃だったというが、所有権は夫・有賀佳之の名義)
〇順位番号4:所有権移転
受付 令和元年5月10日(2019年) 第0914号
原因 公売買受 令和元年5月10日
権利者 S県M市×−×× Sエステート株式会社(比良峰化学工業の子会社)
→(比良峰化学が子会社名義で買い受け、比良峰ユリエが入居)
〇順位番号5:所有権移転
受付 令和4年4月20日(2022年) 第1420号
原因 売買 令和4年4月20日
権利者 ○○県K市××−×× 山田順和子
→(現在の所有者、山田順和子が購入)
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<★順位番号4について:調査者のメモ>
・2002年に有賀夫妻が「丘の家」を購入、2004年に妻・有賀綾乃が出奔してから、2019年にSエステート(比良峰化学の子会社)が購入するまで15年もの空白がある。
・この間、夫・有賀佳之は妻の出奔後もしばらく住み続けたのち転居。転居後も空き家のまま所有していた、と証言されている。その後の足跡は、佳之・綾乃共に現時点で確認できていない。
・よく見ると「有賀佳之 → Sエステート株式会社」への所有権移転は「売買」でなく「公売買受」となっている。
通常の「売買」でなく「公売買受」であることから、有賀佳之にも公売に至る何らかの出来事があった可能性がある。
<市役所税務課への照会>
市役所税務課にて「丘の家」の記録について照会した。
個人情報に関わる詳細は非開示だが、以下が分かった。
→ 固定資産税等の滞納があった。
→ 公売に付された。
→ 所有者と連絡が取れなかった。
これらの情報から、調査者は「有賀佳之は死亡していた」と推測し、有賀佳之を被相続人とする相続人調査の官報記載がないか調べた。
結果、以下の情報を得られた。
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【官報 平成29年(2017年)10月3日号】抜粋
公告
平成29年(家)第412号
被相続人 有賀佳之
最後の住所 ○○県S市××−××
平成29年6月14日死亡(2017年)
上記被相続人について相続人の存否が明らかでないため、
平成29年9月28日、○○家庭裁判所は、相続財産管理人として
弁護士 東 文太郎
を選任した。
ついては、相続人はこの公告の日から6か月以内に申し出ること。
期間内に申し出がないときは、相続人不存在として処理する。
平成29年10月3日
○○家庭裁判所
(筆者注)
・個人情報保護の観点から、現実には相続に関する個人名での官報の検索は制限があるらしいです。
・本作に登場する登記簿、官報や手続き等の記述・描写は、公開資料等を参考にしたフィクション表現です。筆者は不動産や法律には素人です。個別の法的解釈は専門家にご確認ください。また、2023年(令和5年)施行の民法改正により相続財産管理人と相続財産清算人の役割分離などが行われています。




