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2話


翌朝目を覚ましたセレフィアはまだ少し眠たい目を擦りながら洗面所へ向かう。

冷たい水がぼんやりとしていた意識を少しずつはっきりとさせた。

「朝ごはんは何にしようかなぁ」

そんな事を考えながら櫛で髪を梳かし、花があしらわれたヘアクリップで髪を留めた。

キッチンへ向かいテレビをつけ天気予報を確認する。

「今日は冷えるんだなぁ……」

そんな事を思いながらパンをトースターにセットしてから冷蔵庫を開ける。

昨晩手をつけなかったカレーを見て小さな感嘆を漏らし、ほんの少しセレフィアの手が止まった。

「これは夜に食べよう。」

少し憂鬱になりながらも卵とベーコンを取り出し焼いてからトーストに乗せて頬張った。

食後にコップに牛乳を注ぎ飲み干すと、セレフィアの声が響く。

「今日も一日頑張ろう!」

食器を洗いラックに置くと着替える為に自室へと向かう。

クローゼットを開き、制服のシャツに袖を通す。

スカートを履き、胸元に緋色のリボンを結んだセレフィアは深い紺色のブレザーを羽織り、校章の入った靴下を履いた。

鞄を持って家を出ようとしたセレフィアは天気予報を思い出した。

「そうだ、寒いんだった」

それからローブとマフラーを身に付けた。

「行ってきます。」

誰も居ない家にセレフィアの声が響き、カチャッと鍵の閉まる音がした。

冷たい風がセレフィアの頬を撫でた。

「寒い…天気予報見ておいて良かったぁ」

そう言いながらマフラーに顔を埋めて学校までの道を歩き始めた。

大きな川の流れる橋を渡りきると、セレフィアの通う王立セルヴェリア学園の立派な校門が建っている。

ちょうど登校してきたクラスメイトにおはようと声を掛け、談笑しながら校舎を目指した。

ふと聞き覚えのある声が聞こえ、目線を少し先に向けると昨日の銀髪の少年が同じ制服を身に纏い彼の友人と登校していた。

「同じ学校だったんだ……」

昨晩逃げ出してしまった気まずさもあり、セレフィアは気付かれないように、そっと彼を追い越した。

校舎に入り三階にある自分の教室に向かったセレフィアは、昨日の言葉を思い出していた。

-星は何も言わないから。

その言葉がセレフィアの心を埋め尽くし、昼休みになるまで授業に集中できずにいた。

昼休みを告げる鐘が鳴り、セレフィアは友人のリュートがいる隣のクラスへと向かった。

「リュート、ちょっといい?」

セレフィアがそう声をかけるとリュートは不思議そうな顔をしながらこちらへ来た。

「どうしたの?」

そう問われても、なんと説明したらいいのか分からず黙り込んでしまったセレフィアを見かねて

「とりあえず食堂に行こうよ、お腹すいたし。」

という彼に、セレフィア自身もお腹が減っていることをようやく自覚し二人で食堂に向かった。

一階を目指して階段を下りている最中、セレフィアは昨日起きたことを少しずつ話していった。

-

「つまり、その銀髪の男の子が誰か知りたいってこと?」

そう問いかけるリュートにセレフィアはまた少し困った顔を向けた。

「たぶん、そうだと思う。」

なんだそれは、と少し戸惑っているリュートをよそに、セレフィアは到着した食堂で何を食べようかと夢中になっていた。

「今日はお魚食べようかなー。」

教室で呼ばれたときは深刻そうな顔をしていたセレフィアが、食べ物に夢中になる姿を見て、リュートは少し安堵の表情を浮かべていた。

「僕はお肉にしようかな。」

二人は注文を終えて受け取り口で料理を受け取ると、空いている席を探した。

周りを見渡すと、食堂の端のほうに空いている席を見つけた。

「ここにしようか。」

リュートがそう告げて席に座ると、セレフィアは思い出したようにリュートに話しかけた。

「さっき伝えた男の子、友達だったりしない?」

少し考えてからリュートは答えた。

「友達ではないけど思い当たる人ならいるよ。」

セレフィアは身を乗り出して迫った。

「本当に?!」

興奮しているセレフィアを椅子に座らせてからリュートは語り始めた。

「だって、銀髪の子なんでしょ?この国でもそんなに多くはないからね。」

その言葉にセレフィアはハッとした。

“銀髪”、そんな大きな特徴を見落としていた自身に落胆した。

「だから、星を見に来てたんだ……」

セレフィアの言葉にリュートは一瞬表情を強張らせたように感じた。

「ありがとう、リュート。」

そう告げると二人は食器を返却しに行き、食堂を後にした。

「今日のお昼もおいしかったねー、明日は何を食べようかなー」

と、のんきなことを言っているセレフィアの隣でリュートは何かを考えこんでいるようだった。

「リュート?」

セレフィアは心配そうに彼の顔を覗き込んだ。

「ごめん、少し考え事をしてたんだ。」

私に話せることだったら話してね、と伝えようとした時、前方に銀色の髪の男の子を見つけてセレフィアは走り出した。

「ごめんねリュート、後で聞くからー!」

リュートは少し困った顔をして笑いながらセレフィアを見送った。

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