20 お前はバカなのか?
シティホテルの宴会場では、ヴァンパイアの体になったもみじがスノンとルージに一方的に突かれ、打たれ、蹴られ、吹き飛ばされ続けていた。スノンとルージは、攻撃を狙った部位を肌で感じるようになったもみじの思考を読み、もみじが狙われている体の部位を感じた直後に瞬間移動して、もみじの体のすぐ手前からの打撃を放ち、もみじは防ぐことができずにいた。
「うわああああああああああああっ!」
もみじは、瞬間移動で体から十センチ先に出現したスノンの右肘を左脇腹に受け、三十メートル吹き飛んで床を転がった。
もみじは起き上がりながら、必死に思考を巡らせた。
『思考を読まれないためには、頭の中を空っぽにするしかねぇ! だが、こんな状況でどうやったら頭の中を空っぽにできる?』
もみじの頭の中に、高校二年生の時の記憶が蘇った。
ポニーテールのもみじは、白衣に緋色の袴を身につけ、雷鳴轟之神社の裏庭に面した縁側に腰をかけ、背筋を伸ばして目を瞑っていた。その左右の手の指は、親指と薬指で輪をつくり、大腿の上に置いていた。
もみじは突然目を見開いた。
「ダメだあああああああああっ! どーしても、色んなことが頭ん中に浮かんで、頭を空っぽにできねええええええええええっ!」
一人で騒ぐもみじの背後から、祖母のぼたんの優しい声が聞こえた。
「あらあら。もみじったら、瞑想をして余計イライラしてるの?」
もみじが振り返ると、縁側の奥の和室から、白衣に紫の袴を身に着けた神主姿のぼたんが微笑みながら近づいていた。
「あ、ばあ様。いやぁ、武術や神伝霊術の術の修行は大好きなんですが、瞑想だけは苦手で……。父上と母上にやり方は習ったんですが、あまり真面目に修行してなかったもので……」
ぼたんは、もみじと並んで縁側に腰かけた。
「あら、武術や神伝霊術の術が大好きだったら、瞑想も真剣にやることね。どちらも高いレベルに到達するためには、瞑想の修行が欠かせないのよ」
もみじは苦笑しながら言った。
「ええ、父上にも同じことを言われていたのを思い出して、真剣にやってみようと思ったんですが、雑念が浮かんでばかりで……」
ぼたんはもみじに優しく微笑んだ。
「じゃあ、あたしと一緒に修行しましょうか。あたしが導いてあげる。さあ、背筋を伸ばして目を瞑って。両手は親指と薬指で輪をつくってね。まず、深呼吸を繰り返しましょうね」
もみじは再び両手の親指と薬指で輪をつくり、背筋を伸ばして目を瞑ると、深呼吸を繰り返した。
「息を吐く時に、息と一緒に体中の力が抜けていくのを感じて」
もみじはぼたんの声を聞きながら、深呼吸に合わせて体の力を抜いていった。もみじが息を吐き切った時、ぼたんが言った。
「さあ、息を止めて。体中の力は抜いたままよ。あたしがいいと言うまで、息は止めたままね」
もみじは次第に体中の力がますます抜けていき、頭の中がクリアになっていくように感じた。
「じゃあ、ゆっくり、細く、長く息を吸って。吐く時も同じよ。ゆっくり、細く、長い呼吸を繰り返して。息を吸うことと吐くことに意識を集中して。それから輪をつくっている親指と薬指の感触にも意識を集中して」
もみじは目を瞑ったまま、細く長い呼吸を繰り返した。
「いいわよ。目を開けて」
ぼたんの声を聞いて、もみじは目を開けた。
「もみじ、よくできたわっ! 二十分間瞑想できたわよっ!」
「え? もう二十分経ったんですか? ずっと頭の中が空っぽで、今、めっちゃ頭の中がスッキリしてます!」
ぼたんは楽しそうに瞑想の説明を始めた。
「最初に息を止めたでしょ? 人の体はね、体内の酸素が少なくなると、脳を守るために、酸素を消費する筋肉の緊張がなくなっていくのよ。それに、酸素を消費する思考活動も低下するの。だから、頭の中を空っぽにしやすくなるのよ。息を吸った時に息を止めると、息を止めることで筋肉が緊張することがあるから、息を吐いた時の方が余計な力みを捨てやすいのよ」
もみじは腑に落ちない顔で、ぼたんに訊いた。
「その辺のことは理解できるのですが、瞑想の時に指で輪をつくるのって意味があるんですか?」
「指の形自体には色んな意味があるって言われているけど、重要なのは条件反射をつくることね。背筋を伸ばして、目を瞑って、指で輪をつくって頭の中を空っぽにすることを繰り返しているとね、背筋を伸ばして、目を瞑って、指で輪をつくるだけで、頭の中を空っぽにできるようになるのよ。座って瞑想している時だけ頭の中を空っぽにできたって、ストレス解消にはなっても、それを人生の色んな場面で活用するのは難しいじゃない? でも、条件反射ができれば、立っていたって、歩いていたって、背筋を伸ばして、目を瞑って、指で輪をつくるというトリガーがあれば、いつだって頭の中を空っぽにできるのよ」
もみじは回想した記憶の中に希望を見いだし、その表情が明るく輝いた。
『そうだ! 三つのトリガーだ!』
ルージはもみじの思考を読んで嘲笑した。
「はあ? オレは何の思い出を見せられてるんだよ! 頭の中を空っぽにしたら、オレたちが読み取る思考はなくなっても、何もできないだろ? お前はバカなのか?」
スノンももみじを見下すように呟いた。
「愚かな人間よ」
もみじは両足を肩幅に開いて背筋を伸ばして立ち、脱力してダランと下ろした両手の親指と薬指で輪をつくり、目を瞑った。
ルージはもみじを馬鹿にして笑った。
「それは何の真似だ? 確かに、今のお前の頭の中は空っぽで、読み取る思考は何も感じられないが、目を閉じたら何も見えないだろ? 自分のバカさ加減を後悔しながらくたばりな!」
ルージはその場で右手の指先を前に突き出しながら、もみじの目の前に瞬間移動し、もみじの喉の手前十センチの位置に突然ルージの指先の突きが出現した。
「な、何っ?」
驚愕するルージの目の前では、もみじが目を瞑って穏やかな表情を浮かべたまま、少しだけ右に移動してルージの指先をかわしていた。
「こ、こんなのまぐれだーっ!」
ルージは左右の指先の突きを連続して放ち、左右の蹴りを放ったが、もみじは目を瞑ったまま、最小限の動きで全ての攻撃をかわした。
「私も一緒にやるよ!」
見かねたスノンがもみじの右側に瞬間移動して、体当たりや肘打ち、拳の突きや蹴りを放ったが、もみじは目を瞑ったまま最小限の動きで全ての攻撃をかわした。
その時、壁に頭を突っ込んだまま身動きをしていなかったジルが、壁から頭を抜いてもみじを睨んだ。
「よくもジルちゃんの可愛いお顔をーっ! 損傷がひどくて、再生するまでこんなに時間がかかったじゃないーっ! ジルちゃん、激おこなんだからーっ!」
ジルはもみじの前に瞬間移動して掌の突きを連続して放ち、もみじはその全てをかわし続けた。
ジルとスノンとルージは、もみじの周囲を次々と瞬間移動しながら激しい攻撃を続けたが、もみじは目を瞑って安らかな顔のまま、全ての攻撃を最小限の動きでかわした。
ジルがもみじの顎を狙って右掌を突き上げた時、もみじはジルの右肘の外側に移動しながらジルの右脇腹に左掌を打ち込み、その直後にもみじの背中に体当たりしようとしたスノンの肩をかわしながら、右の手刀でスノンの首を打ち、もみじの目を狙ったルージの右の指先の突きを左に移動してかわしながら、左腕を振ってその先の掌でルージの右耳を打った。もみじの打撃を受けた三体のヴァンパイアは悲鳴を上げながら、もの凄い勢いで二十メートル吹き飛んで床に転がると、苦し気に呻き声を上げた。
もみじはハッとして目を開けた。
『そ、そうか! さっきジルに当てた手刀といい、今の打撃といい、打撃と合わせて無意識に衝撃波を放ち、衝撃波に包まれた打撃をぶち込んでいたんだ! 衝撃波の強烈なダメージを受けて苦しんでいる今なら、思考を読む余裕はないはずだ!』
「古より月を司りし月光照之命よ! その御力を我が魂に宿し給え! 離魂之術!」
もみじの魂は離魂之術で体から抜け出し、首を両手で押さえて床の上でのたうち回るスノンまで飛んだ。魂が抜けたもみじの体はその場に崩れ、膝を折った状態で上半身がうつ伏せになった。
「く、首の骨が砕けた……。な、何て凄い威力なんだ……」
スノンの声を聞いたもみじの魂は、罪悪感を感じながら右足を後ろに振りかぶった。
「やり過ぎちまった! だが、すぐに楽にしてやるぜええええええええっ!」
もみじの魂がスノンの脇腹に足の甲を叩き込むと、足はスノンの体を通り抜け、スノンの体からスノンの魂が飛び出し、同時に白い光の粒がひとつ飛び出して宙を漂った。
「な、何ごとだ? 何が起こった?」
スノンの魂は床に転がり、目の前にある動かなくなった自分の体を見て状況が理解できずに狼狽した。
「古より雷を司りし天翔迅雷之命よ! その御力を宿し給え! 昇龍之稲妻ああああああああああっ!」
もみじの魂が右手を床に当てて叫ぶと、スノンの魂の下の床から巨大な雷が轟音を立てて発生し、天井を突き破って空に駆け上っていった。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!」
スノンの魂は凄まじい雷の中で悲鳴を上げながら悶え苦しみ、雷が消えると、小さな光の粒になってフラフラと雨雲に覆われた空を昇っていった。
もみじの魂は続けざまに、床の上で頭の右側を両手で押さえて苦しみ悶えているルージの上まで飛んだ。
「あ、あいつ、オレの頭蓋骨を砕きやがった!」
「やり過ぎちまって、ごめんよおおおおおおおおおおおおおおっ!」
もみじの魂は叫びながら、自分の真下で仰向けで倒れているルージに向かって、猛烈なタックルをし、もみじの魂はルージの体と床を通り抜けて一階のエントランスの天井から飛び出した。その時、もみじの両腕にはルージの魂が抱えられており、ルージの魂と一緒にルージの体から光の粒がひとつ飛び出したが、すぐに一階の天井の中に吸い込まれるように消えていった。
「お、お前!」
ルージの魂は、いつの間にか自分がもみじに抱えられ、一緒に一階の床に向かって落下している状況に理解が追いつかず、愕然としていた。
もみじの魂はルージの魂と一緒に落下しながら、右手の人差し指と中指でルージの魂の胸の前にジグザグ模様を描いた。
「古より雷を司りし天翔迅雷之命よ。その御力を宿し給え……」
もみじの魂はルージの魂に向かってニヤリと笑った。
「一条之稲妻あああああああああああああああああああっ!」
もみじの魂がルージの魂の胸に右掌を当てながら叫ぶと、右掌から凄まじい雷が発生し、雷はルージの魂を吹き飛ばしながら呑み込んでいった。
「ぎゃあああああああああああああああああああああっ!」
ルージの魂は雷の中で絶叫し、雷は床をぶち抜いてその奥に消えていった。
間もなく、床に空いた大きな穴から光の粒が出てきて、フラフラと宙を彷徨いながら上昇し、天井を通り抜けて姿を消した。
「よっしゃーっ! 後はジルだけだぜええええっ!」
もみじの魂は一階の天井を通り抜けて、二階に戻った。
二階の宴会場の床を通り抜けたもみじの魂が目にしたのは、激高したジルが床に転がるもみじの体の上方二メートルの位置に瞬間移動し、右掌を振りかぶっている光景だった。
「ジルちゃん、激おこだよーっ! あんたなんて頭蓋骨を叩き潰しちゃうんだからーっ!」
「ま、まずい!」
もみじの魂は、右手の人差し指と中指で空中に上から下へ直線を描きながら叫んだ。
「古より雷を司りし天翔迅雷之命よ! その御力を宿し給え! 解放之迅雷いいいいいいいいいいいいいっ!」
ジルの右掌がもみじの体の後頭部に触れる寸前に、巨大な雷が雷鳴を響かせながら天井を突き破ってジルともみじの体の上に落ちた。
「きゃあああああああああああああああああああああああっ!」
雷は悲鳴を上げるジルともみじの体を呑み込み、床を突き破って一階に到達すると、一階の床も突き破ってその奥に消えた。
もみじの魂は雷が空けた穴を通って一階に飛んで行くと、床に空いた穴のそばにジルともみじの体が倒れていた。もみじの魂はジルに向かって一直線に飛び、仰向けに倒れているジルのウエスト部分を両腕で抱えると、ジルの魂を引きずり出した。ジルの魂が体から抜けた瞬間、小さな光の粒がジルの体から飛び出した。
「な、何? 何? ジルちゃん、どうなったの?」
「だああああああああああああああああああああっ!」
もみじの魂は叫び声を上げながら、現在の自分の状況が理解できずに混乱しているジルの魂を高く放り投げた。
「古より雷を司りし天翔迅雷之命よ。その御力を宿し給え。一条之稲妻あああああああああああああああああああっ!」
もみじの魂は右手人差し指と中指で宙にジグザク模様を描くと、右掌を突き出し、その右掌から発生した強烈な雷がジルを呑み込んだ。
「きゃあああああああああああああああああああっ!」
雷は天井を突き破って上昇し、二階の天井も突き破って空に消えていった。
「もう嫌だぁ〜っ! ジルちゃん帰るぅ〜っ!」
雷が消えた時、ジルの魂は白い光の粒に変わり、泣き叫ぶ声を残して凄いスピードで空の彼方に消えていった。
もみじの魂は、天井の穴から覗く分厚い雨雲を見上げながら溜息をついた。
「おめぇ、帰るって、どこに帰るんだよ? まったく……」
もみじの魂は、床に転がる自分の体に目を向けて顔を引きつらせた。
「とっさのことで雷の術を遣っちまったが、この体には戻りたくねぇな……。感電してるし……」
もみじの体は、強烈な雷の直撃を受けてボロボロになっていた。
もみじはフラフラしながら、エスカレーターで二階に向かっていた。
「この時ばかりはヴァンパイアの体でよかったぜ。きっと人間の体のままだったら死んでたな」
もみじが宴会場の扉を開けると、奥にある白布が敷かれた円卓の上でさくらが上体を起こしていた。
「さくら!」
「おねーちゃん!」
さくらともみじは互いに駆け寄ると、互いの両手を繋ぎ合った。
「おねーちゃん、大丈夫? 随分ボロボロだよ?」
さくらが心配そうにもみじの顔を覗き込むと、もみじは思わずさくらから目を背けた。
『や、やべぇ。さくらが美味そうに見えちまう……』
「あの……」
もみじとさくらは横から女性の声で呼びかけられ、声の方に顔を向けた。二人の視線の先には、ジルとルージとスノンが優しそうな笑顔を浮かべて立っていた。三体の肌は、さっきまでの雪のような白さから人間と同じ色に変わっていた。
「あんたたち……。ヴァンパイアの魂が抜けて、体を取り戻したんだな」
もみじは嬉しそうに微笑み、ジルの姿の女性も嬉しそうな笑顔を見せた。
「やっぱり、あなたがわたしたちを助けてくれたのですね。わたしたちは、いつの間にかヴァンパイア族に体を乗っ取られていたみたいなんです。あなたにお礼がしたいのですが……」
「お礼? そんなのしなくていいよ。ん?」
もみじは、この状況の違和感に気づいた。
『スノンとルージは首の骨と頭蓋骨が砕けてたよな? いくらヴァンパイアの体になったからって、こんなに早く再生できるもんなのか? 衝撃波の手刀を顔面に受けたジルは、再生するまで結構時間がかかっていたよな? あいつら以上の霊力がなければ、こんなに早く再生するのは不可能なんじゃねーのか?』
「わたしたちの気持ちなんですから、遠慮はしないでください」
ジルの姿の女性がそう言うと、三人の女性の姿が溶けるように変わり始めた。
『こ、こいつらの魔力が急速に高まっていく! まさか戦闘モードに変身してるのか? こいつらの魔力、ジルたちよりも遥かに上だぞ!』
三人の女性の姿は、手の爪が長く伸びて刃物のようになり、眼球が黄色くなって瞳が縦に細長くなり、耳の先は長く伸びて尖り、耳まで裂けた口には長い二本の牙と短い牙が並び、全ての髪の毛はヘビになって鎌首をもたげ、もみじとさくらを睨んでいた。
ジルの姿から変身した魔物は、ニヤリと笑ってもみじに言った。
「お礼に永遠の若さと美しさを差し上げます。受け取ってください」
ジルの姿から変身した魔物の縦長の瞳が銀色の光を放ち、光はもみじの体を包んだ。
「か、体が……石に……」
「お、おねーちゃん!」
もみじの体は見る見る石になっていき、間もなく全身が石になって動かなくなった。
「おねーちゃん! おねーちゃん!」
さくらは愕然としながら、石になったもみじに呼びかけ続けた。
ジルの姿から変身した魔物は、石になったもみじに向かって嬉しそうに言った。
「あなたは永遠の若さと美しさを手に入れました。よかったですね。ねぇ、ステンノー姉さん、エウリュアレー姉さん」
ジルの姿から変身した魔物は振り返ると、スノンの姿から変身した魔物をステンノー、ルージの姿から変身した魔物をエウリュアレーと呼んだ。
ステンノーは苦々し気に言った。
「わたしたちゴルゴーン族の魔物にとって、ヴァンパイアなんて取るに足らない魔物で、こうやって戦闘モードに変身していれば恐れることがないのに、油断して噛まれちゃったみたいだね」
エウリュアレーが他の二体に言った。
「それより、ヴァンパイアに噛まれて体がヴァンパイアになったみたいだよ。牙が二本伸びてるし、さっきから生き血が飲みたくてたまらない。
ねぇ、ステンノー姉さん、メドゥーサ。そこの人間の生き血をいただかない?」
メドゥーサと呼ばれたジルの姿から変身した魔物が、さくらの姿を見つめながら無邪気に笑ってエウリュアレーの提案に賛成した。
「そうしましょうよ! 実はわたしもお腹がペコペコなの。人間がいるってことは、ここは人間界なのかな? そこの人間の生き血を全部飲んで、足りないようだったら、人間狩りをして遊びましょうよ! 狩りをして食べ物を手に入れるなんて面白そうじゃない?」
ステンノーは妹たちに言った。
「それじゃあ、まずそこの人間の生き血を全部いただこうか。生きたまま体を三つに引き裂いて、仲良く分けよう」
「おねーちゃん! おねーちゃん!」
石になったもみじに涙を流して呼びかけ続けるさくらに向かって、三体のゴルゴーンは楽しそうに笑いながら近づいていった。




