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第23話 決着


空間は古戦場よりも広く感じる。少し先にでかい鳥居がありその下には2本の彼岸花が咲いていて、鳥居の向こう側にも空間が広がっている。

 フィートンはその鳥居の前に立っている。


「なんか思っていたのと違う」

 私がイメージしていたものとは違う感じになってしまっている。まぁ綺麗だし少なくとも魔法。見た目はどうとでもなるだろう。


 「俺の世界魔法が上書きされるとは」

 周りを警戒している。特にこの領域には効果をつけていない。フィートンの領域を上書きするためだけのものだし。


「いやー驚いた。まさかもう世界魔法を使うなんてね」

 私の後ろから声がし、振り向いた先には神ノ目……クノンがいた


「お?何故ここにって顔をしているね」

「何故ここに?」


 クノンは意志を持ったスキルのはず。ここは私の意識の中じゃあない。体に触れてみたがちゃんと実体がある。


「それが僕にもよく分からないんだ、この魔法はほんとに上書きしか効果がない。のに僕がここにいてそして僕も魔法が使える。」


「今ならふたりで戦えるけど……どうする?」

 魔法の効果という事にしたら多分問題は無いのだろうけど

「今はタイマンかな。私の実力を見るためでもあるだろうし。あと私は1人の方が楽」

 笑ってそうだよねと答えるクノン。記憶を読んでいるらしいから性格とかもわかってしまうのかな?

「キャァァァァァァ!!!!」

「ッッ!?」

 女性の叫び声、甲高いキーンとする声がした。

 声のした方を見ると受付嬢が失禁しながら気を失っていた。


 え?何?どーゆこと?あと巻き込んでごめんなさい。

 次はフィートンが首に手を当て周りをキョロキョロしている。

「な、なんなんだお前は!!姿を現せ!!」

 なにかいる……の?明らかに様子のおかしいフィートン。だが周りには他に何も居ない。感じられる気配は、私とフィートン、クノン。そして気絶した受付嬢の四つだけだ。

「クノン私たちの他になにかいる?それもこの領域の効果なの?」


 とクノンの方を向けば……なんとも言えない顔をしていた。

「え?君にはあれが見えないの?」

 クノンが指さした方を見るがただフィートンがキョロキョロしているだけだ。なにかいるのは確からしい。

「まぁそのうちわかるでしょう。」

 少なくとも私には害は無いだろうね、一旦頭の隅に置いておいておこう。

 ステータスを確認する残りMPは10。その10は今身体強化に使われているみたい。身体の中をぐるぐる回っているのがわかる。

「約900か。そこにバフとかデバフとかつけるとさらに増えるのかな?」

「いや、フィートンの魔法を900で上書きするのはそれだけで十分な効果だからね?てか普通は世界魔法を上書きなんてしないよ。まぁ君の場合魔力の質が高すぎるからこんな事も出来ただろうけどね。」

 

質?私はフィートンをじっと見る。魔力は感じる……が質なんて分からない魔力は魔力だ。

「僕の目を使うのもいいけどまずは自分の目で見た方がいいよ君の場合」

神ノ目を使おうと思った時にクノンからの助言。記憶見てるらしいからね素直に従おう。

 

ひとまず領域は戻そう。出せることはわかったし結構遊べそうだ。ただ今は試合中……このままでは試合にならないだろう。魔力の質はまた今度。

 

 私は領域との繋がりを確認して私の中に引っ張るイメージをする。

 すると領域が薄くなり少しした後完全に無くなった。

 ステータスを確認して残りMPが300になっていた。

 上書きに約600。多いのか少ないのか分からない。


「さぁ続きをやろう。まだまだこれからだよね?」

 私は特大剣と、ナイフを構え言う。だがフィートンは否定的な答えを返した。


「いいや、正直もう俺には打つ手が無い。世界魔法が上書きされたせいでデメリットのアクティブスキルの強制クールタイムがついてな。正直何も出来ずに壊されると思わなんだ。」

デメリット?

『世界魔法はねデメリットをつけると消費魔力が減ったり、世界魔法の衝突時にも何故かボーナスぽいのがついてるぽいんだよね。重いデメリットをつけてる方が何故か衝突に勝つんだよ』


 …………世界魔法の衝突?

『同時に世界魔法を発動すると魔法がぶつかり合う事だね、そのままの意味だよ。ファイアーボールをファイアーボールで相殺した事あったよね?あれと同じ事。魔力がより強い方勝つ。まぁ押し負けても世界魔法の効果が下がるから撃ち得だね』


『ちなみに君が今やった上書きは普通に難しい高等技術だよ。攻撃をして集中力を散らしているとはいえ相手も抵抗するんだ。緻密な魔力操作技術を求められ、相手の魔力に負けない質が無いと出来ないものなんだよ』


 へぇ

『……』

 そんな事言われてもわからんよ私は。

「戦いは終わりだ。俺にもう打つ手はない。だから、お前には最高ランクを付けてやる。」

「なんで!?まだ死んでないッ!」


 死ぬまでやろうそう言ったのにここで終わり?楽しい殺し合いが……せっかくノッて来たとこなのに。これからじゃあないの?お互いに切り札を切ってギリギリの殺し合いを!!


 フィートンの剣の技量は凄まじかった。様々な剣術家のシミュレーションをやったり、死にゲーのボスとの戦闘。リアルでのプロとの斬り合い。

 どれと比べてもフィートンが圧倒的だった。


 なんか展開に黒騎士とのデジャブを感じたが。


「お前さんの腕は問題ないとわかった。お前さんを殺すことは俺には出来ない。技量で負けてるんだ。そしてお前さんは火力が無い。俺を削りきれないんだよ」


「それもそうね」

 私はスンとした。パッシブでもリジェネ系のスキルを持っててアクティブスキルでも回復できるスキルを複数持ってた。いくらコンボスターで地道にダメを上げても回復されてしまう。それにコンボスターの維持が出来なかった。それだけフィートンは強い。


「ランクは6をやろう。本当は5までなんだが……まぁ楽しませてもらったからなギルマス権限だ」


「ならキリよく10とか!」


「それはできん」


 はーい

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