371.リンデルの研究者たち
371.リンデルの研究者たち
リョウやライアン博士達は、まず、研究所の日誌の裏表紙を確認した。
リョウ「ここで研究をしていた研究者名が書かれている。」
リョウはそこで書かれていた名前を確認して驚いた。
リョウ「ここの研究所長…リンデル…あの大魔術師の…、そしてモーリエ教授もいる。
記述は…リドリン教授の様だな。」
ワジム「モーリエ教授?リドリン教授??」
リョウ「モーリエ教授は、古代リンデルの町、リンデル魔法大学で教授をしていて、
植物を急速に枯らすブラックドラゴンの攻撃を防ぐシステムを開発していた教授で、
過去に講演を聞いたことがある。」
ワジム「過去?」
リョウ「次元転送機でこの間、古代リンデルの町に行ったときにね。
そしてリドリン教授は、主に植物学専攻で、ブラックドラゴンのブレスで、
植物が水分を吸い上げられない状態にするメカニズムを研究していたと思う。
ちなみにリドリン教授はモーリエ教授の同僚、だったと思う。」
リョウは、一呼吸置いて、
リョウ「では、日誌を読んでいこうと思う。」
<国歴2831年12月7日>
昨日ブラックドラゴンの猛襲により、
全てのブレスリフレクターが破壊され、
精霊樹は、ブラックドラゴンのブレスにより、
破壊、枯れ果てる結果となった。
もう、魔力も得られない状況だ。
我々は、精霊樹を挿し木によって奇跡的に成功した3本の苗木とともに、
地下研究所で研究を続けることにする。
<国歴2831年12月8日>
地上の親衛隊長からの報告によると、
兵士の戦死者9840名、
町の住人も、近隣の都市へ避難が続き、
町の樹木もブラックドラゴンのブレスで、
大抵のものが枯れ果てたとの報告あり。
この国は…もう終わりかもしれない。
しかし、いつか元の豊で平和な国に戻れるよう、研究は続ける。
ブラックドラゴンの生態を解明し、やがてブラックドラゴンがいなくなり、
ここにある3本の苗木が健やかに地上に育ち、
また緑あふれる豊かな国になるように。
ここで、月の記述は1か月後に飛んでいる。
<国歴2831年13月6日>
外は雨が降っているとの報告。
ただその雨は灰色で、枯れた木々や町に降り注いでいる。
町には人がもうおらず、壊された家々はそのまま修復されず、放置されている。
やがて朽ち果てていく運命を受け入れているようだ。
この雨は、土壌の保水力が亡くなった台地は、残った豊かな土壌を洗い流し、
やがて、岩場や砂漠の風景へと変えるだろう。
植物と共に生きてきたエルフの民も、やがて消滅する運命にあるだろう。
日誌は飛び飛びになっている。
<国歴2832年6月21日>
地上の植物の枯葉は朽ち果て、幹や枝のみが残っている状況で、
新たな植物は生えてこない。
夏の季節に差し変わろうとしているのにだ。
全ての植物が死に絶えている。
ここで、光と地下深くからくみ上げている水分で、
食料となる植物を育てているが、その栄養素の一つとなっている、
精霊樹は、1本が枯れた。残り2本となってしまった。
植物を育てる魔力が、今後さらに得られなくなるだろう。
<国歴2833年1月1日>
今日は、新年のはずだ。
しかし我々は、再び植物をこの地上に復活させるため、研究を続けている。
しかし、2本ある内1本の精霊樹の苗木が枯れかかっている。
1年ぶりに地上からやって来た親衛副隊長が、近隣の国も、ブラックドラゴンのブレスで、
植物などがすべてやられ、極度の食糧不足になり、争いを繰り返しているとの報告をしに来た。
この世界は本当にもうだめなのかもしれない。
リンデル同志は、ブラックドラゴンの影響のない地を探して、旅をし、
我々エルフ族が今後も生き残る道を探そうと話をされている。
<国歴2833年2月6日>
ついに精霊樹の苗木もう1本が枯れ、残り1本となっている。
魔力を消費せずに、ブレスの影響を受けない植物の研究を行っているが、芳しくない。
昨日リンデル同志は、旅立ってしまった。
ブラックドラゴンがおらず、豊かな植物がある地を求めて。
我々は、この命が尽きる最後まで、研究を進めるつもりだ。
後のページは朽ちていて、内容が良く読み取れない。
一同は沈黙してしまった。




