358.10年後の世界
358.10年後の世界
翌日、リョウ達は宿を引き払い、リンデルの町の門を出る。
そしてしばらく歩き、それらしいところに差し掛かると、
スマホで撮った写真を頼りに次元転送機を遮蔽して隠した地点の入り口か、
確認を行う。
3時間ほどして、ようやくそれらしき森の入り口を見つけ、
中に入っていく。
しばらくすると、森が開けたところで地面が四角くへこんでいるところを見つける。
リョウ「よし、ここだ。」
リョウは遮蔽した次元転送機の壁を触り、入口の起動スイッチを見つけ押す。
すると、入口が開き、次元転送機の中が見える。
4人は次元転送機に乗り込んで、ドアを閉めた後、空に飛び立つ。
リョウは、全面のスクリーンを、前下方を映す様切り替える。
スクリーンにはリーデルト王国の王都、リンデルが見える。
リアン「あれが精霊樹だったのね。改めてみると、大きいわね。」
リョウ「では、10年後に移動してみよう。」
次元転送機のスクリーンは光に包まれ、やがてその光は消えていく。
光は徐々に消えていき、外の景色が徐々にはっきりとしてくる。
リリネア「なっ…。」
映し出された風景は10年前の風景とは異なり、王宮の建物も含め、
町の建物は破壊され、生物のいる雰囲気が全くなく、廃墟となっていた。
そして、緑がなくなり、枯れた木々が町のあちこちにめっだっていた。
精霊樹も根元から折れ、枯れ落ちていた。
リアン「これが、リンデル? たった10年で?」
リョウは次元転送機の計器を改めて確認した。
リョウ「間違いない、10年後だ。
ちょっと待ってくれ。」
リョウは、周辺に敵対する者がいないか、能力で確認する。
リョウ「敵対する者はいないようだ。町の…いや町だったところの広場に降りてみよう。」
リョウは次元転送機を操縦して、広場に着陸させる。
リョウ「ここは、宿からすぐの広場のはずだが…」
広場からつながる大きな通りにある建物は破壊され、上層の階が吹き飛び、
屋根がなくなっている建物、建物自体が崩れ落ちているもの等、確認ができた。
リアン「本当に誰もいないわね。」
シャミル「媽祖の流れも感じられね。」
リョウ「あちらが…昨日まで泊まっていた宿だな。」
4人は宿の方へ歩いていく。
宿は、2階から上が倒壊し、1階部分はかろうじて残っていた。
リョウ「中は、がれきだらけで入ると危ないな。」
リョウ達は一旦、次元転送機のある広場まで戻ることにした。
次元転送機のところまで戻ると、
リョウ「とりあえず、サンプルを取得しよう。」
リアン「サンプル?」
リョウ「昨日話した植物や土壌のサンプル。
青枯れ病の様な病原菌が実際の原因かどうか、サンプルを集めたい。
元の世界に戻って、この菌を広げない様、サンプルは密閉性のある容器に集めたい。」
リョウは能力で調達したサンプル容器をリリネア、リアン、シャミルに渡し、
自分もサンプルを集めることにした。
20分後、4人は、枯れた植物の破片や枯れた葉っぱ、土壌、石、建物の破片等、
ありとあらゆるサンプルを集め、再び次元転送機の前に集まった。
リョウ「あとは、精霊樹のサンプルだな。」
リリネア「!ああ、精霊樹も持ち帰るのね。」
シャミル「儂も、非常に興味がある。
魔力の残骸が残っていれば、詳しく調べてみたいからな。」
4人は再び、次元転送機に乗り、リンデルの上空へ飛び立った。




