357. 仮説をたてて、証明する
357. 仮説をたてて、証明する
リリネア、リアン、シャミル、そしてリョウは、
この都市リンデルのブラックドラゴンと砂漠化の関連性を調べるため、
展示会の講演に参加していた。
司会者「それでは、ブラックドラゴンの襲撃に耐えうる都市の構築について、
リンデル魔法大学の魔道設備学部のモーリエ教授に開設をしていただきます。」
少し間をおいて、壇上のモーリエ教授が解説を始める。
モーリエ「それでは、講演を始めようと思う。
近年になって現れ、襲撃を繰り返すブラックドラゴンであるが、
ブレスの効果は、高温と共に魔素の流れを阻害し、
焼き尽くされた灰を植物が吸収した場合、植物の水を吸収し、吸い上げることができない構造になることが、
共同研究者の生物学部のリドリン教授と突き止めた事実である。
我々エルフ族は、植生と共にあり、非常に大きな問題である。
私は、この都市を直接ブレスによって攻撃されるのを防ぐとともに、
この都市周辺の植生も、守る必要がある。
そこで陛下の優れた魔法の知見と共に開発されたのが、
ブレスリフレクターである。
王城の精霊樹から、植物の水の吸収を妨げる効果のある魔導波を打ち消す魔力と、
陛下および王城の魔導士団の魔力を結集させた魔力をそれぞれの魔石に蓄積し、
異なる周波数で増幅させ、ブラックドラゴンが近づいた時、
シールドを構えるという方式を今現在構築しているが、
その前に、この方式を提案された陛下には国民一同、
感謝の言葉を述べたいと思う。
では、具体的にこのブレスリフレクターがどのような構造なのか、
開設しようと思う。…」
この後、教授は具体的なブレスリフレクターの構造の話に入る。
周りの聴衆はその公演に耳を傾けていたり、メモを取る者もいる。
リョウ「どう思う?」
リョウは小声で隣に座っているリアンに話をする。
リアン「どう思うって、まずは話をすべて聞いてみましょう。」
その後、公演時間は1時間ほど続き、講演が終わった。
4人は、会場を後にし、近くの喫茶エリアに入る。
4人は樹木の雫という飲み物とプルアと言う果物を注文する。
リョウ「結構収穫の大きい講演だったな。」
リリネア「そうね。精霊樹、多分、王城脇の庭園にあったあの木かしらね。」
シャミル「先程のモーリエ教授の話だと、あの精霊樹の発する魔力を魔石に回収していると話しておったが、
それほど大きな魔力感じられなかったがな。」
リアン「精霊樹からの魔力はそう多くはなく、ある一定時間回収して、魔力をためているのだと思うわ。」
リリネア「とにかく砂漠化のポイントは、あの精霊樹だと私は思うわね。」
リョウ「…あの精霊樹には、植物の毛細管現象で水を吸い上げるのをできない構造に変えるのを防ぐ効果がある…か。
植物はすぐには枯れず、ゆっくりと枯れていく…。」
リョウはスマホで少し調べ始めた。
リアン「どうしたの?」
リョウ「いや、ちょっとね。」
リョウはしばらくスマホで調べていたが、
リョウ「青枯れ病…か。これに近い現象かな?
この感染性の強い症状と言うか。」
リアン「青枯れ病?」
リョウ「前の世界で、トマトなどの野菜を育てる時、植物が水を吸えなくなる病気があってね、土壌伝染性病害というか。
青枯れ病は病原菌で、根の傷口からこの菌が入り込んで、茎の内部を水が吸えない様な構造にするんだ。
また周りの植物に感染する特性もあるんだ。
もし、ブレスがこの菌を増殖・変異させ、どの様な植物にも青枯れ病の様な現象を引き起こし、
精霊樹がこの菌を抑制する効果がある、という仮説が垂れられるんじゃないかと思って。」
リアン「どうするの?」
リョウ「まずは、この仮説が正しいか、確かめることをしたい。
そうだな、植物が枯れた所の土壌サンプルをとろう。
そして、ライアン博士に解析してもらう。
それと…」
リアン「それと?」
リョウ「次元転送機で、この後のこの国がどうなったか、見てみたいな。」
リリネア「リョウは、精霊樹が枯れると思っているのね?」
リョウ「枯れるというか、正確には、魔力を出せない様になる状態になるというか、
そうなると思っている。」
4人はその後宿に戻り、翌日次元転送機に戻ることにした。




