347. 村長の娘
347. 村長の娘
4人は軽自動車で牽引した荷馬車で、
15000年前のミレバ村に到着した。
村は、木でできた塀で囲まれており、
未舗装の細い道は村の門につながっていた。
村の入口には2名の門番がおり、
こちらの様子を見て、慌てて村の門を閉めようとしていた。
リョウは軽自動車を門の近くに着けると、
案の定、体格の良い門番は槍を構え、こちら側を激しく警戒していた。
門番1「おお前らはだれだ!村の中には一歩も通さないぞ。」
門番2「命に代えても村を守る。」
リョウ「私たちは商人で、この乗り物は馬の代わりに取引で得た物なんです。
あるドワーフの職人の最高傑作で、たまたま取引で手に入れることができたんです。」
門番2「嘘を言うな!」
リョウ「商人であるということを証明するために、後ろに引いている荷台の商品の説明をさせてもらえませんか?」
リョウは、その様に言うと、
門番の1人が恐る恐る荷台の横に回る。
門番1「あっ、エルフ族の者もおるのか。エルフが商人に同行するとは珍しいな。」
門番は驚いている。
リアンが説明するが、門番の男はエルフ語がわからないのか、
ポカンとしている。
リョウ「この度薬品も取り扱うことになりましてね。
薬品の知識を2名のエルフ族を雇って教えてもらい、リンデルに戻るその帰りなのです。
雨が酷くなりそうなので、この村に酔った次第で。」
リョウは門番に説明をする。
その後、雨が降る中、樽に入った乾燥大豆やポーションなどを見せる。
その瞬間、門番は黙ってしまった。
するともう一人の門番がやってきて、状況をやって来た門番に説明する。
説明が終わると、初めに荷台の横にやって来た門番が、
門番1「実は村長の娘が、ヒュージバシリスクに噛まれて、
強い毒で生死をさまよっているのだが、解毒剤は無いか?」
と、説明する。
リョウはリアンに内容を説明する。
リアン「バシリスク系の毒ね。ちょっとその患者を見せてもらうことはできる?」
と答える。
リョウは門番にその旨説明をする。
門番は首を振る。
そして門を開け、その門番は駆け足で村長の家まで案内する。
雨が酷くなってきたのか、村の中は人が歩いておらず、
軽自動車に引かれた荷馬車はそのあとをついて行く。
しばらくすると、門番は足を止め、少し待つ様にこちらに合図をしてから、
家の中に入っていく。
10分くらい待たされたであろうか、
しばらくして門番の男は外に出てきて、家の中に入る様、
言って来た。
4人は、家の中に入ると、テーブルに初老の男性と女性が座っていた。
そのうちの1人が口を開く。
コスコフ「私は村長のコスコフという。何でも薬の知識に深いエルフとポーションがあるとか。
私の娘を見てもらえないか?」
と、話してくる。
リアンは話しかけるが、
コスコフ「すまぬが、私はエルフ語ができなくてな。」
リョウはリアンとコスコフの間で通訳をする。
リアンはリョウを通し、娘を診る旨伝えると、
コスコフの案内で、毒に侵された娘の寝室に向かう。
4人とコスコフ、そして門番の男は、毒に侵された娘の寝室に入る。
娘は意識朦朧で、大汗を書き、苦しそうに目の前に寝ている。
リアンは、コスコフに合図をし、
目の前のベットの上に寝ている娘の様子の確認を始めた。
リアンは男性は外に出る様伝え、リョウはその旨伝える。
コスコフとリョウ、そして門番は部屋の外に出る。
リアンは目の前の村長の娘の上半身の服を脱がし、
皮膚の様子を確認した後、のどの様子や、関節の様子などを確認し始めた。
部屋の前で待っている男性陣が、リアンに呼ばれたのは、部屋の外に出てからおよそ10分後で、
部屋に入るように促す。
全員が入ると、リアンは説明を始めた。
リアン「血液を破壊する系統の毒にかかっているわ。
以前リョウがクサリヘビ科の血清というのをくれ、
飲み薬として使えるように、ポーションに調合したけれど、あの薬が効くと思うわ。
私は注射ができないから。
リョウ、あの薬をまた準備できないかしら?
確か、荷馬車に積んでいる、ポーションにその薬を調合した物を飲ませれば、
良くなると思うわ。
私は荷台からポーションを取ってくるわ。」
リアンはそう言うと部屋を出ていった。
リリネアは、
リリネア「娘はポーションのスペシャリストだから村長に伝えて安心させて。」
と話す。
リョウは、リアンとリリネアが話した内容を、コスコフに伝えた後、
リョウは部屋の隅で、荷物を出すふりをして、
血清を調達する。
その後、リアンが部屋にすぐに戻ってきて、
リョウはリアンに血清を渡す。
リョウは、メスシリンダーや攪拌棒、ビーカー等も併せて渡す。
リアンはこれら準備した道具で、分量の調合を始める。
そして調合が終わると、目の前の苦しそうに寝ている娘に、その薬を飲ませる。
リアン「もう大丈夫だから伝えて。」
半日ぐらいすると、呼吸などがだいぶ楽になってくるはずだから。
リョウはコスコフにその旨伝える。
コスコフと門番は嬉しそうな顔をする。
コスコフ「ああ、なんと言ったらいいか。
こちらでゆっくりとくつろいでください。」
コスコフは、リョウ達を、居間の方へ案内した。




