まずはディスプレイ事業部へ!
ディスプレイ事業部へ噛みつく中央研究所!!
※次話は明日の7:00時更新予定です!
中央研究所からは、私と本田でキックオフミーティングに参加した。
一週間前に本田と打ち合わせで、
「まずは我々が主導権を握るということだ。」
「かしこまりました。それでは我々の開発している材料のリストと共に
性能をまとめた表を作成します。
それと当然光取り出し技術も報告されますよね?」
「ああ、当然だ。それと・・・可能であれば製造設備も出せるか?」
「・・・製造設備もですか?」
「そこも課題はあるのだから、提案をしておく。
そうすればその点も噛むことができるんだからな。
今後のことも考えてそこは必須だろう。
あの照明事業部だけではなく、更に一手を打って
ディスプレイ事業部にも侵食できれば
我々中央研究所の力が増すからな。」
「かしこまりました。中央研究所内の装置研究チームにも打診して資料を出させます。」
「頼むぞ。」
まずは中央研究所がどれだけ今回のプロジェクトで貢献できるかを見せつけて、
そして、このプロジェクトの主導権を握る!!
それを狙っていたにも関わらず・・・
「それじゃあ、早速役割分担をこちらで考えているまずは案を出します。」
村中が画面に映し出した役割分担には、
製造関係は“ディスプレイ事業部”
そして・・・
構成・材料関係は・・・
“照明事業部”
と記載されているではないか!!!
我々中央研究所は光取り出し技術のみの担当になっていた。
こんなの到底納得できるか!!!
「村中プロジェクトリーダー!」
「なんですか宮本所長。」
「ご提案のあった案ですが、おっしゃる通りで各事業部様、
そして私達 中央研究所の強みを活かしております。」
「そう言っていただけると、寝ずに考えたのでうかばれますね。」
「ただ、社長がおっしゃっていた各事業部を横断して
プロジェクトを成功させるということに関しては・・・
少々弱いと思います。」
「横断ですか・・・確かにおっしゃってましたね・・・。」
「はい、ですので、私達も考えておりました。
案をご説明させていただいてもよろしいですか?」
「ええ、かまいませんよ。是非とも宜しくお願いします。」
「ありがとうございます。本田、資料を写し出してくれ。」
私の指示を受けた本田は素早くパソコンとプロジェクターをつないで、画面に映す。
「・・・めんどくさいことをやってくれるな・・・。」
苦々しい顔をする川村部長。
そしてもう一人、苦々しい顔をするのがディスプレイ事業部の佐川部長であった。
そこに映し出されたのは、すべての分担に中央研究所が記載された案であった。
「我々中央研究所には半導体関係に従事する設備部隊もおります。
この部隊の一部は佐川部長のおられるディスプレイ事業部にも派遣しております。」
「・・・ただ駐在しているだけですけどね。」
ここで佐川部長が噛みついてくる。
まあ、当然そう来るだろうけど・・・
「駐在とおっしゃりますが、それは何かがあった時に
即時対応できるようにしているんじゃないですか。
そもそも設備立ち上げ時には協力して立ち上げた実績があるじゃないですか。」
「ただ、後学のためにとこちらに派遣しておいて、何が“協力”してだ!!
それに駐在している間も説明書を読んで操作確認しているだけの連中だろうが!」
「何をおっしゃりますか、そこで知見を得ているんですよ。ですから・・・。」
本田に合図を出して、設備に関する資料を表示させる。
「こんな課題点を抽出しているんですよ。」
ニッコリと微笑みながら佐川部長を見る。
ほら、そんな苦々しい顔をするなよ・・・
「この課題点は間違っていますか?」
「・・・あってるよ・・・。」
「それは良かった。この課題についてはそれぞれこんな案を検討しております。」
そういって、課題に対しての解決案を表示する。
ただ、その解決方法はすべて・・・
「お前・・・
この解決方法をするのに設備にどのくらい費用が掛かるのか分かってるのか?」
「はい、その算出も終わっておりますよ。」
そう言ってそれぞれいくらかからるかを表示していく。
満足げな表情を浮かべる宮本所長に対して、
苦々しい顔を浮かべる佐川部長であった。
「ふ~ん・・・こう見ると製造技術についても、
やはり中央研究所が絡んだ方がいいということですかね?」
村中プロジェクトリーダーの質問に、
「はい。我々だと客観的に見れる視点がありますし、更には技術があります。
ですから、十分に力を発揮できるかと思っております。」
「それならやはり中央研究所には設備も加わってもらうということで。」
そういいながら、村中プロジェクトリーダーが作成した資料の役割分担を一部変更した。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。