次の狙いは照明事業部か!!
照明事業部への介入話です!
※次話は19:00更新予定です!
「もちろん材料開発に関しても我々の知見が十分に発揮できます。」
どうやら次は照明事業部にその矛先が移ったようで、
得意気に本田に指示を出して、資料を提示する。
「釈迦に説法ではございますが、
有機ELに使われる材料はまずはプラス電極上に正孔注入層、
次は正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、
そしてマイナス電極で構成されております。
昨今、照明事業部様は中央部にある正孔輸送層、発光層、
電子輸送層で多大なる功績を残しております。
これは本当に素晴らしいことだと思います。」
つらつらと説明していく宮本所長に対して、
狙いが読めたのであろう川村部長が苦々しい顔をする。
「ですが、我々は正孔注入層や電子注入層にも知見を持っておりますし、
何より我が社独自の材料開発にも成功しております。
この知見と材料を使えば、より高い性能の有機ELを生み出すことができるでしょう。」
「だから・・・構成や材料開発にも加わりたいと?」
重い口を開いて尋ねる川村部長。
「その通りでございます。」
逆にこっちは軽やかに答える宮本所長。
「ただ、船頭多くして船山に上るという言葉がありますように
我々照明事業部と中央研究所が同時に検討すると言うのは、
やはり難しいのではないでしょうか?
考え方の違う二つが共存するとは思えませんが。」
ここで照明事業部から川村部長と共に来た青年が声を出している。
確か・・・あの子が柊だったかな?
へ~、面白い。
こんな状況でもしっかりと意見を言うのか・・・
「何を心配しているのかは分かりませんが、目標は世界一です。
その考え方は変わらないのですから、我々と共に開発しても問題ないでしょう。
それとも何か照明事業部は別のことを思案しているとでもいうのですか?」
「・・・いえ、そんなことはございません。」
「ならば、一緒に考えた方がいいでしょう?
我々研究所で今回のプロジェクトには30名以上当てるつもりですから。
人手が多いことに越したことはありませんよ。」
軍配はあがったな・・・
「それじゃあ、宮本所長が提案されたように、各事業部に割り当てられた役割にも
中央研究所のメンバーが加わってもらって、開発を促進させるということで。
ただ、中央研究所には多くの負担を強いてしまいますがよろしいですか?」
「ええ。こちらはプロジェクトのためなら問題はございませんよ。」
「ご協力感謝します。」
そう言って、私は作っていた表に追記していく。
「ええっと・・・今日の話内容についての議事録はこちらで書いて、回しますので。」
「そんな!
わざわざ村中プロジェクトリーダーにそんなお手を煩わせてはいけませんので
我々が書きますよ。そのために1人連れてきておりますので。」
そういって本田を指し示すが、私は、
「いいえ、これくらいは私がやらせてください。
皆さんには実務を押し付けているのですから。」
「ですが・・・。」
それでも食い下がろうとする宮本所長に、私は、
「それよりも今後の予算についてですが・・・。」
そう言うと何か言おうとしていた口を閉じる宮本所長。
更には川村部長と佐川部長も真剣な表情でこちらを見始めた。
「今のところは10億を予算にしております。」
この言葉を聞いた全員が目を大きく見開いた。
今までプロジェクトをやってきた人間がいればこの金額がいかに多いのかがわかる。
通常の我が社でのプロジェクトであればこの一桁落ち、
そもそも予算がつかないプロジェクトだってある。
「この予算で分かるように社長は本気です。」
みんなに諭すように話す。
「まだ、予算は稟議を回しておりますが、事前に皆さんからいただいた予算は
削られることなく通るかと思いますよ。」
「じゃあ、割り振りは我々が希望した通りでいいのですか?」
「そうですね。残るようなら返却してもらいますけどね。」
「いいえ、この間提出した予算案もできるだけ安くしたつもりですので
さすがに余るようなことはございません。」
よーく舌が回るな・・・
「川村部長と佐川部長もよろしいですか?」
「はい。」
「・・・ええ。」
嫌なのがハッキリと分かるな・・・
「それじゃあ、キックオフミーティングをこれで終了したいと思います。
みなさん、お疲れさまでした。
それとこの後の打ち上げ参加される方は荷物を必ず泊まるホテルや
自分の事務所に会社支給のパソコンや携帯を置いてから来てくださいね!」
こうして会議が終わったのだが・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




