プロジェクトの初顔合わせ
プロジェクトの初顔合わせの話です!
※次話は19:00更新予定です!
プロジェクトのキックオフミーティング会場に到着して、
会場内を見回す。
海外赴任先から直接ここに来るということで
開始の一時間前に、ここで集合としていたのだが・・・
「ご無沙汰しております。川村部長。」
すでに彼は会場の一席に座っていて、こちらを確認すると立ち上がってきた。
「おおぉ!!柊君!元気にしてたかい?」
「はい、何とか。ただ・・・米が食べたくて仕方がないですね。」
「向こうでも食べれるだろうに?」
「食べれるんですけどね・・・美味しくはないんですよ。」
「まあ、積もる話もあるだろうけど、ミーティング前に打ち合わせをしようじゃないか。」
そう言って私は柊と共に会場の一角のスペースに座って、
「それで今回の件は概要は理解しているね?」
「はい、メールと事前に資料は確認しています。
ただ、目標は世界一と決まっていますが、
その手段が全く分からないのですが・・・。」
「それをこの会議で決めようとしているんだよ。」
「・・・それってこの会議で決まりますか?
あまりに漠然としていると思いますが・・・・。」
「そうだね。だけど、大丈夫。今回参加してくるのは、
まとめ役には本社、そして事業部は我々照明事業部とディスプレイ事業部が出ている。
それと当然というか・・・中央研究所も出てきている。
この4つが出てきているんだよ。」
「・・・なるほど・・・・。
それだと分かり易いですね。」
「そうだね。まずは有機ELの作製はディスプレイ事業部が手を挙げるだろう。
だから問題はないだろうけど・・・。」
「・・・もしかして問題視しているのは中央研究所ですか?」
「そうだね。あそこは一昨年とその前にも照明事業部に面子を潰されているからね。
間違いなく、有機ELの核となる材料や構成に口を挟んでくるだろうね。
そこが彼らにとってはメインで研究している部分なんだから。」
「・・・。」
やっぱり柊は絶句してしまうか。
それは私も同意するが、これは事前に情報として確かなルートから入手しているため
間違いなく主導権を取りに来るだろう。
「・・・てっきり、有機ELからの光取り出し効率改善で
何かを提案してくるのだと思っていました。」
有機ELはガラスや樹脂に挟んだ有機物を光らせる新しい光源である。
ここで問題点の1つとして有機物が光った際に、
そのガラスや樹脂から光がすべて外に出ないという課題がある。
LEDでも同様で、この問題については様々な手法が研究されている。
我が社の中央研究所もこの光取り出し技術の研究に取り組んでいる。
「そこも提案してくるだろうね。だけど、彼らは必死になって主導権をとるために
自分達の独自材料を提案してきてもおかしくはないだろう。」
「そんな材料ありましたっけ?僕も社内で回っている報告資料はすべて目を通していますけど
彼らの開発している材料でそんな優れた材料はないはずですが・・・。」
「ああ、その通りだよ。だから、その分野でどうやって主導権を取りに来るのかが不明でね・・・。」
「それにその点を照明事業部から取った場合に、我々は何をするんですか?」
「向こうが考えているのは照明としての販売ルートと考えているんじゃないかな。」
「・・・それしか残らないですしね・・・。」
「ただ、救いなのは本社から来るのが実田大学出の村中君なんだよ。」
「すいません、存じ上げないのですが・・・。」
「ああ、柊君は知らないだろうけど、優秀な奴だよ。
まあ、実田派閥なのが少々厄介だけどね。」
「実田派閥・・・ですか?」
「うん?知らないのかい?・・・まあ、このミーティングが終われば
予定している会があるから、その時にでも話してあげよう。」
「ああ、顔合わせの会があるっておっしゃってましたね?」
「そう。そこで柊君をみんなに紹介してあげよう。」
「ありがとうございます。」
「まあ、この話はここまでにして、先日送った資料なんだけど、説明を・・・・。」
私達は30分ほどミーティングでの話す内容などを
詰めていき、本番に備えていった。
「じゃあ、有機ELプロジェクトのキックオフミーティングを開催します。
司会は私、村中が務めさせていただきます。」
私が宣言するとみんなの顔つきが変化していく。
先ほどまでは、まあ、腹の中までは分からないけど、
笑みを浮かべて話していた連中が
急に眼の色を変えて真剣な面持ちになっていくのだ。
「社長からのご命令はただ一つ!
世界一の南日本電機株式会社の技術力をアピールすること!
これが至上命題です。」
まずはしっかりと目的を参加者全員にインプットしていく。
その概要も説明していきながら、
「目標は一年後のこの技術展で世界一の技術を発表すること。」
そういって、プロジェクターに展示会を映す。
誰もが知っている国際展示会で、我が社だけではなく、
日本中、いや世界中の電機メーカーがこぞって発表する展示会だ。
「それじゃあ、早速役割分担のこちらで考えている案を出します。」
そう言って、手元のパソコンを操作して、画面に映すと
「おおぉぉぉ!」
という声と共に・・・
「馬鹿な!!!何を考えているんだ村中君!!!」
・・・やっぱり噛みついてきたか・・・
宮本所長・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




