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白き星に祈りを込めて  作者: ななしとせ
第4章 魔を統べるモノと落日の獣王
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第25話 希望

 地下通路でアレフは戦っていた。

 相手は人間を遥かに超えた力を持つ獣人、それが9名

 普通の兵士では絶対に勝てない戦いだった。


 先制は獣人達からだった。


 そこは広場だが、多人数が自由に動ける程には広くはない。

 獣人達の動きは制限されていた。


 彼等はアレフに対し、正面と左右の三方向から同時に襲い掛かった。

 正面から犬型の獣人、左から猿型の獣人、右から虎型の獣人だった。


 獣人達の動きは早く、攻撃を見てから回避しても間に合わない。

 だからアレフは瞬時に獣人達の攻撃の軌道を見極め、攻撃と同時に動いていた。


 腹と頭部と喉へ同時攻撃、アレフはそれらの軌道の隙間を身を滑らせ躱す。


 それだけではない。攻撃の際には隙が生じるもので、アレフはそれを躱し様に突いた。


 獣人達の反射神経では、隙を突こうと当たらないかもしれない。だからアレフは相手の虚を狙う。

 つまり視界外から足払いで、両足を狙われた猿型の獣人は反応できなかった。


 猿型の獣人が背中から倒れる最中、続くアレフの拳が鳩尾へと打ち込まれ、そのまま意識を奪い取った、 


 直ぐに真ん中の虎型の獣人が振り向きざまに裏拳を打ち込んできた。

 アレフは猿型の獣人に対処しながらも、全体を見ていた。

 だからこれの状況になるとも分かっていた。


 分かっていれば避けるのも容易い。

 僅かに屈んで手拳を躱わす。

 そしてその際に、相手の死角を突いた下からの手刀でのど元を突いた。

 頸動脈と気道を遮断された虎の獣人は、白目になって膝から崩れ落ちた。


 最後に犬型の獣人がアレフの喉元に牙を突き立ててきた。

 余程焦っていたのだろう、それは直線的な単調な攻撃だった。

 当然アレフにとって対処は容易い。


 アレフは僅かに身を捻って躱した。

 そして躱し様に腕を犬型の獣人の右脇に腕を入れる。そのまま腕を掴み上へと捻り上げた。


 体制を崩された虎の獣人は右腕を決められた状態で押し倒され、身動きを封じられた。

 脇固めと呼ばれる技だった。


 虎の獣人は起きあがろうと暴れるが、アレフの指突が眉間へと打ちこまれた直後、白目を剥いて気絶した。


 これで3名の獣人が気絶した。

 ほんの僅かな間の出来事だった。


 ・


「隙だらけだったのだが、どうして何もしなかった?」

 アレフはゆっくりと立ち上がりながら言った。

 視線の先には、まだ無傷な残り6名の獣人達がいた。


 本来、多対一の戦いで関節技は使うべきではない。技を掛けた際に動きが止まり、致命的な隙が生まれるからだ。

 しかしアレフはわざと関節技を用いた。隙を見せ、相手に攻撃を誘発させるためだ。


 しかし彼等は何もしなかった。

 おそらくためらったのだろう、そして質問にも答えない。


「個々の練度は悪くないが、連携は慣れてないか。惜しいな」

 アレフはつまらなさそうにため息を吐いた。


 ・ 


 アレフの予想は半分だけ当たっていた。

 他の獣人達な動けなかったの、確かにためらったからだ。

 しかし洗練された戦いに見惚れたからでもあった。

 彼等は皆呆けてきた。


「降伏しろ。悪い様にはしない。命の保証はしよう」

「はっ!」

 アレフの呼び掛けに、呆けていた猫型の女性獣人が気を取り戻した。


「ざけんしゃないよ!行け!」

 彼女の叫びで気を取り戻した4名の獣人達が、アレフに向かい走り出した。


 今度は正面、左右、そして上空からの四方向からだった。


 前からは牙を武器に蛇型の獣人が、右からは牙と爪とで幼い豹型の獣人が、左からは巨大な身体の熊型の獣人が襲い掛かる。

 そして頭上からは、急降下する燕型の獣人だった。


 一見、頭上からの攻撃は簡単に避けられそうに見える。数歩下がるだけで避けられるからだ。

 しかしそれが仕掛けた罠だった。


 燕型の獣人は避けられた瞬間、アレフに抱きついて拘束するつもりだった。

 拘束して自分ごと攻撃させ、道連れにしてやるつもりだった。


 だから敵が引こうが留まろうと関係ない。

 例え途中で心臓を貫かれようと、絶対に抱き着くつもりだった。

 そんな彼の急降下途中で、視界から敵の姿が消えた。



 標的を失った燕型の獣人が空しく着地した。

 振り向いて敵を探すと、そこには蛇型の獣人へと進むアレフがいた。

 彼は引きも留まりもせず、前に進んだのだった。


 彼は仲間に加勢しようと急ぎ立ちあがろうとした。

 しかし彼の視線の先では、敵の喉に食らいつこうとした蛇の獣人が、敵とすれ違い様に崩れ落ちていた。

 決定的な瞬間を、彼の優れた動体視力は捉えていた。


 アレフは蛇の牙を僅かに捻って躱すと同時に、あご先に手拳を当てたのだった。


 脳を揺らされ意識を失った崩蛇型の獣人が崩れ落ちた。

 この時、彼はようやく立ち上がったが、しかし状況は進み続けていた。


 この時、敵の左右から熊型の獣人と豹型の獣人が同時に仕掛けていた。


 幼く小さい豹型の獣人は爪を振り下ろし、熊型の獣人は巨大を活かした体当たりだった。


 先に迫ったのは豹型の獣人の爪だった。

 胸元を狙う横凪ぎの一閃、これをアレフは瞬時に四つん這いとなって躱した。


 勢いが止まらず豹型の獣人が通り過ぎる中、やや遅れた熊型の獣人の体当たりが迫る。


 当たれば肉はひしゃげ、骨が砕けるだろう。常人なら即死だ。

 しかしその動きは直線、つまり躱すのは容易い。

 四つん這いのアレフは、横に跳びこれを躱す。その最中、わざと体当たりの進路に脚を置いた。


 体当たりを躱された熊型の獣人は、アレフの足な引っ掛かり、つんのめるように体勢を崩した。

 危うく転倒しかけたが、慌てて両腕ばたつかせ、何とか体制を持ち直した。

 そして再び攻撃するため振り返った瞬間、自身の鳩尾に敵の拳がめり込んでいた。


 熊の肉体は分厚く、常人の拳など効くはずもない。

 しかしアレフの正拳突きは、強靭な肉体にめり込んでいる。

 熊の獣人を立ったまま気絶した。


 先に攻撃を避けられた豹型の獣人も既に気絶していた。

 この獣人は攻撃が躱された瞬間、アレフの掌底打ちに顎先を打ち抜かれ、そのまま意識を失い倒れていた。

 しかしその瞬間を把握出来たはいなかった。


 これで3名の仲間が意識を失い、残りは彼、燕型の獣人だった。


「ひぃ!」

 燕型の獣人はアレフに背を向け走り出した。

 逃げた訳ではない。彼等にはこの先に目的があった。

 目的とは都市長マリニア、彼等には彼女にさえ辿り着ければ良かった。

 こんな化け物と戦う必要もなかった。


 しかし走り出した瞬間、彼は首元に強い痛みを感じると共に、全身の力が抜け落ちていた。

 彼の首には、後方から投げられたアレフの鞘が命中していた。


 首元への衝撃は脳の中枢へと至り、即座に意識を停止させる。

 彼はその場で昏倒した。

 まだ僅かに残る意識の中、彼は手を伸ばして進もうと足掻く。

「まだ、兄ちゃんはまだ・・・」

 彼は涙と共に意識を失った。


 これで残るは獣人は僅か2名、

 共に女性で、その内一名は妊婦で、もう一名は幼い子供

 どう見ても非戦闘員だった。


 ・


 2名の獣人達が恨めそうにアレフを睨んでいる。

 そんな視線を尻目に、アレフは気絶させた獣人達に拘束していた。

 方法は『縛糸』の魔法術式で、指先から出た光の糸が気絶した獣人達の全身に絡みつき拘束したのだった。


 戦いはほぼ終わった。

 残りは非戦闘員、戦う必要もないだろう。

 そんな状況下で、アレフは陰鬱な気分になっていた。



「降伏してくれ。不要な暴力は好まない」

 アレフは敢えて降伏を勧告した。

 拒絶させると分かっていたが、それでも降伏をして欲しい気持ちが勝ったためだった。

 予想通り彼女達は何も答えなかった。


「降伏が嫌なら逃げてくれ。追撃はしない。拘束した者達も順次開放すると約束する」

 これがアレフの出来る最大の妥協案だった。

 しかしこれを聞いた幼い少女の犬型の獣人が、瞳に涙を浮かべ唸り出した。


 少女がアレフに牙を向けた。

「何だよ!お前何なんだよ!何であたし達を止めるんだよ!ふざけんな!ふざけんな!」

「・・・」

 涙声での少女が訴えに、戸惑うアレフは何も答えられなかった。


 睨む少女に対し、アレフは動けない。いつの間にか立ち位置が逆転していた。


 そんな中、気絶していた獣人達が目を覚まし始めた。

「放せ!」

「この野郎!殺してやる!」

「テメェだけは許さねえ!」

 動けない獣人達が口汚く罵る中、少女が牙と爪とを構えた。


「ウアーーー!ウアーーーーー!ウアーーーーーー!」

 それは少女の遠吠えだった。

 勇気を鼓舞し、恐怖をかき消すための遠吠えだった。

 まだ幼い少女が泣きながら何度も叫び続けた。


「ウアーーーーーー!」

 少女は四つん這いとなり、獣の体勢をとる。

 鋭い牙をアレフに向け、唸りを上げた。


「そこをどけ!あたし達はこの先に行くんだ!仲間達のために行くんだ!」

「・・・出来ない。引いてくれ、お願いだ。傷付けたくない」

 少女の威嚇に、アレフは少し遅れて首を振った。


「どけーー!」

「無理だ」

「がぁー!」

 瞬間、牙を剥いた少女が襲い掛かった。


 アレフは避けようとするが、その動きは明らかに精彩を欠いていた。

 結果、少女の牙が喉元をかすめ、僅かに皮膚を切った。


 少女は爪を振り下ろし、牙を突き立て続ける。

 その度にアレフの皮膚と服とが切り裂かれ、僅かだが出血していた。


「あうっ・・」

 アレフの血を見た瞬間、爪を振り下ろそうとする少女の動きが止まった。明らかに動揺していた。

 その瞬間、アレフの手拳が少女の顎先を軽く掠めていた。


「すまない」

 その言葉と共にアレフが少女の顎先へと掌底放った。


 着地した少女はそのまま倒れ込んでいた。

 立ちあがろうとするが出来なかった。脳を揺らされ少女は、平衡感覚を失っていた。


「まだだ!」

 それでも少女は立ち上がろうとする。しかし足が動かず、再び倒れてしまった。

「動け!このクソ足!動けよ!」

 足を叩き立ち上がろうとするが、やはり足が思い通りに動かない。

 何も出来なくなった少女は、しくしくと泣き始めてしまった。


 これで残された獣人は妊婦1名だけとなった。


 ・


「なぜ降伏も逃走もしない?他に選択肢はないはずだ」

 アレフは残った猫の獣人に問い掛けた。


 全ての獣人達がアメリアの軍服を着る中で、彼女だけは違かった。

 軍服ではなく妊婦用のゆったりとした服で、戦闘の場に相応しい代物ではない。

 お腹もかなり大きい。生まれるまで残り二ヶ月もないだろう。


 アレフの問いに彼女は何も答えなかった。


「もう・・・」

 その問いをアレフは少しためらった。

「故郷に帰れないのか?・・・捨てられたから」

「っ!・・・」

 アレフの言葉を聞いた瞬間、彼女は歯を食いしばり、瞳に大粒の涙を浮かべた。

 しかしそれでも彼女は何も言わなかった。


「頼む、何か答えて欲しい。それとも・・・・答えられないのか?言いたくても何も言えない?」

「っ!・・・あ、あ」

「もういい、事情は察した」

 目を見開く彼女の近くまでアレフは歩み寄った。


「今から質問する。答えなくて良い、気配で読む」

 アレフは小声で話し掛けた。獣人達への監視を用心したからだ。


「えっ?あの・・」

「君達が降伏しないのは故郷に人質を取られているからか?」

「・・・」

 アレフの言う通り、彼女は何も答えず沈黙を貫いた、それは期待と疑いが混じる複雑な眼差しだった。


「違うか・・・いや、完全な否定ではない、半分正解?人質はいるが、いないに等しい?」

 アレフは敢えて考えを言葉に出した。

 言葉を聞いた時の相手の微細な反応から、何を思い何を望むのか、その気持ちを正確に読んでいた。


 アレフは人の心がある程度読める。

 相手の些細な反応から、おおよその思考が分かってしまう。

 それは魔法術式ではなく、ただの技だ。長い苦難の中、必要となり身につけ鍛え上げた技、

 一番得意で、そして嫌いな技だった。


「見捨て、違う?・・・すまない侮辱だった。なら・・・託されたのか、気にするなと」

「っ!」

 彼女の瞳が大きく見開かれた。

 拳が強く握られ、全身がワナワナと震えていた。その眼差しからは疑いが消え、ただ願いだけがあった。


「それでも降伏も撤退も出来ない。人質以外の理由があり、それは何も答えられなかった理由と関係する。そうなると考えられるのは・・・」

 アレフは魔法術式を発動させた。

 それは自身の瞳に掛けるもので、不可視の魔法術式を見抜く『特視』と言う。


「やはり死の呪いか」

 アレフはため息を吐いた。

 彼の瞳には、獣人の心臓を覆うドス黒いものが映っていた。


「言葉に反応する類の術か。かなり強力で、しかも複雑すぎて解呪も困難だ」

 アレフの言葉を聞いた彼女は目を伏せた。

 その瞳から大粒の涙が出て溢れ続けている。

 つまりはそれが正解だった。


 死の呪いを掛けられた獣人達は、確実に死ぬ無謀な戦いを強制された。

 逃亡も降伏も許されない。どちらもすれば呪いによって殺される。

 結局、彼等に待っているのは確実な死だけだった。


 ・

「よくここまで耐えた。耐えて辿り着いてくれた。よく頑張った」

 震える声でアレフは笑い掛けた。

「もう大丈夫だ。私は君達の味方だ。必ず助ける」

 アレフの言葉にやはり答えはない。

 しかし見つめる視線に拒絶がないのは明らかだった。


 呪いを調べるためアレフが近づこうとした時だった。

「ミャオさんに触るな!」

 立ち上がった少女が叫んでいた。


「ミャオさんも、お腹の赤ちゃんも殺させない!絶対にマリニアの所に行かせる!あ・・・ぐっ・・・行かせて呪いを解いて・・・もらうんだ!がはっ!」

 その瞬間、少女は吐血し崩れ落ちた。その血は信じられない程の量だった。


 少女はアレフとミャオの会話が聞こえていなかった。だからアレフが攻撃すると誤解した。

 誤解から覚悟を決め、死を選んだ。


 ミャオは動揺して動けない。動けたのはアレフだけだった。

 彼は瞬時に飛び出し、崩れ落ちる少女を優しく抱き止めた。


「お願い・・・行かせて・・・お マリニア様に呪いを・・・赤ちゃんだけ・・・」

「安心してくれ。必ず助ける、君もだ」

 鮮血を吐き続ける少女を、アレフは優しく床に降ろした。


「フィロ!分かってるな!最優先、急げ」

『了解、呪いの分析急ぎます。時間を稼いで下さい』

「頼む」

 アレフはフィロと通信しつつ、少女の呪いを見ていた。


 発動した呪いが少女の心臓を蝕んできた。

 恐らくは少女の言葉を裏切りと判断して発動し、その心臓を切り刻み続けている。


 壮絶な苦しみだろう。それでも少女は願い続けていた。

「みんなが心臓に・・呪い・・・だから・・・降伏・・・できな・・・あう」

「死の女神ラーナよ、どうかこの少女を連れて行くな」

 アレフは少女の頬を優しく撫でると、治癒魔法術式を唱え始めた。


 ・


 レグルスは薄れ掛けた意識の中、これまでを邂逅していた。


 下手を打った・・・

 思わず駄目な言葉を使っちまった。

 まさかこんな時に呪いやられるなんて。


 俺達は心臓を呪いを掛けられた。

 アメリアに刃向かえば死ぬ呪い

 死の呪いだ。


 裏切りも降伏も逃亡も駄目だ。

 行動したら駄目だ。

 少しでもヤバい事を言っても駄目だ。

 それで沢山が呪いで死んだ。

 血反吐を吐いて死んじまった。

 憎たらしい呪いだ。


 はは残念だな、思うだけなら自由だ、クソッタレが


 だがな、実はもう一つだけ自由がある。

 それは吠えることだ。

 そりゃあ吠えても、細けえ話は出来ねえ。

 だが、言いたい事ぐらいなら分かる。

 人間には逆立ちしてもできない芸当だ。

 だから人間の呪いも通じ得ねえんだろう、細けえ理屈は知らねえけどな。


 ちょいと前、俺達の処分が決まった。つまり死刑だ。

 まあ役に立たなくなったのだから当然だろうな。

 だがよう、死ねって言われて、大人しく従えつもりもねえ。

 だから俺は仲間を連れて逃げることにした。

 言葉にしたら死ぬからよ、吠えて仲間達に知らせたんだ。

 まあ細けえ事がが伝えられなくて苦労したけどな。


 けどさ、ただ逃げても呪いで死ぬ。

 だから戦うふりをする必要があった。


 表では大人が戦うふりをして時間を稼いでよ、裏では女とガキが暗殺するフリして助けを求める。

 助けを求めるのはウェネス都市長マリニア様だ。

 あの天才様ならきっと呪いなんぞ一発で何とかしてくれるはずだからよ。

 どうだ、完璧な作戦だろ?

 馬鹿な俺が一所懸命考えた作戦だ。


 ・・・本当は中に俺が一人乗り込んでさ、何もかも喋っちまうつもりだった。

 だが見張りはあのライファのクソ女だ。喋った瞬間、消し炭にされる。

 だから無理だった。


 ・・・沢山死んだな。

 生きてるのは俺だけかな?

 時間は稼げたのかな?

 ミャオは助かったのかな?


 可能性なんてほとんどなかった。

 それでもやるしかなかった。

 せめてミャオだけは生きて欲しいからよ・・・


 さて・・・立つか。

 まだ終わらないからよ。

 死ぬまで戦おう。


 俺はレグルス

 獣王だからよ。


 ・


 レグルスは立ち上がった。

 口元からは鮮血が溢れ、傷だらけの全身は真っ赤に染まっている。

 瞳は虚ろで光はなく、意識があるかすら怪しい。

それでも獣王レグルスは歩き続けた。


 たった一つの願いのために。

9日間も空け申し訳ありませんでした。

この章はあと2回ほどで終わります。

次は25日更新予定です。

ツイッターやってます。

https://twitter.com/0fn3112578f322f?lang=ja

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