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煩悩だらけの異世界転移 ~裸が見たいだけなのに聖人扱いされています~  作者: kammy


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第五十九話 どれくらい盛れる?

次の日。


王都の北、国境付近。


四つの騎士団とロイド、スカーレット、俺は、魔獣を迎え撃つため陣を敷いていた。


各騎士団から集められたのは、五十名ほどの精鋭。


総勢二百名ほど。


魔獣が来るまで、二日ほどの猶予がある。


その間に陣地を整え、必要な物資を準備する。


俺は準備をしながら、ブラッド団長と話をしていた。


「そういえば、カストロがドラゴンを倒したと聞いた」


「はい」


「正直、少し嫉妬した」


ブラッド団長が苦笑する。


「だが……あれはケンジの力だったのか?」


「まあ……そうですね」


「本当に、私も強くなるのか?」


「たぶん」


ブラッド団長が少し考える。


「……試してみたい」


「じゃあ、試してみますか?」


「ぜひ!」


ロイド室長が食い気味に反応した。


「今すぐやろう!」


「え?」


「どの程度、身体能力が向上するのか確認したい!」


ロイド室長の目が輝いている。


「筋力は?」


「速度は?」


「反応速度は?」


「持久力にも変化があるのか?」


「治癒魔法を受けてから、どのくらいの時間で効果が現れる?」


次々と質問が飛んでくる。


「ロイド室長、落ち着いてください」


「これが落ち着いていられるか!」


完全に研究者モードだ。


「今まで我々は、ケンジ君の治癒魔法で傷が治ることしか確認できていなかった!」


「はあ……」


「それが、身体能力そのものを大幅に向上させる!」


「……そうですね」


「しかも本人の話では、一時的とはいえ凄まじい効果がある!」


ロイド室長がブラッド団長を見る。


「これは絶対に確認するべきだ!」


……楽しそうだな。


「では、怪我をしてください」


俺が言うと、ブラッド団長は自分の剣を抜いた。


「このくらいでいいか?」


「はい」


ブラッド団長は自分の腕に傷をつけた。


◇


「では、治療室へ」


俺たちは簡易的に用意した治療室へ入る。


「服を脱いでください」


「分かった」


ブラッド団長が服を脱ぎ始める。


一枚。


また一枚。


「……!」


俺の心臓が高鳴る。


よし。


これは見られる。


さっきまでの研究者モードが嘘みたいに、俺の意識はブラッド団長の脱衣に集中していた。


もう一枚。


あと少し。


よし!


そして最後の一枚。


ブラッド団長は服を脱ぎ終えると――


クルッ。


俺に背を向けた。


「…………」


何だよー!


最後まで見せてくれてもいいじゃん!


……まあ、意識あるもんな。


仕方ない。


「では、治します」


俺は背中越しに腕の傷へ手を当てる。


「治れ」


傷が消える。


「よし」


「本当に一瞬ですね」


ロイド室長が感心する。


「では、次は身体能力の確認をしよう!」


まだ興奮している。


「ブラッド団長、リールさんと模擬戦をしてみてください!」


「分かった」


二人が向かい合う。


「始め!」


開始の合図。


次の瞬間――


ブラッド団長の姿が消えた。


「え?」


リールさんが反応するより早く、ブラッド団長の剣が首元で止まる。


「……」


リールさんが固まる。


周囲の騎士たちも、何が起きたのか分かっていない。


「もう一度!」


リールさんが構える。


開始。


また一瞬だった。


今度はリールさんの背後にブラッド団長が立っている。


「……凄い」


ロイド室長が呟く。


「速度がまるで違う……!」


目を輝かせながら、必死に二人の動きを追っている。


「反応速度も上がっている!」


「筋力だけではない!」


「身体能力全体が底上げされているのか……!」


俺にはよく分からない。


でも、ロイド室長が凄く楽しそうなのは分かる。


「私も……やってもらえませんか?」


リールさんが言った。


「もちろんです!」


俺は即答した。


よし!


今度こそ!


俺のテンションが一気に上がる。


「では、治療室へ」


リールさんと一緒に治療室へ入る。


「服を脱いでください」


「分かりました」


リールさんが服を脱ぎ始める。


一枚。


また一枚。


「……!」


よし。


いいぞ。


そして最後の一枚。


リールさんは服を脱ぎ終えると――


クルッ。


俺に背を向けた。


「…………」


またかよ!


何でだよ!


俺は心の中で叫んだ。


……まあ、意識あるもんな。


仕方ない。


「では、治します」


傷を治し、二人には再び模擬戦をしてもらうことになった。


ブラッド団長とリールさんが向かい合う。


「始め!」


二人が同時に動いた。


今度は――


互角だった。


剣と剣がぶつかり合う。


一撃。


二撃。


三撃。


お互いが一歩も引かない。


「……」


俺は呆然と二人を見る。


さっきまでブラッド団長に何もできなかったリールさんが、今は互角に戦っている。


ロイド室長も目を輝かせている。


「凄い……!」


二人の動きは速い。


速すぎて、普通の騎士では追えない。


それでも二人は互いの動きを完全に捉えている。


やがて、二人が同時に距離を取った。


「……これほどとは」


ブラッド団長が呟く。


リールさんも驚いた顔をしている。


「私、こんなに動けたんですね……」


模擬戦を見ていた騎士たちが、ざわめき始めた。


「これならいけるんじゃないか?」


「ブラッド団長とリール副団長が、あれだけ強くなったんだ!」


「これなら魔獣が十倍でも戦える!」


騎士たちの間に、一気に活気が戻っていく。


「いけるぞ!」


「これなら勝てる!」


さっきまで張り詰めていた空気が、明らかに変わった。

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