↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
煩悩だらけの異世界転移 ~裸が見たいだけなのに聖人扱いされています~  作者: kammy


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/62

第四十二話 スカーレットの治癒魔法❤️

「こんなことなら、私が先に試せばよかった……」


 昼食中、スカーレットさんがぼそっと呟いた。


「何がですか?」


 俺が聞くと、スカーレットさんは箸を止めた。


「さっきの治癒魔法の実験です」


「ああ」


「ロイド室長、ずるいです」


「ずるい?」


「だって、最初に成功したのは室長じゃないですか」


 どうやら、さっきの実験がかなり悔しかったらしい。


 スカーレットさん、可愛いな。


 ……よし。


「スカーレットさん、このあと時間ありますか?」


「はい。時間はありますけど……」


「俺がナイフで腕に傷をつけるので、治してください」


「自分で傷をつけるんですか?」


「そうです」


「そう言えば、前にケンジさん――」


 ウィルチさんが口を挟んだ。


「あのとき、ブレンダに顎をかち割られてましたよね?」


「そうですね」


「痛くなかったんですか?」


「めちゃくちゃ痛かったですよ」


「……じゃあ、なんで平気なんですか?」


「治るんで」


「……」


 スカーレットさんが俺を見る。


 ウィルチさんも俺を見る。


「だから、大丈夫です」


「いやいやいや!」


 スカーレットさんが慌てて首を振った。


「自分で傷をつけるなんてダメですよ!」


「大丈夫です」


「……本当に?」


「はい」


「では、食事が終わったら研究室でやりましょう」


「はい!」


 スカーレットさんが頷いた。


 よし。


 午後の実験が楽しみだ。


     ◇


 研究室に戻ってきた。


「じゃあ、やりましょうか」


 俺はナイフを取り出した。


 そして、自分の腕に傷をつける。


「……っ!」


 めちゃくちゃ痛い。


 分かっていた。


 治ることも分かっている。


 それでも痛いものは痛い。


 俺は涙目になりながら、スカーレットさんを見る。


「……では、やってみましょう」


「だ、大丈夫ですか!?」


「大丈夫です……」


 俺は傷ついた腕を差し出した。


 スカーレットさんが恐る恐る手を伸ばす。


「では、お願いします」


「はい!」


 スカーレットさんが治癒魔法を試し始めた。


 しばらくしても、傷はほとんど変わらない。


「……治りません」


 スカーレットさんが困った顔をする。


 ロイド室長が俺の腕を見る。


「魔力の動きは感じます」


「そうですね」


 俺には全然分からない。


 でも、ここは研究者っぽく頷いておこう。


「ただ、傷にうまく作用していないようです」


「なるほど……」


 スカーレットさんが、俺の傷をじっと見る。


 しかし――。


「……やっぱり、治りません」


「では、傷に触れてみましょう」


 スカーレットさんが傷に触れる。


 しばらく治癒魔法を続ける。


 ……それでも、ほとんど変化はない。


「駄目ですね」


 ロイド室長が傷を確認する。


「先程は、身体全体を見ることでイメージできました」


「なるほど」


 俺にはよく分からないが、分かったふりをして頷いておく。


「では、他の部分も見てみましょう」


「他の部分?」


「ええ。傷のないところを確認してみましょう」


 なるほど。


 さっきの実験と同じだ。


「ケンジ君」


「はい」


「服を脱いで、横になってください」


「分かりました」


 俺は何も考えずに答えた。


 研究だからな。


 最初の兵士のときも、同じだった。


 俺は上半身の服を脱いだ。


「では、横になってください」


「はい」


 言われるまま、簡易ベッドに横になる。


 スカーレットさんが俺を見る。


 そして、傷のないところを確認するために近づいてくる。


 ……。


 ここで、ようやく俺は気づいた。


 あれ?


 俺、今、裸で横になってるよな?


 しかも――。


 スカーレットさんに触られる。


 ……。


 これは!!


 夜のお店の、あのシーンでは?!!


 いやいや。


 違う。


 これは治癒魔法の研究だ。


 ……ヤバス。


 これは予想以上にいい!!


 いや、待て。


 反応するな。


 ニヤけるな。


 ここで表情を変えたら、色々バレる。


 明鏡止水。


 明鏡止水。


 ……いまは、イロイロ耐えろ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。