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煩悩だらけの異世界転移 ~裸が見たいだけなのに聖人扱いされています~  作者: kammy


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第三十九話 第一師団

王宮に用意してもらった部屋に荷物を置き、俺は再び魔法研究室へ戻ってきた。


「お待たせしました」


「おお、戻ったか」


 ロイド室長の横には、見覚えのない女性が立っていた。


 ……かわいい。


 思わず目が止まる。


「紹介しよう。彼女はスカーレット。私の研究室の生徒だ」


「初めまして。スカーレットです」


「初めまして。ケンジです」


 スカーレットさんが丁寧に頭を下げる。


「それで、スカーレットさんがどうしたんですか?」


「今日、軍の訓練施設に行くと言ったら、私も一緒に行きたいと言ってな」


「ケンジさんの治癒魔法を、実際に見てみたいんです」


 スカーレットさんがそう言って笑った。


 もちろん俺に断る理由なんてない。


「もちろん、どうぞ」


「ありがとうございます!」


 笑顔もかわいい。


 よし。


 今日も楽しくなりそうだ。


 俺たちは四人で軍の訓練施設へ向かった。


 右を見るとウィルチさん。


 左を見るとスカーレットさん。


 ……両手に花。


 これが噂のハーレムというやつか!!


 俺は心の中で叫んだ。


 そんなことを考えているうちに、軍の訓練施設へ到着した。


「ロイド室長、お待ちしていました」


 俺たちを出迎えてくれたのは、一人の女性だった。


 凛とした雰囲気で、軍人らしい立ち姿。


「こちらは第一師団長のブラッドだ」


「初めまして。ケンジです。本日はよろしくお願いします」


「こちらこそ。今日は君の魔法を見せてもらうのを楽しみにしている」


「ありがとうございます」


 ……美人だ。


 いや、ちょっと待て。


 研究室にはウィルチさんがいて、スカーレットさんがいる。


 そして軍に来たら、第一師団長まで美人。


 この世界、美人率高くない?


「では、こちらへ」


 ブラッドさんに案内され、俺たちは訓練施設の一角にある小屋へ向かった。


「ここは休憩スペースとして使っています」


 小屋の中には、机と椅子が置かれていた。


「今日はここで訓練を見てもらいます。怪我人が出た場合は、すぐにこちらへ呼ぶよう伝えてあります」


「わかりました」


 ブラッドさんは俺たちに説明すると、訓練場へ戻っていった。


 俺たちは小屋から訓練の様子を見る。


 しばらくすると、訓練場のほうから兵士が一人走ってきた。


「治療をお願いします!」


「はい」


 運ばれてきた兵士を見る。


 怪我をしているのは男性だった。


「……」


 ちょっとだけ期待していた。


 まあ、そうだよね。


 俺のテンションが少し下がる。


「では、始めます」


 兵士の怪我を確認する。


 二の腕から肘にかけての擦り傷。


 それほど深い傷ではない。


 正直、俺なら念じれば治せる。


 ……まあ、いつも通りやればいいんだけどな。


 今日は、ロイド室長たちに俺の治癒魔法を見てもらうために来た。


 ウィルチさんが説明していたように、まずは患者の身体を見る。


「では、上半身を脱いでもらえますか?」


「はい」


 兵士が上着を脱ぐ。


 俺は傷の状態を確認する。


 そして、傷の周辺に手を添えた。


 見る。


 触る。


 これが、俺の治療方法だ。


 実際には、そこまで細かく考えているわけじゃない。


 ただ、こうして実際の身体を見て、触れておけば、治癒魔法を使うときにイメージしやすい。


「では、治します」


 俺は傷に意識を集中させる。


 念じる。


 すると、傷はみるみるうちに消えていった。


 いつも通りだ。


 俺としては、それだけのことだった。


 ……と思ったのだが。


 ふと顔を上げる。


 ロイド室長も、ウィルチさんも、スカーレットさんも、そしてブラッドさんも。


 みんな、驚愕の表情でこちらを見ている。


「……」


 ん?


 何か、やってしまったか?

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