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ブルーエンペラー ―魔力なしの剣士と無双の青―  作者: カントウしょうゆ
第一章 欠落した心臓

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欠落した心臓 エピローグ

 リアの居た部屋の外へ出れば、オゼロが腕を組み、壁に寄りかかっていた。

 薄っすらと笑みを浮かべるオゼロ。デトは無視して去ろうとする。


「やはりリアさんはシフルだったのですね」


 背を向けるデトにオゼロが声をかけた。

 デトは足を止めた。首だけを動かし、オゼロを見た。


「冒険者ギルドの指導員を圧倒し、僕ですら突破できない認識阻害魔法を潜り抜け、その上、吸血鬼化した元Aランク冒険者を追い詰めた。只者ではないと思っていました」


「よく喋る奴だな」


 デトの呆れた声に懲りずにオゼロは喋り続けた。だが、その声は軽いものではなかった。


「……とある文献にはこう載っています。シフルとは魔力というノイズが排除され、人間本来の力を最高に高めた存在……言わば」



 〝神の傑作〟



 デトの顔は一切揺らがなかった。

 オゼロは真っ直ぐデトの目を見ていた。まるで品定めしているかのように。


「……ここの衛兵は随分と博識だな。その文献とやらはどこに置いてあるんだか」


「おや、気になりますか?」


 オゼロの声色は揶揄からかっているかのようだった。


「いいや。生憎あいにく、古臭い昔話には興味はない」


 デトはそう言ってオゼロから視線を外し、歩いて行った。

 閑散とした廊下に足音が響く。


 去り行くデトの背を見つめながらオゼロは小さくつぶやいた。


「昔話とは、言ってないはずですがね……」


 ***


 第一章 欠落した心臓 完


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