第三十話 巨大獣ボルゴガ 火山の爆発を食い止めろ 7
「あたみあたみあたみあたみあたみー! あたみにいきたいのだー!!」
あーあ、完全にアクラデスが駄々っ子になっている。
あんなテレビ見せなきゃよかったかな……。
だが、昆虫型スパイドローンで調べた結果、あの三島防衛長官を更迭するかどうかの防衛軍と国連関係者による話し合いが熱海のホテルで行われるという話だ。
それまでに時間が無いのでとりあえず熱海に行くことにするか。
だが、機動要塞ドグローンの巨体は流石にそのまま置いておくわけにもいかないので、仕方ないから館山のブレイン軍団海底基地の跡地にでも置いておくか。
本当なら相模湾に置いておけば熱海は目と鼻の先なのだが、このワガママ少女と化したアクラデスがどうしても新幹線に乗りたいと言って話を聞いてくれない。
今どうにかミザーリンが青木として、俺は君田として、バルガル将軍は春狩として偽名でガッダインチーム達の泊まるホテルに宿をとる事になった。
マーヤちゃんも今回は俺の妹として地球人達の居る場所に行くので、フロートパーツと入れ替えた足パーツを繋ぎ直し、前回の反省を生かし、バランス調整も完璧だ。
ダンダル軍務卿もついて来ると言っていたが、アクラデスが怖がって泣きだすので結局今回はドグローンで留守番をしてもらう事にした。
万が一何かがあった場合にはそのまま動いてもらう為でもある。
その代わり、カラオケセットをドグローンに設置しておいたので好きに歌っていいと伝えておいたら渋々ながらも話を了承した。
――というかもう時間が無い!
俺達はさっさと旅行準備をして機動要塞ドグローンで館山に向かった。
あ、ミザーリンの普段使っている青肌をカモフラージュするクリームを忘れた!!
あーあ、まあ長袖にグラサンとマスクと帽子でどうにか誤魔化そう。
しかし、大人四人ならまだしも幼い少女にまで長袖、帽子、グラサンにマスクって、どう見ても怪しい集団だよな……。
まあ俺は大人でも子供みたいな身長なんだがな。
まあ時間が無いから仕方ないか。
俺達はどうにか館山に到着し、ダンダルに留守番を任せてそのまま内房線に乗り換え、東京駅を目指した。
そういえば俺って転生後初めての日本旅行じゃないのか?
電車がまだJR鉄道では無く日本国営鉄道だ……。
この時代、まだ京葉線が存在しないので東京駅に出るには千葉駅経由の中央・総武緩行線から東京駅に向かう国鉄で新幹線に乗り換えだった。
とにかく東京駅まで着けば熱海行きの新幹線に乗れる。
俺達は駅弁やお菓子や漫画を買ったりしてどうにか新幹線に乗る事に成功した。
――だが、これが地獄行き列車だとは誰もその時……気が付いていなかった。
俺は忘れていた、新幹線のロボット……それは正義のロボットに変形する奴だけでは無かったのだ。
――王者特急ダイヤグラン――、――新幹戦士トレインカイザー、チェンジフォーマー・超進トランスフォースの電車合体ロボ、ゴウダイデン。
これらは全て正義の新幹線が合体するロボットだったが、元祖とも言えるのは……鉄巨人イチナナに出てきた破壊ロボット、新幹線マシーンだ!
運の悪い事に、俺達の乗った熱海行き新幹線はこの新幹線マシーンだったのだ
アクラデスは外を見てキャッキャはしゃいでいる。
バルガル将軍は大量に買い集めた駅弁を片っ端から食べている。
ミザーリンは疲れがたまっていたのかうつらうつらと居眠りしている。
マーヤちゃんは何か買って来た漫画を読んで笑っている。
そして俺はこの恐るべき事実を思い出してしまった事でこの新幹線に乗ってしまったのを後悔している。
「ご主人様―、どうかしましたか? 顔色が悪いですが」
だからマーヤちゃん、どうやってこの青肌で顔色の悪さが分かるの?
――だが今はそんなツッコミを入れている場合では無い……。
どうにかしてこの新幹線マシーンから脱出しないと、俺達の命が危ない!




