第三十話 巨大獣ボルゴガ 火山の爆発を食い止めろ 6
「あらあら、可愛いお嬢ちゃんね。まるで千草の小さい頃そっくりだわ」
「おばちゃん、だれなのだ? われ、あくらですなのだ」
「私はみどり。みどりママって呼んでも良いのよ、アクラデスちゃん」
この珍騒動に困ったバルガル将軍は北原千草の母親、みどりさんを呼んできた。
みどりさんの言っている事、実はこれ後半でかなり重要な話のキーワードになる。
何故なら、アクラデスは作られた天才、――クローンデザイナーズベビー――なのだ!
千草はデスカンダル皇帝の兄であるハリール王子の娘、だからアクラデスに似ているのもキャラデザの手抜きではないのだ。
つまり、アクラデスはデスカンダル皇帝のDNAに天才遺伝子を組み込んで作られた子供、デスカンダル皇帝のクローンという事になる。
なお、デスカンダル皇帝の戦闘能力特化のDNAを仕込んで作られたクローンデザイナーズベビーがダンダル軍務卿という事になる。
つまり、アクラデスもダンダルも、デスカンダルのクローンに遺伝子改造されて作られた人造人間とも言える存在なのだ。
この事実が分かる話が四十話になる。
そして衝撃の事実を知らされたアクラデスは、何故自身が女性の姿なのかもデスカンダル皇帝に教えられる。
それは、――アクラデスがデスカンダルの子供を作る為の母体にされる為――だったのだ!
アクラデスを母体にした子供に自身の脳を移植する事でデスカンダル皇帝は永遠に生きる実験を思索しようとしていた。
だがその事実を知ったアクラデスは皇帝に身体を自由にされる事を拒否し、巨大獣と一体化して自身の存在の証明の為にガッダイン5と戦うのだ。
何というか、哀れというか可哀そうというか……、だから彼女は自然の生き物である動物に魅力を感じたのかもしれない。
自身が自然に生まれた存在ではなく、また、親も知らずに作られた者だったからか。
「みどり……まま。ままってなに?」
「ママってのは、お母さんの事よ。アクラデスちゃん、お母さんいないの?」
「わからない。われ、うまれたときからおとうととふたりだった」
そうなんだよな、アクラデスに母親がいるわけが無い。
乳母のような存在もロボットに任せていたので彼女が人の温もりを知らなかったのが原作の世界なのだろう。
「弟ッ? 兄者……でいいんだよな、小生の事覚えているのかッ?」
「こわいかおのおじちゃん、だれなのだ?」
あーあ、アクラデスは完全に幼児退行していてダンダルの事も覚えていないようだ。
「われ、おとうとがいたはず。おとうとはどこなのだ? ひとりはいやなのだー……」
そう言って少女の姿のアクラデスが泣き出してしまった。
この見た目、アチャコと同じくらいの六歳か七歳ってとこだろう。
多分頭脳もそれくらいまで退行してしまっているようだ。
ダンダルはアクラデスが怖がるからと部屋を出させられた。
だがどうやらアクラデスはバルガル将軍には懐いているようだ。
「おおきいおじちゃん、たかいたかいしてー」
「お、おう。わかった、高い高いー」
何だか滑稽な光景だが、今はこれでどうにかなりそうだ。
こんな少女ならテレビを見させておいた方がまだ大人しくしてそうだな。
俺はミザーリンにアクラデスと一緒にテレビを見させて面倒を見てもらう事にした。
マーヤちゃんも一緒にテレビを見ている。
「熱海に行くなら新幹線、新幹線でホテルニューリゾート宿泊券割引になります」
当時のテレビコマーシャルか。
「しんかんせん、われ、あのしんかんせんにのりたいのだ!」
「え?? 新幹線??」
嫌な予感がする……。
まさか、原作の強制力がこんな形で襲ってくるとは……。
「あたみいきたいー! われ、あたみにいきたいのだー!」
あーあ、お子様になってしまったアクラデスがよりによって熱海旅行をしたいと言い出しちゃったよ……。
一体どうなるのよ、この後。




