98 迷いの泉のほとりのダンジョン3
私達は順調にイベントモンスターを倒しながら、攻略を進めた。牛鬼という中ボスも無事に倒すことができ、残り半分となった。
「それにしても牛鬼はめんどくさかったね。」
にゅいが思い出したかのように呟く。強さ自体は今までの中ボスと同じくらいなのだけど、問題はフィールドだ。今まではしっかりとした地面や草原、荒地などありきたりといったらあれだけど、今までのダンジョンらしいフィールドだったのに対して、牛鬼はほとり。しかも足場が泥濘んでいて動きづらかった。
ゲームなのでコケても汚れはしないけど、私みたいな固定砲台になれるイチハや支援だけに集中しても問題ないシロンはともかく、スピード型のにゅいと敵の前面を受け持つサマーはかなりの動きが阻害されていた。にゅいもサマーもこのダンジョン入って始めてダメージを受けていた。
「これからはこういうフィールドも出ることを考えると装備だったり、対策練るなどしたほうがいいですね。」
と、シロンも戦いを思い出しながら呟いた。実際一番忙しかったのはシロンだ。2人の回復と攻撃遮断など。私たちのギルドは支援系もシロンしかいないため、こういう状況に陥るとシロンも大変になる。
「今回は自分らの準備不足っすね。確か2ndエリアの店にぬかるみでも普通に動けるみたいな説明が書かれたアイテムもあったっす。今日、攻略終わったらいろいろアイテムを買って想定外の対策もしたほうがいいっすね。」
と、サマーが有益な情報を教えてくれた。
「つまりショッピングだね!私も2ndエリア見て回ってないから楽しみ〜」
と、イチハが一番反応した。それもそうか。昨日は周回の後ギルドハウスにいたし、今日はダンジョンの攻略。街を見て回る時間など無いに等しい。
「攻略終わったら案内する。私も全部は知らないけど。」
私はイチハにそう答える。羊のクエストやスキル交換の書でスキル取得のために歩いた場所くらいしか私も知らないけど、それでもいくつかお店を知っている。
「ほんとに?わーい楽しみ〜。」
と、イチハがすごく喜んだ。それを見てにゅいも笑って、
「じゃーなおさら攻略集中しなきゃだね。残り半分頑張るぞー。」
と、にゅいが掛け声をかけて、私達はおーと反応する。
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その後、しばらく普通のモンスタートラップに嵌って、安全に稼いだ後、見え見えのトラップを見つけた。
「今回は落とし穴か〜。いきなり落ちるのは心臓に悪いし嫌だけど、だからって自ら飛び込むのも違うよね。」
にゅいが少し嫌そうにそういった。私達の目の前に有るのは人が余裕で入る落とし穴ががあり、その穴の中を指す矢印があった。
「ゲーム上安全とは思うっすけど、入っても多少のダメージ程度くらいっすよね。勇気いるっすけど。」
サマーも少し離れた位置から見てる。現在地周辺の敵は片付けているため、すぐ襲われることはないけどだからといって全く警戒しないのも違うため、サマーは周りを警戒しながらそういった。
「じゃー私から降りる。」
落とし穴の前でうだうだしても仕方ないため、私は覚悟を決めて降りることにした。私が近遠両方対応できるので一緒にテレポートとかでない場合、私が一番安全策を取りやすい。
「お姉ちゃん。気をつけてね。」
と、イチハの心配を聞きながら、私は飛び込んだ。その後ろから、
「じゃー次僕。その後はーちゃん、シロちゃん、殿サマちゃんね。」
と、にゅいがそういっているのがきこえた。落とし穴の中はすべり台になっていてすべりながらかなりの場所を降りた。そして降りた先には、大きい蛇がいた。そして、まだにゅい達は降りてけてないけど、私が降りた時点で戦闘開始らしくその大きい蛇が眷属を呼び始める。
「戦闘体勢。」
私は恐らく降りてきてるであろうにゅいに向かって、そう叫んで、すぐさま眷属4匹を撃ち抜く。
「援護するね。」
次に、にゅいが到着と同時に私の声が聞こえていたため残り2匹の眷属を撃ち抜く。その際大きい蛇は私に近付いてきていた。私はその蛇の速さに距離を取るのを諦め、何が来てもいいように備える。近付いてきた蛇は大きく息を吸い込む仕草を見せたため、私は蛇の頭部分を蹴る。蛇の顔は私からズレた方に向き、そして息を吸い込んだ蛇は誰もいない位置に毒霧を吐いた。
「バジリスクですね。蛇の前方だと毒霧食らう可能性あります。」
私がちょうど攻撃して回避したくらいにシロンも降りてきていて、私のかわりに全員にそう伝えた。そして私がちょっと蛇から距離を取った瞬間に蛇に矢が刺さる。イチハが狙っていたのが見えたため私が射線をあけたのだ。
「了解っす。とりあえず発勁。」
最後に降りてきた、サマーが返事をしながら降りてきたそのままの勢いで発勁を放った。蛇の体力は3割減っている。やっぱり中ボスは中ボスらしく、そこまで防御は高くない。
それにしても今回はなんとかなったけど、今回のように全員一緒に中ボスのボス部屋に突入できない場合もあるんだ。これも全員一度対策をを考えたほうがいいかもね。と、心のなかで考えながら弓を引く。
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酒を飲みながら観察している一匹は猪突猛進を大盾で完全に受け止めてその隙に大剣や、双剣などで攻撃をして勝利しているパーティを見る。そして、笑う。
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「リーダーそろそろ、桜のボスが動きそうです。」
運営の一人がそうつぶやいた。
「何?ちょっと待って。早すぎないか。あいつは同じエリアにいる2グループ以上が一定数の桜モンスターと中ボスを合計で13匹以上倒さなきゃでないのに。まだ16番の桜の中ボスも出てないぞ。」
と、全員が先程呟いた人のところに向かう。
「迷いの泉のほとりかー。確かにそこなら条件クリアしそうだ。で、挑戦してるのは......は?」
その画面を見て全員の時がとまる。
「Nebulaeと龍騎ですね。龍騎は全員ではないですが、Nebulaeは昨日ギルドに入った新人も含めて全員の参加です。」
と、運営の一人が答えた。
「おいおい。前回の優勝2つのメンバー8人は全員揃ってるな。もうこれはあいつが動くの確定だな。予定よりかなり速いが、レイドボスの動きにバグがないか確認しよう。2グループしかいないが、簡単に崩壊するってことはないだろう。」
と、リーダーの指示で運営は忙しくなるのだ。




