96 迷いの泉のほとりのダンジョン1
ダンジョン内に入ると早速桃色のスライムが5匹と通常のモンスターであるコボルトが2匹襲ってくる。私達がなんなく倒すと、
「あっシロン落ちました。」
「私も落ちたよ〜」
と、シロンとイチハが声を上げた。2人とも桃色の鈴を手にしていて、ギルドカウントが桜3海2となっている。
「道中一個も落ちなかったし、レアアイテムだったらどうしようと思ったけど、やっぱりダンジョンなら効率いいみたいだね。」
それを見てにゅいがそうつぶやいた。それぞれのプレイヤーの運にも左右されるけど、よほどがない限りそこまで酷くドロ率が変わることはないと思う。
「それじゃどんどん集めるっすよ。特にこのダンジョンだと効率いいっすからね。」
にゅいが言っていたのだけど、このダンジョンいろんな所にテレポートの罠があり、自分がいまどこにいるか分からなくなるダンジョンらしい。しかも他のダンジョンよりもモンスターが復活しやすく、ダンジョン攻略目指すなら最悪のダンジョン。だけど、今回の様なイベントならうってつけだ。敵に負けさえしない限り一回の攻略でかなり稼げると思う。
私は落ちてないとわかっていながらバックを開く。やっぱり落ちてないかと思っていたら、そこには見覚えの無い紙が入っていた。その紙を取り出してみる。
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桜色の椅子の設計図
必要素材 桜スライムの核×4
桜トレントの木材×4
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なるほど。これが今回のイベントの目玉のもう一つなんだね。自分らだけのギルドハウスづくり、というのがよくわかった。
「うん?お姉ちゃん何見てるの?」
私が見ていたのに気づいたイチハが近付いてくる。私はそれをイチハはもちろん皆が見えるように出した。
「椅子の設計図。なるほど、これがもう一つの目玉のものなんですね。ギルドの内容的に他にも設計図落ちそうですね。」
シロンの言葉に私は頷き、一旦、ペンギンバックに片付けて、
「これと素材。後で倉庫に入れておく。」
と、伝えた。このアイテムも譲渡可能なので、欲しい人が自由に作るのがいいと思う。
「やったー。後でアイテム揃ったら作ってみる〜。」
と、イチハが喜んで私に返した。
「確かに固有アイテムとかではないし、僕もゲットしたら倉庫に入れておくね。共有スペースはともかく、各々の部屋の改造はそれぞれしたほうが楽しいよね。」
と、にゅいが話して
「そうっすね。まぁとにかく今はどんどん敵を倒して、アイテムや設計図集めたほうがいいっすね。」
と、サマーもそう返して私達も頷きダンジョンを進むことにした。その後、適当に道を選んで進んでいると、私達はテレポートの罠に全員はまり飛ばされた。
飛ばされた先はモンスタートラップらしく早速囲まれている。中ボス扱いでは無いらしく7割近くが桜や海のモンスターだ。
「早速っすか。ちょうどいいっすね。鈴やアイテム大量に集めるっすよ。」
サマーがモンスターの一角に早速突撃して、その言葉と同時ににゅいが逆側に攻撃を仕掛ける。
「イチハとシロンはサマーの援護。私はにゅいの方を援護する。」
私が残っている2人にそう指示を出した。
「うん。」
「了解です。」
2人ともすぐ返事をして動き始める。私はにゅいの援護とはいったけど、正直にゅいが負けると思わないため、にゅいの攻撃があたらなそうな敵から片付けていく。コボルトやスライム、恐らくトレントだと思う木の魔物やゲル状の何かなど、敵は雑魚モンスターばかりでそこまでは苦労しない。まぁ敵のレベルもそこそこ高いため一撃で倒せないこともあるけど、それでも計算内の強さだ。
50匹近くいた敵も10分とちょっとくらいで倒し終わる。
「早速飛ばされましたが、全員一緒だと制圧は楽ですね。」
シロンが一息ついてそう言う。
「あっお姉ちゃん達。私も設計図おちたよ。普通の椅子の設計図とギルドの桜、模様替えの設計図というもの。」
と、イチハが嬉しそうに教えてくれた。現在イチハはダメージを少し受けていてシロンが回復している。
「模様替えとかも落ちるんだね。それに普通のやつとかこれは収集欲、湧いてくるね。あっ僕は、青色の椅子と魚の机、そして、海模様の外壁塗装だった。海系の設計図ばっかり。」
と、にゅいが返した。
「シロンは逆に、桜ばかりでした。桜模様のカーペットと桜の机です。」
「自分はむしろ普通のものばっかりっす。普通の椅子の設計図、普通の時計の設計図っす。」
と、シロンとサマーもそれぞれ伝えた。それを聞いて私も確認する。
「桃色のソファと青色のドア塗装。」
と、私は答えた。全員で普通の椅子はイチハとサマーが被ったけど、全体的にに見るとかなり被りは少ない方じゃないかな?それに、ギルドでの所持数も桜17海13と、かなりいいペースで集まっている。ちなみに私自身増えたのは桜3海1だった。
「わーいっぱい設計図落ちたね。これは何作るか迷っちゃう。」
イチハが考える仕草をしながらそう話した。
「確かにそれはそう。僕もいろいろ作って模様替えしたいな。それにしてもモンスタートラップかなりおいしいね。ここはこういった場所多いしほんとにいい穴場かも。」
と、にゅいが話した。実際それはそう。ダメージを負ったイチハも攻撃が少し掠った程度。そこまで大ダメージではない。つまり今の私たちにはかなり効率のいい場所となる。
「それじゃー行くっすよ。全方向行けるっすけどどこにいくっすか?」
と、サマーが聞いてきたので私は斜め右方向を指差して、
「この方角以外。」
と、私はいった。
それにイチハが首をかしげて、
「どうしてその方角だけ違うの?」
と、聞いてきたため私はニット帽を差しながら
「帰省本能が反応しているから。あっちは入口に戻るはず。」
私がそういうと、イチハは、
「へーそうなんだ~」
と、納得し、にゅいがなるほどと手を打ち
「便利だね〜それ。確かに入口戻っても意味ないし別の場所行こうか。」
「それならそのセミスミが差したほうの逆などどうでしょうか?単純ですが、入口より遠くなりそうです。」
と、にゅいと私やイチハの会話を聞いていたシロンがそう返した。
「いいっすね。じゃー進むっす。」
と、サマーが座っていた場所から立ち上がり、私たちも進む準備を始めた。




