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聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第五章 隣国編

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国王様の心労

 ああああああ。大変だ、大変だ。

 ヨルスアージュは何て事をしてくれたのだ。


 我が国始まって以来の一大事じゃないか。


 教会から通達された書状には、昼間ブリッドから聞いた内容と同じ事が書かれていた。

 何度見ても夢じゃない。現実だ。


「国王様。城壁が聖騎士に完全に包囲されてます。突入されたら数分で城は落ちます」

「わ、分かっている。もう、私が何をしたって言うのだ。それで、ヨルスアージュはどうした?」


「側近のラーセンと共に拘束し、ダジールのいる地下牢へ入れました」


「よくやった」


 ブリッドのおかげでなんとか首の皮一枚つながったな。

 メイルスは本当に周りの者に恵まれている。


「そうだ。城の外に聖女を連れ出すメイルスを陰で支えて成功させよ」

「かしこまりました」


 側近が下がるとすぐに城内に火が灯り、窓の外が明るくなった。


 そんなに露骨な支援しろとは言ってないのに。

 まぁいいか、どうせあいつは気付かないし。


 まさかあいつにこの国の命運を任せる日が来るとは……。

 ああああ、不安すぎる。


「ああ、そうだ。ヨルスアージュ派の貴族はどうしている?」

「はい。神の託宣が発行されたと聞き驚いてました。誰もご存じなかったようです」


 そうだよな。私の密偵すら気づく前だったのだ。

 貴族が巻き込まれずに済んで助かった。


「それを聞いて安心した。だが念の為、第一王子派は要職から外さないとな」

「そうですね。教会に潔白を証明する事にもなりますし」


 先程から入れ替わり立ち代わり側近の出入りが激しくなっている。

 私は焦燥感に苛まれ、落ち着くためにソファに座った。


「本当に大丈夫かな?」

「国王様。第二王子は我々が監視しております。ご安心を」


 彼は私を見て力強く頷く。


 それでもちっとも落ち着かない。

 じっと座っていられずに立ち上がり、窓の外を見たり部屋の中をうろうろ歩いて回る。



 まだ報告が来ないのか……。



「国王様。第二王子が無事に聖女と城の外に出たと報告が」

「やっとか! ただ歩くだけなのに何故そんなに時間がかかるのだ」


 使用人の格好をしたままの側近たちが続々と部屋の中に入ってきた。

 変装して監視していたのか……。苦労かけたな。


「メイルスが戻ったらここに呼んでくれ」

「かしこまりました」


 メイルスには今後、王位継承の自覚を持って行動してもらうよう言わなくては。




「国王様。メイルスデビアス第二王子がいらっしゃいました」


 メイルスがブリッドとメイドを連れて(あわ)ただしい執務室に入ると、三人は私の前で膝を突いた。


 なんでメイドも?


「う、うむ。この度はご苦労だった。まあ、そこに座れ」

「はい」


 みんなでソファーに移動し、正面に三人が座るとなんだか気まずい。

 私はとりあえずにっこり笑って、どう切り出そうか思案した。


 嫌がるだろうなぁ。


「ヨルスアージュが拘束されたのは知っているな」

「はい」


「後処理は、メイルスが王位継承者として対応してくれ」

「困ります。父上」


 やっぱり。

 メイルスが立ち上がろうとしてメイドとブリッドに押さえられる。


 なんでメイドも?


「なんだ?」

「私に国政が出来ない事は周知の事実。今回の引き金だって私が引いた訳ですし……」


 メイルスの声がどんどん小さくなっていく。


 ん? 引き金?


「なんだその話は。聞いていないぞ」


 ブリッドが『しまった』という顔をしている。


 おい。


「実は……」


 暗殺未遂に蛇の毒? 聖女の妹? 私は話を聞きながら頭を抱えた。

 もう、変態がどうだとかはどうでもいい。


 だめだ。

 こいつは私の息の根を止める気だ。


「国王様。私は聖女様から第二王子の監視役を仰せつかりました。なのでご安心を」


 メイドがニッコリと微笑んだ。

 よく分からんが、しっかりした娘のようだ。


「ここは第三王子に王位を継承させる為に帝王教育を……」

「そうですよ。父上。ブリッドの言うとおりです」


 二人揃ってニッコリ笑う。


「でも、この間の洪水の時も、お前が食料の確保を……」


「何を言っているのですか。それは女性達と雑談している時に、な?」

「そうですよ。偶然だったのですよ。豊作の時に多く買い取れば農家も助かるだろうって」


 二人で顔を見合わせて頷きあっていた。


「王子が『なんか雨少ないよね、来年は洪水とか起きちゃったりして』『洪水起きたら作物全滅じゃない?』とか、適当なことを言って女性の前でカッコつけて備蓄を増やしただけなのに」


「それは言うなよー」


 メイルスがブリッドの肩を笑いながら叩いている。

 仲が良くて結構だけど。


「王子。ブリッド様。国王様の前ですよ」


 メイドが一番しっかりしているな。


「そこで、弟の教育を私が担当します」

「へ?」


「ですから、第三王子を立派な国王として育てて見せるって事ですよ。私はその補佐として」

「補佐って、あの子はまだ5歳だぞ?」


「ははは。父上はまだお若い。あと20年は働けますよ」

「はぁー。もうその話は後にする。お前達、これから地下牢に行くぞ」


「「「はい!」」」


読んでいただきありがとうございました。

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誤字報告、本当に本当にありがとうございます!!


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― 新着の感想 ―
小さいのは分かってたけど5歳かい! 聖女様公認、王子の左腕、メイドの……昇格して右腕でいいですか?右腕が不安すぎる……
第二王子が不思議と大好きです。思わず笑ってしまう。
[一言] 第二王子優秀過ぎる!?
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