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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
ラストウオー
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12-05 同盟軍参戦

「えええ――――っ?ドワーフ軍が参戦?!」


レオが突然叫び声をあげたので、連絡指令室にいた連中は思わず手をとめてレオを見た。

隣の作戦指令室からは、ハイバデイッカ、ボウデイッカ、ローズルたちが何事?と言う顔で走って来た。


うちの連中(ドワーフの兵士たち)は、血の気が多いんだよ!

『槌』のデロリアがどこから聞きつけて来たのか知らんが、“2、3日の作戦なら、魔大陸侵攻作戦にも支障がないはず。是非、アタシの部隊をテラでの戦いに参入できるようにレオ殿に伝えてくれっ!”とうるさく言って来たと思ったら、ほかの緊急展開部隊の部隊長たちも同じことを言って来たんだよ...」


 『槌』とは、獣人族国の首都ゾオル攻防戦でドワーフ軍がはじめて投入した緊急展開部隊『雷槌』部隊のことで、デロリアとはその部隊長ドワ・デロリア・アンベルピーネ少将のことだ。

緊急展開部隊は、『雷槌』のほかに『雷斧』『雷剣』『雷槍』『雷盾』の5部隊があり、ゾオル戦では『雷斧』部隊、『雷槌』部隊、それに『雷剣』部隊が投入され、目覚ましい戦果をあげている。


 ドワーフ軍はラナ司令官の発案で、緊急時に投入できる精鋭部隊を創設していた。

これにはイーストランジア戦役などで十分実践の経験のある将兵の中からさらに優れた者を選び、猛訓練を重ねて来た部隊で、全部隊が機甲部隊であり、その主力は新型のDY-5号戦車100台、DY-3号戦車300台、それに1DY-3 H20型自走飛翔弾発射車150台という強力な部隊だ。

 短期決戦部隊なので補給部隊はもってないが、戦いが長引けば後方部隊が補給を担うことになる。いわばミィテラ最強の戦闘部隊と言えよう。



   DF-5V号戦車

挿絵(By みてみん)



「それでな、ゾオルの戦いに参加できなかった『雷槍』と『雷盾』の部隊長がやかましくてな... 閉口しているんだよ。そいつらがテラでの戦いの事を聞きつけおってから、“テラに行かせてくれないのなら辞職します!”とあたしに脅しをかけよってな...」


レオはラナ将軍の話を聞きながら考えていた。

“たしかに、テラとミィテラの世界の時間の流れを再調整すれば、時間差は90倍になるとシーノは言っていた。ということは、こちらで3ヵ月かかっても、ミィテラではわずかの一日じゃないか?”


「いいでしょう、ただしドワーフ軍の戦費は...」

「GATO側持ちということでいいぞ!?」

「...... (まったく頭のよく回るラナさんだ...)...」

「ドワーフ軍は鬼人族国と魔大陸で大作戦を実施するから、金はいくらあっても足らんのだよ」

「じゃあ、せめてこちらでの需要に間に合うように弾薬を生産してください」

「おう、金さえ払ってくれるのなら、24時間ぶっ続けでも生産させるぞ?ガ―――ッハッハッハ!」


豪快に笑うラナ将軍だった。



 そして、ラナ将軍としめし合わせたかのように、ヤマト国軍のノブノブ将軍、人族連合国軍のノブハシ総司令官、鬼人族国のシュテン大王、獣人族国のゼリアンスロゥプ大王たちから、“援軍”の、はんば強制的な?申し出があった。


 ノブノブ将軍やノブハシ総司令官は、たぶんキミコ女王ルートやランのルートで聞いたのだろうが、ゼリアンスロゥプ大王の場合は、完全に獣人国軍の司令部の頭を飛び越しての提案だろう。

こちらは、たぶん獣人族国のジャバリュー参謀長の娘であるミユ‐レオの奥さんの一人‐やゼリアンスロゥプ大王のお気に入りであるランのルートなどから情報が伝わったのだろう。


 結局、ドワーフ軍からは『雷槌』『雷斧』『雷剣』『雷槍』『雷盾』の5部隊を主力とする6万の兵力が参加することになった。

 そしてヤマト軍からは、サナダ・ユキムシとモウリ・カチナガの2師団4万の兵、人族連合軍からは、四太郎=オダ・コウタロー、オダ・ジロー、タケダ・カツタロー、ウエスギ・ケンタローたちに率いられた10万の兵、もちろん、目付け役のタケダ・ヨンシン将軍の参謀長クロダ・カンピョウがついてくる。

 鬼人族からは、ベンケイの兄妹であるオルト・シュテン率いる突撃隊が600名― 突撃隊は数が少ないが勇猛さでは誰にも負けない鬼人族の最強部隊だ― が参加することになり、獣人族国からは、 人虎将軍ガドゥンガンの虎部隊の精鋭2千名と豹族将軍ネオフェリス率いる精鋭2千名が参加することになった。



「やれやれ... 魔大陸侵攻作戦をやりながら、テラでの戦いにも参戦するなんて... まったく血の気の多い連中だな...」


 ボヤきながらもレオはうれしかった。

それだけ、同盟国の友人たちが、レオたちの故郷のことを心配してくれているということを知って。



 


「ND-T3戦闘機に風を受けて駆動させるサイレンをとりつけさせてくれ」

「えっ、サイレン? 救急車でもないのにですか、レオさん?」

ナンバラボの天才少年トム‐もう立派な若者で結婚もしているのだが‐ は怪訝な顔をしてマソキに映るレオに聞いた。

「うん。“恐怖のND-T3戦闘機が来たぞ”って知らせるサイレンなんだよ!」

「なーるほど... 敵に恐怖を植え付けるためなんですね? いいですよ、すぐに作って付けさせましょう!」


レオが考えたのは、前世で20世紀に起こった大戦争で、ヨーロッパのある国が急降下爆撃機に付けさせたサイレンだった。逆ガル翼が特徴のガッシリとした武骨なフォルムをもつ爆撃機は、急降下時にサイレンのような音を立てることから敵国側からは「悪魔のサイレン」の異名で恐れられたのだ。


   Junkers Ju 87 Stuka

挿絵(By みてみん)





 テラ時間3月20日午前6時。


 義勇軍およびミィテラ同盟諸国軍によるワシャワシャ条約軍への攻撃がはじまった。

ウインチョスター・アームズ連合軍は、中世の騎士のような重い真鍮製や鉄製の兜に胴体を包む胸当てと背当ての組み合わせの胴鎧を着けるという重装備の胸甲騎兵を主戦力としていた。


 胸甲騎兵の重装備は、威力が弱く命中率も悪いカービン銃などの銃弾による攻撃や敵騎兵からのサーベルや槍による攻撃に対して、圧倒的に有効だった。

そして胸甲騎兵は、長くて重い直刀型サーベルをもって突撃し、アルマライト王国の軽装竜騎兵部隊を次々に破って進撃して来たのだ。


 当初は押される一方で、首都近くにまで胸甲騎兵部隊が迫ったときに、「こうなったら、恥も外聞もない!」とアキレウス国王が一大決心をし、首都周囲に防御のための塹壕を掘りめぐらせて、その外側に鉄条網や鋭い切っ先の柵を張りめぐらせたのだ。

 この対策により、ウインチョスター・アームズ連合軍の進撃は一時的に食い止めることができたが、それもワシャワシャ条約軍の第二次遠征軍の40万が到着するまでのつかの間の対策だということは誰もがわかっていた。




 アームズ国の胸甲騎兵が野営テントからあくびをしながら出て来た。

野営地のはずれにある藪に行き、やおらズボンの前ボタンをはずして雑木の根元に放尿しはじめた。


 ジョゴジョゴ…


3月の朝は結構冷える。

地面に落ちて湯気を上げる。


「うっ、やはりみんなここでショウベンをするんだな。うっ、クセえ...」


ブルブルっと身震いしながらイチモツをしまおうとしたとき、


ゴゴゴゴゴ...…


腹の底に響くような音が東の空から聞こえて来た。

寝ぼけ眼をこらして良く見ると、鳥のような銀色に輝くモノが数十こちらに迫っている。

それら黒いモノは急速に近づく。


「な、なんだ、あれは鳥じゃないぞ?」


ゴォゴォゴォゴォゴォ...…


音はもうすごく大きくなっている。

あちこちのテントから、枕を抱えたり、毛布を持ったりした将兵たちが驚いてテントから飛び出して空を見上げている。


「なんだ、アレは?」

「ワシか?」

「ワシがあんな音を立てるか!?」


 かなりの高度から進入して来た鳥のような銀色に輝くモノの編隊は、キラリキラリと銀色の翼を傾かせると急速に地上に向かって来た。


 ウウウウウウゥゥゥゥ......


「なんだ、あの叫び声は?」

「モンスターの叫び声だ!」

「逃げろー!」


ウインチョスター・アームズ連合軍の将兵たちの幾人かは、テントの中に駆け込んだり、雑木林に向かって走ろうとしたが遅かった。


 ウウウウウウゥゥゥゥ......


銀色に輝くモノは、その翼にかかえていた黒く長いモノを次々に地上に落とした。


ドーン!


最初に大爆発とともに吹き飛んだのは、ウインチョスター・アームズ主力部隊の司令部テントだった。


ドドド―――ン!

ドドドドド―――ン!

ドドドドドドドド―――ン!


将兵たちの体が四散し、馬が四散し、テントが次々と吹き飛ばされる。

主力部隊は司令官たちを失くし、大混乱に陥った。


《キムリック少佐の『オオワシ部隊』の奇襲成功!義勇軍第1機甲師団、突入開始せよ!》

レイナード王国の地下司令部からマソキで指示が出される。

《こちら義勇軍第1機甲師団司令官、了解。ただちに突入する!》


 レイナード王国の地下陣地内でエンジンを轟々と鳴らせて待機していた義勇軍の機甲師団の1万の兵力と車両5百両は、ドコデモゲートから耳が痛くなるほどのエンジン音を立てて次々と現われた。

 機甲師団の投入に先だって、大鷲族のガヴィオン中佐指揮下のドコデモゲート設置隊が首都エリオンシティの郊外‐敵主力軍の目と鼻の先に上空から煙幕弾を投げ、カムフラージュした中に決死の着地をしてドコデモゲートを設置していた。

 もっとも、ウインチョスター・アームズ主力連合軍の将兵は、ND-T3戦闘機による爆撃攻撃のあとの大混乱で、煙幕の煙などに気を取られるものはほとんどいなかったのだが。



 機甲師団は、すばやく散開すると横隊になりながら、次々と戦車の主砲で榴弾を敵陣地に打ち込みながら突進して行く。そして、自走飛翔弾発射車は後方からは40連装の200ミリ飛翔弾が連続して発射され、面の制圧をしていく。

 上空には大鷲隊が、的確な攻撃指示をマソキで義勇軍第一機甲師団の司令部に伝えている。

ドコデモゲートの守備は、装甲車一小隊のエルフ兵たちにまかせている。ドコデモゲートは最高機密であり、またゲート作動にはエルフが必要なこともあって、ドコデモゲート設置時にはエルフたちが警備を担当するようになっているのだ。

 戦車部隊による榴弾砲攻撃と飛翔弾攻撃のあとには、NJ1装甲車が生き残った胸甲騎兵たちを機銃で片っぱしから倒していった。


《こちら義勇軍第1機甲師団司令官、敵主力部隊の制圧ほぼ完了。制圧ほぼ完了!》

《こちら参謀部。了解!第一機甲師団は、師団を4つに分け、それぞれエリオンシティを包囲している敵部隊を制圧せよ!》

《こちら義勇軍第1機甲師団司令官、了解した。ただいまより師団は敵包囲軍の殲滅作戦を開始する!》


義勇軍第1機甲師団の司令官は、すぐに師団を旅団別に分け、あらかじめ各旅団長たちと打ち合わせていた作戦通りに、個別の敵部隊制圧に向かった。

それに先立って、第二波のND-T3戦闘機隊が、これらの敵部隊に250キロ爆弾の雨を降らせた。


 義勇軍第一機甲師団の攻撃開始から1時間後、エリオンシティの北部から迫っていたウインチョスター・アームズ連合軍の4万と3万の部隊は、別のND-T3戦闘機隊『アラワシ部隊』による奇襲攻撃を受けた後で、ドワーフ軍の精鋭『雷盾』部隊の猛攻を受けた。



《野郎ども、ゾオルの戦いでは『雷槌』部隊に先を越されたが、この戦いでは我々が先陣を切る。思う存分暴れろー!》

『雷盾』部隊の指揮官ドワ・アグルーギ・バンカルラ大佐の号令に部下の大隊長たちが一斉に答える。


《オオオオオオオオ――――!》



 そして南部から迫っていた敵連合軍‐兵力8万‐は、同じくND-T3戦闘機隊『カミワシ部隊』による爆弾攻撃のあとで、ドワーフ軍の『雷槍』部隊によって蹂躙されていた。


《いいか、おまえたち。今回の戦いは『雷盾』部隊との競い合いだ。どちらがどれだけ多くの敵兵を倒したかで勝者が決まる!情け容赦なく戦えー!》


ここでもドワ・ドゥクル・ボゾオカ大佐部隊長の号令がマソキで各大隊長に伝えられる。


《オオオオオオオオ―――――!》



 かくして、首都エリオンシティを包囲していたウインチョスター・アームズ連合軍部隊30万は、一日で制圧されてしまった。

 義勇軍およびドワーフ軍の死傷者はゼロだったが、ウインチョスター・アームズ連合軍の死者行方不明者は15万人以上、負傷者8万人以上、捕虜2万人という惨たる結果となった。


    NJ1装甲車

挿絵(By みてみん)




 作戦司令部のモニターに映される戦場の光景と銀翼を光らせて飛ぶND-T3戦闘機隊の編隊、機甲化師団の異様さと戦車砲の凄まじさは、新米参謀たちをして腰を抜かさんばかりに驚かせた。

 中でも彼らが息をするのも忘れるほどモニターの映像に釘付けになったのは、平面制圧では圧倒的破壊力をもつ自走飛翔弾発射車だった。


 1分間に1台から40発もの飛翔弾が次々と連続して火を吹きながら白煙を引いて敵陣に向かって発射される光景は想像を絶するものだった。

それが、百台以上も一斉に飛翔弾を発射するのだ。その凄まじさは想像を超えるものだった。


「こ、これで、ハイバデイッカ参謀長とボウデイッカ副参謀長が、“男の体と女の体のどこがどうなって子どもが生まれるのかわからなくても、子どもは生まれる”と言われた意味がわかりました!」

金髪の美女、スターム王国の陸軍竜騎兵隊のジャンヌ・アーク・モルトカ大尉が顔を紅潮させて言った。


「まったく、表現する言葉もないほどの威力と破壊力だ!」

「なるほど... これらの新兵器の仕組みはわからなくても、“子作りは出来る”、いや、戦いは出来るということね...」


赤髪のマーシア・エゼルフッド少佐がプロポーションのいい腰に手をあてて言う。

そのしぐさがまた色っぽくて、男どもは発言もせずに彼女を見つめている。


「“男の体と女の体の違い”は勉強不足でよくわかりませんが、本当にすごいです!これを見れば伯父上陛下もGATO側に味方するでしょう!」

背は低いが、黒い髪が特徴の東洋系の顔つきのオオミワ・ユウカ少尉が、同じく興奮した顔で言う。


「えっ、何が“男の体と女の体の違いよくわからない”んだって?」

そこにレオたちが現れた。


「あっ、レオさま!」

「レオさま、こんにちは!」


ハイバデイッカ参謀長とボウデイッカの顔がたちまち明るくなる。


「ハイバデイッカ参謀長とボウデイッカ副参謀長の作戦は完璧だな!おめでとう、緒戦は大勝利だ!」


「「ありがとうございます!」」


「それで北方のボローニング・ベネリ・ルガー連合軍の方はどうなっているんだい?」

「はい、あちらは山岳地域がありますので、少し時間はかかると思いますが、ND-T3戦闘機隊による焼夷弾攻撃と地震爆弾の攻撃で、敵部隊のほとんどは壊滅状態だとの報告が義勇軍第二、第三、第四師団よりはいっております。明朝からは獣人族軍の虎族・豹族部隊も参加し、掃討戦が行われることになっています!」


「そうか。獣人族の虎・豹両部隊は嗅覚、聴覚ともすぐれた戦士たちの部隊だから、2、3日のうちに掃討作戦は終わるだろう!」

「はい。私たちもそのように予測しております!」

「第二次遠征軍への対応も、明後日にはこちらの軍船への飛翔弾発射装置の据え付けが完了しますので、アルマライト国東岸に到着する二日前には海の藻屑にできます!」

「そうか、万事上々というわけだな?」

「「はい!」」


「よし、では今夜はみんなの歓迎会と初勝利を祝って、緒戦戦勝会だな?」


「「「「「「「「「「「ワ――――イ!」」」」」」」」」」」


「みんな、子どもみたいにはしゃがないで!」

「レオさまの前なのよ!?」


ハイバデイッカとボウデイッカがあわてて鎮めようとするが、彼女たちもうれしさをかくせないようすだ。


レオは作戦指令室にずらっといる新米参謀たちをたのもしげに見ると訊いた。


「で... 誰だい、“男の体と女の体の違いよくわからない”って発言していたのは?」


「ええっ?!」


オオミワ・ユウカ少尉は恥ずかしさで真っ赤になり、思わず声をあげた。


“どうして、この部屋にいなかったのに、私の言ったことを知っているの?”


「はは~ん、君か... 名前は、えーっと...」

「オ、オオミワ・ユウカ少尉と申します、レオン王さま!」

ピシッと敬礼して答える軍服姿も凛々しい美少女だ。


「オオミワ?もしかして、君は...」

「はい。私はニッファン帝国皇帝の姪です。皇衛隊の少尉です!」

「ということは皇女さま?」

「いえ、お願いですから、皇族の一人として見ないでください!アルマライト王国に来ているのも、伯父上陛下の反対を押し切って来たのですから...」

「ふうむ... そうか。いろいろ事情があるんだろうな」

「はい」


「それで... “新兵器の仕組みはわからなくても、子作りは出来る、いや、戦いは出来る”とよく理解したことを言っていたのは誰かな?」

「!...」


赤髪のマーシア・エゼルフッド少佐は、声を立てなかったが反射的に口に手をやり、みんなが彼女を見たので真っ赤になってしまった。


「わ、わたしです、レオン王殿...」


「あのさ... 君たち、今からオレのことを“レオン王”とか“レオン王殿”とかいうの禁止な?」


「「「「「「「「「「「え―――――っ?!」」」」」」」」」」」


「ただのレオでいいよ」


「で... でも... お母さまは、年上の人には“様”をつけなさいって...」


栗色の髪の美女アリス・エルフスリゥス大尉がレオを見て真っ赤になるながら言う。


「まあ、そうだろうな... みんなみたところ、それぞれの国の王女さまとか王子さまなんだろう?

そういう家は躾がきびしいからな。じゃあ、歳下の者はレオさんでいいよ!」

「レオさまのお歳はいくつですか?」

「22歳だよ!」


「「「「「「「若っ!」」」」」」」


「ところで、ここにいる全員は独身?」


「「「「「「「「「「「は―――――い!」」」」」」」」」」」


「よし、じゃあ、今晩の戦勝会はオレのおごりだ。みんな軍服じゃなく礼装で来いよ!

女性は胸の大きく開いたイブニングドレス、男性はタキシードな!」


「「「「「「「「「「「ええええ―――――?」」」」」」」」」」」


 軍人という種族は、礼装といえば金モールや肩章などをいっぱい飾った礼服を着用するのがふつうなのだ。それを女性は“胸の大きく開いたイブニングドレス、男性はタキシード”というのだから、驚くのも当然だ。


 それも、あとで│美雨メイユイから女性全員のサイズがとられ、水着まで用意されることになった。

なんのことはない、レオは“テラの美女たちの水着姿”を見たいというだけの話だ。




 *  *  *




 戦勝会にふさわしい場所がないという口実で、レオはパーティーを勇者王国のライトパレスで開催することにした。

 目かくしをされて地下の聖堂からアルフヘルムの聖堂に移動したテラの王子・王女たちは、ゲート魔法で勇者王国のゲート・ステーション‐例の同盟国諸国の重要ポイントと繋がるゲートが設置されてあるところへ移動し、そこからマハナヤ・タイガーの引く馬車に揺られて2キロほどの道のりをライトパレスへ向かった。


 山間部にある勇者王国では、傾斜地に色とりどりの屋根が美しい家がならんでいる。

谷底にあたる平地の真ん中には川が曲がりくねって流れていて、川の両脇にはなにか作物が植えられており青々とした葉を見せおり、その中をエルフたちがせっせと仕事をしている。



 マハナヤ山脈の中でももっとも高いと言われるガーヤ山の中腹にある勇者王国は、そこかしこに花畑があり、色とりどりの花が咲いていて、その間を美しい色彩の蝶たちが飛び交っている。

ガーヤ山の雪解け水は清らかなせせらぎとなって流れており、そのせせらぎにはところどころ小さなアーチ形の木の橋がかかっていて、そこを親子連れなどが渡っている。



 名も知らぬ小鳥のさえずる声が聞こえ、お花畑には蝶々のあとを追う小さなエルフやリザードマン、犬族、ネコ族の子どもたちの歓声が聞こえる。




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