12-06 新米参謀歓迎会
「え――っ!ムリ、ムリ―――っ! いくらお兄ちゃんのお願いでもそれはムリっ!」
守護天使シーノは、レオから時間遅延スキルの発動を依頼されたとき、無理だと拒否した。
「ねえ、たのむよ、シーノ大明神さま!」
「いや、ムリですってば。いくらシーノ大明神さまって言われても!」
時間遅延スキル‐レオはフリーズなどと言っている守護天使のスキルは、当事者の固有時間を100倍に引き延ばすスキルで、これを使えば5分を8時間ほどに引き延ばして利用できるという便利なものなので、レオがデートのときによく使っているものだ。
創造主エタナールの1京分の1の能力をもつシーノにすれば、ハナクソをほじるより簡単な仕事のはず‐いや、かわいいシーノがハナクソなどほじくるわけがないが‐なのだが、首を横にふって愛するお兄ちゃんのお願いを拒絶したのだ。
「シーノちゃんだけがたのみなんだよ、ねえ、たのむよ!」
愛するお兄ちゃんが両手を合わせ、土下座せんばかりにたのんでいるのを見てシーノは言った。
「こうなったら、エタナール様にお願いするしかないわ...」
* * *
「こんな美しい国があったなんて...」
「まるでおとぎの国みたい!」
「雄大な山は神秘的だし、青空もこの世のものとは思えないくらい澄んでいるわ!」
「見て、見て、あの子、耳の先が立っている!」
「ほら、あの女の子は長いシッポがあるわ!」
馬車の上から勇者王国の美しい風景を眺め、道行くエルフたちや獣人族の者たちと明るくあいさつを交わしながらライトパレスへ向かう新米参謀たち。
しかし、彼女たちは知らなかった。
勇者王国の時間の流れが100倍遅くなっているということを。
いや、それは新米参謀たちだけでなく、ライトパレスの誰も、勇者王国の市民たちでさえ知らない事だった。
レオの無理難題にさじを投げたシーノが、エタナール様にお願いしてやってもらったのだ。
「まあ、レオさんもしかたありませんね。でも、これも私が蒔いた種、私にまかせなさい、シーノ」
............
ライトパレス
ゆっくりと走る馬車の窓から、勇者王国の風景を楽しんでいるうちに、ライトパレスが見えて来た。
「あ、お城が見える!」
「どこどこ?」
「ほら、あそこ!」
「きれーい!」
「まっ白なお城なのね!あんなお城で王子さまと暮らせたら...」
マリア・ナタリア・アブスブルゴがうっとりとした目でつぶやく。
「そうねぇ... 王妃さまになるのも悪くないわね!」
マーシアも同調する。
「無理、無理、マーシア、あなたもう婚約者いるでしょ?」
アリスがおどろいて言う。
「うーん... 解消しちゃうかも!」
「えーっ、フェリッポに聞こえちゃうわよ?!」
「だいじょうぶよ、彼は前の馬車だから聞こえないわよ!」
「ふふふ。もしかして耳を後ろに向けて、私たちのおしゃべりを聞いているかもよ?」
茶目っ気たっぷりに両耳に手のひらを後ろに向けるジェスチャーをしながら言う。
「その方が手間がはぶけていいかもね?」
ナタリアもからかう。
栗色の髪の美女、アリス・エルフスリゥス海軍大尉はみんながからかわれている。
彼女がフェリッポと言っているのは、フェリッポ・バレンシュタインで、アルマライト軍のエリート部隊である近衛猟騎兵隊中佐だ。
エンリッケ王子と仲がいいことから、エンリッケ王子が同じ『精鋭エウアンゲリオン大隊』の同輩であるマーシアを中佐に紹介し、半年ほどつきあってから婚約したばかりだった。
ちなみに、『精鋭精鋭エウアンゲリオン大隊』は、アルマライト国の前王‐レオの本当の父親‐の名前を冠した精鋭部隊でもある。
「エンリッケ王子もフラヴィオ王子も来れなくて残念ね...」
アリスが誰にともなく言う。エンリッケ王子もフラヴィオ王子も、「妻との約束があるので」という理由で来なかったのだ。
しかし、レオはわかっていた。二人とも王位継承者なのだ。まだ魔族との戦いが続くミィテラなどに行って、万一、命でも落とすことになったらたいへんなことになるので自重したのだ。
ハイバデイッカとボウデイッカも参加しなかった。
ご招待していただいたのはうれしいですけど、戦いはまだ始まったばかりですし、いつ、どんな形でワシャワシャ条約軍の反撃があるかも知れませんので、司令部で待機しております!」
いつも慎重な妹のボウデイッカが落ち着いてレオを見ながら言ったが、姉のハイバデイッカの方は行きたくて行きたくてたまらない、という顔で、何だかベソをかいているような顔だった。
「そうか。じゃあ、あとで君たちには十分に埋め合わせをしてあげよう!」
そう言うと二人ともうれしそうにしていた。とくにハイバデイッカが泣きベソをかいていたような顔を急にニッコリと笑ったのが、レオの胸に響くものがあった...
ライトパレスの正門の両側にはずらーっと衛兵たちが40人ほど並んでおり、捧げ銃で一行を迎える。
馬車が城内に乗り入れ、馬車回りで止まり白い大理石の階段をあがり、エントランスホールにはいると、そこにはアイミたち王妃が煌びやかなドレスを着て微笑んで歓迎した。
「テラの世界の皆さま、ようこそ勇者王国にいらっしゃいました。さあ、どうぞ、こちらへ!」
「女性の方はこちらへ!」
「男性の方はこちらへ!」
女性将校たちはオリヴィア王妃が先導し、イザベル、ランなどがいっしょについていく。
男性将校たちは、執事役もこなしているポマロラさんが、従者数名と別室に導く。
女性たちがはいった部屋は、ライトパレスで『奥様会議』が行われる華麗な部屋で、美しい花がきれいな花瓶に飾られ、やわらかな雰囲気のシックな部屋だった。
「まあ、なんてステキなお部屋!」
「女性専用のお部屋ですって!」
「軍隊は男ばかりだから、こういう部屋は落ち着くわね!」
なんて話していると、部屋に待機していたメイドたちがイザベルの指示で、次々と女性将校たちの着ていたドレスを脱がしはじめた。
「えっ、ド、ドレスを脱ぐんですか?!」
「まさか、ハダカになれって言うのでは...?」
「安心なさい。裸にはなりますけど、もっと素敵な下着とドレスを着るのですよ!」
イザベルが“つべこべ言わずにだまって着替えなさい!”と言わんばかりの口調で言う。
「えっ、素敵な下着...? キャッ、やめてっ!」
「素敵なドレス?」
「きゃっ、パンティまで脱ぐんですか?」
「恥ずかしいわ!」
女性将校たちがせっかくきれいに着飾って来たドレスを脱がし、下に付けていたガーターやパンティやブラまでとる。
レオたちが十数年前に、テラの世界に現代デザイン風のショーツやブラジャーを持ちこんでからは、さすがに以前のような中世風なズロースやヨロイのようなコルセットや胸全体を覆うブラジャーを使う女性はさすがにいなくなったが、それでもイザベルやランなどから見たら一世代前の古いデザインの下着だ。
情け容赦なく、美女たちを素っ裸に剥いて、それからユウシャコの高級ファッションブランド『オリヴィーユ』のショーツやブラをつけさせられ、その上から同じく『オリヴィーユ』ブランドのドレスを着せられた。
「いやだ、これ短すぎる!」
「これ、私のカラダが透けて見えるんですけど...?」
「下着が上も下も丸見えよ!」
「こんなドレス、恥ずかしくて着れないわ!」
「こんな姿、男には見せれないわ!」
女性将校たちは大騒ぎだ。
そこにやって来たのがレオだった。
「「「「「キャ―――――ッ!!」」」」」
女性将校たちが、ソファーの陰や、植木の陰、または最年長のマーシアの後にかくれてしまった。
そのマーシアは、スケスケでパンティもブラも透けて見え背中が大きく開き、デコルテの大きいロングドレスを着ているのだが。
「おお!...」
レオはマーシアを頭の先からハイヒールのつま先までじっくりと見た。
見る見るうちにマーシアの顔が真っ赤になる。
イザベル、ラン、オリヴィアたちは、マーシアがレオに恋をする瞬間を楽しみながら見ていた。
「レ、レオさま... こ、こんな趣味の悪いドレスを着させて、私たちを辱める気ですか?」
真っ赤になりながらも、きっぱりと言う。
「いやいや、勘違いしてもらっては困るな。それはオレたちの世界では最高級ブランドのドレスなんだよ?」
「最高級ぶらんど?」
ブランドという意味はわからなかったようだが、最高級という意味はわかったようだ。
「そうだよ。ミィテラの世界でもっとも美しい女性と言われるオリヴィア王妃が監修して作らせた最高級のドレスなんだよ。それ一つで金貨50枚以上するんだよ。悪趣味でそんな高級ドレスを着せないよ。それは君のような美女が着てこそ価値があるドレスなんだ!」
「き、金貨50枚以上...」
マーシアが唖然として、シースルーでパンティもブラも透けて見え、デコルテの大きいロングドレスを改めて見る。
「アリス、フランチェスカ、ジャンヌ、ユウカ、君たちのドレスも金貨40枚から50枚するし、下着だって金貨4、5枚するんだよ。オレもオリヴィア王妃も、『オリヴィーユ』ブランドのファッションは誰にでも着て欲しいものじゃない。それを着る価値のある美女に着て欲しいんだ!」
「美女...」
「わたしたちが美女?」
彼女たち自身、テラの世界でも指折りの美女たちなので、いつも男たちから美人だ、美しいと耳にタコができるくらい聞かされているのだが、その言葉をレオと彼女たちから見ても“絶世の美女”であることは間違いないオリヴィア王妃も美女だと言ったと聞かされて、心の底からうれしくなった。
「それにしても、レオさまって、なに? オリヴィア王妃が美しいのは間違いないけど、アイミ王妃もイザベル王妃もラン王妃も... みんな絶世の美女じゃなくて?」
下着を替えて、ドレスを替えたあとは、ヘアメイクさんたちに髪をもっと似合うようにセットしなおし、化粧もメイクさんになおしてもらいながら、イスに座っておしゃべりをしている。
「そうですよね、そうですよね! マーシアさんが馬を乗り換えたくなる気持ちわかりますね!」
「だね!」
「こらっ、あなたたち何を言っているの!」
ほかの娘たちを怒りながらも、顔をまた真っ赤にするマーシアだった。
“でもレオさまって... 私よりずっと年下なのよね…”
はやくも別の意味で悩む赤髪の美女少佐だった。
「それにしても... このスソ短すぎるわ... パンティが見えそう!」
ユウカがしきりにドレスの裾をひっぱっている。
「本当に短いわ。こんなのママは絶対にダメって言うわ!」
ジャンヌもしきりにひっぱっている。
「パンツが見えるくらい何よ? 私とナタリアは、パンツもブラジャーもスケスケに見えるドレスなのよ!」
フランチェスカがスケスケのピンクのドレスの生地越しに見える下着を見ながら言う。
* * *
「さあ、遠慮しないで食べてくれよ!」
『雅の間』のスツールに座った女性将校たちに、次から次へと特上の寿司を食べさせている。
寿司を握っているのは、ナンバ市の一流寿司店から引き抜いて来たマサさんたち最高のプロ寿司職人だ。『雅の間』は、レオが家族や特別なゲスト用に作らせたスペースで、“国賓”や“特別客”のおもてなしがされるのだ。イザベル、アイミ、ラン、オリヴィア、ミヨカたちも女の子たちといっしょに食べている。
「これとてもおいしいです!」
ナタリアは、透明感のあるピンク色の身に白い脂肪の色が入った肉片が乗った米を炊いて小さく握ったスシというご馳走を食べていた。
「これもおいしいですわ!噛むとプチプチってつぶれて味が出るの!」
ジャンヌが食べているのは、赤いブツブツがたっぷり乗ったものだった。
「私の国、ニッファンにもスシってありますけど、こぶしくらいの大きさの上にお魚の切り身が乗ったもので、こんなにおいしくありません!」
ユウカが細い指で寿司を上品に口に運びながら言う。
「俺も先ほどいただいたけど... 飲み込めなくて、喉の中を行ったり来たりしたよ...」
顔を真っ赤にしたアルマンド・バズーカ・ホウ大尉が串焼きにかぶりつきながら面目なさそうにボヤいている。
男将校たちは、女性たちより一足先に『雅の間』に来て、タタミが敷かれた座敷であぐらを組んでレオが用意した吟醸酒を飲んでいたのだ。
「それにしても、この酒は味わいがあってとてもうまい!」
「このツマミも滅茶苦茶に合うしな!」
アルマンドもフェリッポもかなり酒が強いのだろう、塩辛や豆腐やチーズなどのツマミを食べながら、ぐいぐいさかずきで酒を飲んでいる。
彼らはスケスケのドレスやひざ上の短いドレスを着た女性将校たちをまぶしそうに座敷から見ていた。女性たちはとっくに彼らの食い入るような視線を感じていたが、先ほどイザベルたちに言われたことを思い出して“平然”としていた‐いや、平然を装っていた。
「フェリッポたちが飲んでいるお酒、おいしそうね?」
そんな男たちのガッツくような視線をはぐらかすつもりでマーシアが男たちを見て言った。
「おう、めっちゃうまいぞ!飲んでみるかいマーシア?」
フェリッポが徳利を片手に持って、婚約者のマーシアのところに来た。
足が少しふらついている。もう、かなり飲んでいるのだろう。
フェリッポが立ったのを見て、男たちもカウンターにやって来て女の子たちといっしょにスツールに座るが、アルマンドは酔っぱらってスツールからすべり落ちてしまい、尻をなでつつ座敷にもどって行った。
「絹のように滑らかに喉を滑り落ちる感じね!でも、私にはちょっと強すぎるかもしれないわ...」
「シンちゃん、お嬢さまたちには、ホランス製の白葡萄酒をだしてくれないか?」
マーシアの言葉を聞いたレオは即座にマサさんの弟子のシンちゃんにワインをたのんだ。
「へい、どうぞ!」
カウンターに出された白葡萄酒をクリスタル製の桝にいれてマーシアに勧める。
「あ、これおいしいわ!ほどよく冷えていて、あまり甘くもなく酸味も強くないわ!」
「えっ、じゃあ、あたしにもください!」
「私も!」
「わたしも!」
「私も欲しいです!」
たちまち女性たちからリクエストが出る。
「ほんと!おいしいわ!」
「これならいくら飲んでも平気ね!」
「これ、どこ製のワイン? お城でも飲んだことないわ?」
女性将校たちには大好評のようだ。
マサさんの一番弟子テツさんが、今度は天ぷらを揚げて出しはじめた。
食欲旺盛な若い娘たちは、新鮮なエビ、イカ、かき揚げ、アナゴ、キスなどの天ぷらを食べはじめた。
男たちも一つ二つ食べたが、酒でいっぱいの胃には入らないようで、相変わらず‐それでも‐吟醸酒を飲んでいる。
しかし、いくらアルコール度が低いと言っても酒は酒だ。
白葡萄酒をしこたま飲んだマーシアの顔は赤くなり、なんだか鼻息も荒くなったようだ。
「フェリッポ!」
「うん... なんだい、俺の愛しいマーシア?」
「あなたさっきから、酔っぱらったふりをして、私の太腿ばかりさわっているわ!」
「え... そうかい?なんだか神殿の女神像のおみ足があるなあ、と思ってさわっていたんだよ!」
「みんながいるのよ!それにここはレオン王さまが、私たちの歓迎会をしてくれているところでしょ? 王妃さまたちもいるのに!」
かわいそうにフェリッポは耳を下げて座敷にもどって行った。
「アルマンド、あなたもよ!私のパンツ... いや、下着ばかり見ないで!」
「ヘルマート、あなたも私の胸ばかり見ないで!」
「アレクサンダー、あなたも私やナタリアの体をなめるみたいに見ないで!」
そういうわけで、男連中はすべて座敷へもどって行ったのだった。
女連中は、お酒がはいると強くなるらしい。
酒のつまみ
(いや、でもマーシアのその色っぽい太腿、フェリッポじゃなくても、男だったらさわりたくなるんじゃない?)
(えっ、だれ?)
突然、頭の中に声が響いて来て、マーシアはおどろいてキョロキョロあたりを見回しながら、頭の中で聞く。
(ふふふ。オレだよ... マーシアのカラダはこんなモノかな?)
レオからマーシアのまっ白なハダカのイメージが彼女の頭に送られて来た。
実際のマーシアより、いくぶん太目にしたイメージだ。
(レ、レオさま?!ち、ちがいます!私はそんなに太っていません!フェリッポも“ステキな体だね!”って言ってくれたほどです!きゃっ、なんてことを言っているの、私!)
(ほう... 婚約者とはもうしっぽりと濡れるカンケイなわけだ?)
(いえ、そうじゃありません。彼が婚前〇〇は避けるけど、せめて体を見せてほしいと哀願するので...)
(ハダカになってあげた?)
(死ぬほど恥ずかしかったんですけど、婚約者だし...と思ったんですけど...)
(〇〇されそうになった?)
(は、はい。彼のキ〇タマを思いっきり蹴り上げました!)
(オレのキ〇タマは蹴らないよね?)
(... レオさまは... 私と寝たいのですか?)
(いや、寝たくはないよ。構合をしたいだけ!)
(コ、コウゴウぅ?!)
(いやかい?)
数席離れたところに座っていたレオが、歩いてマーシアの席に来た。
レオは両手で上気しているマーシアの頬をやさしくはさむと、その緑の目をじーっと見つめた。
「レ、レオさま...!?」
衆人環視の中で、そんなことをされるのには、“勇敢な軍人”である彼女にとってもオドロキであり、超ハズカシくもあった。
先ほども自分の太腿をさわっていたフェリッポを追い返したばかりなのだ。
マーシアは、じーっと見つめられて、まるで十代の初めにした甘い初恋のときのように胸がキュン!となった。
“えっ、ナニ、この感じは?”
レオの顔が近づいて来た。
“えっ、えっ、えええ―――――?!”
やわらかいレオの唇が自分の唇に重なった。
あまりのハプニングにマーシアはもうボーっとなってしまった。
だが、頭の片隅ではまだ理性が働いていた。
周りの者がどんな反応をしているかを見る。
となりの席のアリスもフランチェスカも、アリスもナタリアもユウカも静止していた!
「えっ?」
寿司職人たちも、座敷でもうひっくり返っている男たちも、レオの美しい王妃たちも、全員笑ったり、口を開けて天ぷらを食べようとして大きく口を開けた姿のままで止まっていた。
思わず唇を離して周りを見直す。
たしかに凍ったように止まっている。
「時間を止めているんだよ!」
すでに承知のとおり、これはシーノの時間遅延スキルだ。
エタナール様が時間を遅延した勇者王国の中で、さらに守護天使が時間遅延スキルを使ったのだ。
「こ、これは何ですか... フギュっ!?」
ふたたびレオの唇が赤髪の美女の口をふさいだ。




