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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
ラストウオー
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11-16 ランの本能

 イザベルとは子どものときから仲良しの遊び仲間だった。


 毎日のように、お城からフィッシュベイの村にやって来るカイオ王子と、よく三人で冒険者ごっこをして遊んだ。


 なぜ、王子であるカイオが、猟師の村であるフィッシュベイにほぼ毎日来ていたのかは、わからない。

いくら王位継承順位8位とは言え、カイオは立派な王子さまなのだ。

望めば、彼の母親であるシルヴィア王妃‐エンリケ国王の第三王妃‐が、いくらでも貴族などの同い年の子どもを遊び相手に用意させただろう。


 だが、なぜかカイオ王子はわざわざ城からフィッシュベイの村まで遊びに来ていたのだ。

たぶん、カイオ王子も、とてもかわいかったイザベルに会うために通っていたのだろう。

レオは王子に聞いてみたことはないが、きっとそうに違いないとレオは思っている。



 イザベルは、女の子のくせに冒険が好きだった。

何度も彼女の父親がもつ遠洋漁業船にもぐりこんで旅をしようとして、いつも誰かに見つかって失敗していた。


 レオは初めて彼女を漁船の船倉で見たとき、イザベルのあまりの美しさ― 

ポニーテールの赤毛で美しい青い目‐ちょっとキツそうな感じだが冷たくはなかった‐目鼻立ちのととのった顔立ちとバランスのとれたスタイル、いわゆるボン、キュッ、ボン!の素晴らしいプロポーションに見とれてしまったほどだ。


 イザベルも年頃の少女らしく、レオの“女の子を見る目”にすぐ反応し、

「レオ、何を私のことを初めて見るみたいにジロジロ見てるの!?」 とボインの胸を張って聞いた。

テラの世界もミィテラの世界も、創造主がレオのために作った世界なので、レオにとっては何もかも初めて見て、初めて経験することだったのだ。







 それから、いろいろあって― 


ゲートを通ってミィテラの世界へ三人でやって来て、冒険をはじめた。

エルフたちやドワーフたちやヤマト人たちを助ける旅で多くの美女と出逢った。


エルフ魔術師のアイミにはじまって、夜叉族ハーフのラン。

白龍王の来孫(らいそん)のモモ、豹族と人族のハーフのミユ。

鬼人族の勇敢な戦士ベンケイ。テラでもっとも美しい、いや、ミィテラをふくめて両世界でもっとも美しい女性オリヴィアと出逢い、そして白龍王の直孫であるアナと出逢った。


 彼女たちは次々とレオの仲間になり、恋人になり、レオの妻となった。

そして、イーストランジアの戦いで魔軍相手に大勝利をおさめた。

 イザベルは幼少のころからの友だちであり、テラからいっしょにミィテラへ冒険をするために来たということで、レオは特別な気持ちというか、感情をイザベルに対してもつようになっていた。



 その特別な(初恋の)女の子― イザベルはマリステラを産んだことでもっと美しくなった。

さらにうれしいことに、子どもを産んだことでイザベルの体は進化をとげていた。


 ブレストもオシリも一回り大きくなり、バージョンアップした。

しかし、イザベルはウェストやお腹が脂肪で大きくなるのはイヤらしく、常にトレーニングをしているのでお腹はまったく出てないし、ウェストも以前通りキュッと締まっている。


 バージョンアップしたイザベルを愛しながら、

レオは例えようもない幸福感、征服感を感じていた。




 結局、イザベルは月齢21日の月に照らされた『タゥルン湖畔』で、たっぷりとレオに愛されてから、レオがスケさんにお願いして彼女の部屋に運んでもらった。


「レオ... ありがとう... これで生きているって感じることができたわ...」


と気だるげな声で言って瞬間転移でオクタゴンハウスに運ばれた。




 *  *  *



 ランは魔大陸からもどってから、薄ピンクの地紋織の紋付の着物に着替えていた。

帯は鮮やかな梅重(うめがさね)で、陶器のようなきめ細かい白い肌をもつランに映える。

ランは何を着ても似合うが、ヤマトナデシコ教育を受けたせいか、和服を着るととても似合うのだ。


ランも厭忌(えんき)の者ズァライラよって、一度は命を奪われている。

一度は死んだ、という事実が、ランを奇妙な感じにさせていた。


“もし、演習場で死んでいたら、どうなっていたのかしら…”


ランは一人息子のレンのことを思った。


“私が死んだとしても、レオやほかの仲間たちがレンの面倒を見てくれて、立派に育ててくれることは間違いないわ。でも、私はもう二度とレンを見れなくなっていたかも知れない...


“だけど、そんなのはイヤ!”


ランは21歳になったばかりなのだ。

まだやりたいこと、したいことがたくさんある。


“もっとレオさまに愛されたい...”





 3年前― 


 ヤマト軍の残軍は、圧倒的に優勢な魔軍に押されてイーストランジアの南部にまで後退していた。

そして、ナゴヤ市郊外の山中にブラックドラゴンに発見されないように、地下陣地を築いて抵抗を続けていた。

 しかし、たのみの中央大陸からの人族連合軍は、ヤマト海の制空権・制海権をもつ魔軍に阻まれて援軍を送ることができずにいた。


 それでも当初、人族連合のノブサジ議長とノブハシ総司令官は、数万の兵力を送ろうとしたが、輸送船団はすべてブラックドラゴンに襲われ、魔軍艦隊によって撃沈されてしまった。

 そして魔軍は大兵力をもって、ヤマト軍を全滅させようと着々と準備を進めていた。

さすがに豪放磊落(ごうほうらいらく)で楽天的なノブノブ将軍も、ヤマト国の終焉を予測し、落ち込む日々が続いていた。


 そんな時、ある日突然、見も知らぬ人族の若者が現われ、魔軍第六軍の軍団長バメロスと副官グゴスモを殺し、魔軍を敗走させたと言った。

 エルフの美少女といっしょにヤマト軍の司令部に現れた若者の名前はレオと名乗った。

一見、フツーな感じのその若者が、魔軍の軍団長と副軍団長を倒したと聞いたとき、ヤマト軍の将兵たちは“誇大妄想狂に違いない”と笑った。


 しかし、偵察隊から本当に軍団長バメロスと副軍団長グゴスモは“ヤマト軍の奇襲部隊”に殺され、魔軍は総崩れで逃げ出したということが報告されると、若者を見る目が変わった。

 さらにおどろいたことに、そのレオという若者は、「オレの力を証明するために、ヤマト軍の腕自慢の兵士たちと試合をしたい」と言い出し、十人以上のヤマト軍の猛者を目にもたまらない速さで気絶させた。


 その上、試合に参加したランが、レオの隙を突いて瞬間移動で後ろから剣で刺そうとしたのだが、レオがどういう技を使ったのかわからなかったが、ランは勢いよく跳ね飛ばされてしまった。

尻もちをつきかけたランを、彼女の瞬間移動のようにレオは目にも止まらないような速さで移動し、後ろから抱きとめたのだ。

 その時、わざとか無意識でかわからなかったが、レオはしっかりと着物の上から彼女のふくよかな胸をつかんでいたのだ?


“あれは、きっと故意にわたしの胸をつかんだのね...”

のちにレオと結婚して、いや、結婚する前からレオがかなりの“女好き”だとわかった時点でランはそう確信していた。


 十人以上のヤマト軍の猛者を倒したのを見て、ノブノブ将軍はレオの言葉を信じるのみならず、大そう彼のことを気にったらしく、養女としてかわいがって育てて来たランをレオに“あたえた”のだった。

 ランも、なぜかレオに心がときめくのを感じ、ノブノブ将軍の言葉(決定)に異を唱えることもなく、レオとともに冒険の旅に出ることを決意したのだった。

 ランにしてみれば、その時にレオの妻になることが決まっていたのだ。



 アナの話では、アナもランも白龍妃によって救われたのだそうだ。

しかし、ランは厭忌(えんき)の者ズァライラによって殺されたのを知っている。


“もっとレオさまに愛されたい...”


そんなランの気持ちをレオは感じていた。


「オレの愛する夜叉奥さん、さあ、デートをしに行こう!」


レオはにっこりと笑って言った。そして“愛する夜叉奥さん”とみんなの前で言われて顔が赤くなったランの手をとって、スケさんの瞬間転移でシンホダカの秘湯に飛んだ。




 陽はやや西に傾いている。

 

 午後3時過ぎといったところか。


一陣の風がランの黒い髪をなびかせ、ランはそれを手で押さえる。


「ここは...?」


梅重(うめがさね)の着物は、月光の下では淡藤色(あわふじいろ)色に見える。


「ヒダ山脈の奥にあるシンホダカの秘湯だよ」

「そう。オリヴィアさんを初めて連れて来たところね... アズマ山麓を消し飛ばしたあとに!」

「いや、あれはオレが消し飛ばしたんじゃないんだけど...」

「知っているわ。│靉靆あいたいの者たちがやったのでしょう?」

ここ(アズマ山麓の秘湯)は、初めてレオさまに抱かれた思い出の場所よ...」


ランは和服を来て、さらに女性らしくなり、“レオ”に“さま”をつけて呼んでいる。



「そうだったな。ランはオレのために乙女でいてくれたんだよな?」

「ま!... べ、別にレオさまのために、乙女でいたわけではないのですけど...」

「ふふふ... じゃあ、誰のために乙女でいてくれたのかな?」

「そ、それは、私が心から愛する人のためよ...」

「それで、見つけれたのかな... その“心から愛する人は”?」

「レオはイジワルね... だから、初めてをあげたんじゃない?... ムギュっ!」


 レオはランのやわらかな口にチューをした。

そしてランをお姫さま抱っこして、少し離れたところにある壁のない草ぶきの小屋に連れて行った。


小屋の床には、柔らかい枯草が敷き詰められていた。


そこに少々乱暴にランを投げ出す。


 バサっ!


「ひゃっ!」


急に投げ出されたランが驚く。


投げ出されたランの着物の裾がめくれて、真っ白な足がなまめかしく見える。


ただそれだけのことなのにすごくそそられる。


裾を直そうとするランにレオは覆いかぶさった。


「レ、レオ?!」


レオはランの着物の前をはだけて、下に巻いている湯文字(ゆもじ)をめくりあげる。

赤い湯文字(ゆもじ)を腰までたくしあげる。


「レオ、恥ずかしい...!」


ランが若いおぼこのように両手で顔を覆って恥ずかしがる。


着物というやつは着るのも脱がせるのも複雑だ。

帯を解くためには帯締めをまず解かなければならない。


レオは100倍の力を加減しながら、

シュッ、シュッと音をさせて帯締めを解く。


帯締めを解いてランの半身を起こして帯をはずし、

帯揚げと帯枕を外すし着物を脱がす。


まだ襦袢(じゅばん)腰紐(こしひも)があるが、ここまで来ればあとは簡単だ。


腰紐を解き襦袢(じゅばん)を脱がせると

昼下がりの陽に照らされ、白大理石のように輝く夜叉族の体があった。


ランの黒い目は、これからはじまるコトへの期待感から濡れたようになっている。

夜叉族の女性は情熱的なのだ。


レオは赤い湯文字(ゆもじ)の紐をほどくき開くと、白磁のような美しい体がそこにあった。


「はずかしいわ...」


ランはそう言って前を手で隠す。


「なにを言っているんだ?こんな素敵な体なのに? さあ、オレの愛する夜叉奥さんをよく見せてくれ!」


 ランは恥ずかしそうに両手を前からはずす。


 陽の光に照らされて輝く白磁の肌の夜叉族美女。


 漆黒の髪


 豊かな白い双丘


 細いウェスト


 やわらかそうな腹


 そして白い足…



レオは、任務のために命まで落としたランに、感謝の気持ちをこめて愛した。


「ああ... ああ... レオ レオ 愛しているわ!」


「オレも愛しているよ!」


 ............ 

 ............

 ............

 ............  



愛の嵐が過ぎ去ったあとで― 


ランは疲れ切って横になっていた。


「レオ...ったら... こんなにしたら、あとで動けなくなるじゃない...?」


恨めしそうにレオを見ながら文句を言う夜叉奥さん。


しかし、その目は満足しきった目だった。





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