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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
ラストウオー
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11-15 イザベルの本能

 ライトパレスの『雅の間(みやびのま)』。


和風の部屋で、和風でないのは畳の代わりに落ち着いた色の大理石を床に使っているという点だ。


雅の間(みやびのま)』は、レオが家族や特別なゲスト用に作らせたスペースで、ナンバ市の一流寿司店から引き抜いて来た寿司職人のマサさんが、次から次へと寿司を握ってカウンターに座っている者たちに出していた。


 マサさんは、勇者王国に『寿司マサ』をレオに開店させてもらって、大繁盛している。

レオは店の家賃も何もとらないし、マサさんが必要な材料は、輸送費ゼロで提供している。

その代わり、レオが呼ぶときは、店は弟子たちにまかせてレオのため‐彼の家族、または賓客のため‐寿司を握ってもらうことになっている。


「おーほっほっほ!この寿司って、とても美味しいですわね!?」

そう言って、箸が止まらない感じで次から次へと寿司を頬張っているのは、白龍王妃アシュマナーダだ。

「おばあちゃん、そんなに食べたら、私たち食べれないじゃない!」

アナがぷーっとふくれっ面をしている。

「どうもスミマセン。今、テツに急いでこちらに来るように連絡しましたので、それまでしばらくお待ちくだせえ!」


マサさんが一生懸命に白龍王妃のために寿司をにぎりながら謝っている。

テツはマサさんの一番弟子で、テツさんに負けないくらい寿司を握るのが上手なのだ。

マサさんはチャキチャキのエドっ子なので、エド弁で話す。

白龍王妃の胃袋は底なしなのか、アナやズミレンママたちの分まで食べている?


「アシュマナーダ、寿司というものは、そうガツガツ食べるものではなく、ゆっくりと味を楽しみながら食べるものだよ」

そう言ってあきれた顔で見ているのは、アシュマナーダの夫の白龍王だ。

「あら、だって、ちょっと大きめのブレイズボール(火炎球)を数十個吐いたら、とてもおなかが空いちゃったのよ!」

「す、数十個? よく、それだけ吐いたものだな... じゃあルゾードの宮殿は...」

「ズミレンがワールウィンド(破壊風)をまき散らしたので、何も残っていませんわ」

「お母さん、まるで私一人で魔王の宮殿を破壊したみたいなことを言わないで!」

ズミレンママが抗議する。


「あ、でも、たしかヴァースキ(スケさん)が置いて来たあの女魔族... 何て言う名前だったかしら?

「アニュイパランよ、おばあちゃん」

アナがアニュイパランの名前を忘れてしまったおばあちゃんに教えてあげる。

「そうそう。アニュイパランの石像が残ったわよ?」



「それにしても、アーナンダさんの白龍姿は圧倒的でしたね?」

レオが魔都を暗くするほど巨大な龍になったアーナンダの雄姿を思い出して言う。

「いや、本来の姿にはめったにならないんですけどね... 白龍妃さまやキュリアナさまたちが魔軍の攻撃を受けてはマズいと思って、魔軍を威嚇するために白龍の姿になったのですよ」

「それにしてもアーナンダさん、おばあちゃんより大きかったわね?」

「それはな、キュリアナ。アーナンダは1万年も生きているからなんじゃよ!」

白龍王が説明する。

「いや、白龍王さま、そんなには生きておりません。せいぜい9千9百年ほどですよ!」

「9千9百年!? すっご――――い!」

アナが驚いている。



「ところで、おばあちゃんは何歳なの?」

「それは... ごにょごにょ...」


なんと、白龍王妃は孫の問いに口を濁してはっきり言わない。


「アシュマナーダはな、200歳になっておらん...」

「あなた―――っ!ブレイズボール(火炎球)で丸焼きになりたいの―――ォ?」


年齢をバラされて怒りを露わにする白龍王妃。

女性はいくつになっても、種族が違っても、男に年齢を知られることをいやがるのだ。


「おまえ... 丸焼きって、ここでそんなことをしたら、レオ殿の宮殿が焼けてしまうぞ?

そんなことになったら、我々は二度とここに招待されんし、寿司も食えんぞ?」

「も――――う...!」

「なにを怒っておるのじゃ。200歳にならないほど若い、と言おうとしたのに?」

「あら、そうなの?」

「それに、おまえはすでに、メデューサの盾を私に送って石にしたので気がすんだのではないか?」

「あら、プラキルスタ、石になりましたの? それにしては、まだピンピンしているようですけど...」

「あれくらいのモノで石になどなっておったら、白龍王などやっておられんわい!」

「それもそうですわね? お―ほっほっほ!」

「それはそうと、レオ殿、私のかわいい来孫(らいそん)は、ここに来ないのかね?」

「あ、モモは、今、獣人族国軍と人族連合軍との共同作戦で忙しいので、参加できませんと白龍王おじいちゃんに伝えといて、って言っていました」

「そうか。モモッタもけっこう忙しいのじゃな...」



「それにしても、おばあちゃんは、なぜ私の結婚式にも来なかったのに、突然、魔大陸に来たのよ?」

アナがしつこく聞く。

「それはな、キュリアナ...」



 いつものように、少女の体にもどったシーノとエマを両膝の上に乗せた白龍王が語りはじめたところによると、白龍王妃は旅行が好きであちこち旅行して回っていたらしい。それも、白龍王さえ連絡もつかないようなところまで…


 そして、ある日、急にアヌッタラ宮にもどって来て、アナがもう結婚していること、そして精霊界に武者修行に行って、ボロボロになって帰って来たことを聞くと、夫である白龍王に行き先も告げずに(いつものことなのだが)フッと消えてしまったそうだ。


「私がどこへ行ったかというと、精霊界に行って、私の大事な孫娘キュリアナを“かわいがってくれた”精霊どもにお礼をしに行ったのよ!」

アシュマナーダが、大きな胸を張って誇らしげに言う。


「白龍妃さまは、三ヶ月ほどで、キュリアナさまにケガを負わせた精霊どもを根絶やしにされたのですよ」


寿司がないので、生姜の甘酢漬けを器用にお箸でつまんで、恋人の海龍女帝ニーニローリアに食べさせているアーナンダがニコニコ笑いながら言う。


 大好きなお寿司を食べれないニーニ‐とアーナンダや白龍王は呼んでいる‐は、すこし不満げだが、ひとり占めして食べているのが白龍妃なので不満を口には出さない。


 白龍妃に敬意を表しているのだ。



「どうもー!お待たせしやしたー!」

「どうもー!毎度、お贔屓ありがとうございます!」

「お待たせしましたー!」

「毎度ー!」

「毎度!」


元気よく声を出して入って来たのは、テツさんと数人の寿司店の職人さんや助手たち。

寿司の材料の入った桶をいくつかもっている者もいる。


「おっ!ようやく来たか!テツちゃん、シンちゃん、ケンちゃん。

早くこちらに入って握ってくんねえ。お客さんが先ほどから待ちくたびれているんだ!」

「へい!」

「わかりやした!」

「親方、まかしてくだせえ!」


職人たちはキリキリとハチマキをしめて、手をていねいに洗って拭くと、早速、握りはじめた。


「はいよ、大トロです!」

「はい、中トロです!... こちらアワビです!... これはホタテです!」

「はいよ、アカガイです!」

「はい、アナゴです... はい、アマエビです!」

「は、お待たせ、イカです。 はい、イクラです。はい、こちらウニです!」



三人の寿司職人が加わって、ようやく白龍王もズミレンママもアズリンパパも寿司を食べることができるようになった。


「中トロって、おいしいわね!」

「アワビもおいしいわ!」

イザベルとランも満足そうに食べている。


「アーナンダぁ、私にアカガイを食べさせてェ...」

「ほいほい。ほらアーンして...」

ニーニも思いっきり甘えて食べさせてもらっている。


「ところで、これだけ職人さんが来たら、お店の方は...?」レオが聞くと、

「なあに、今日は客の入りが少ないんで『臨時休店』の張り紙出して、みんなでこちらに来たんですよ!」

寿司を握る手を休めずに、テツさんが快活に答える。


「レオ、私にもアーンで食べさせてェ!」

アーナンダがニーニさんに食べさせているのを見て、イザベルが同じようにして食べさせてくれ、とねだる。

「イ、イザベル... アーンで食べさせてって...」

「あら、いいじゃない? 私はあなたの命令で魔大陸に行って、首を切り落とされるか、石にされるところだっただか、これくらいしてくれてもいいんじゃない?」

「し、しかたないな...」


「レオ、じゃあ、私にも!私にも!私は実際に首を切り落されたんだから、もっと権利があるわ!」

「ランさん、それを言うなら、先に首を切り落とされたわたしの方が優先権がありますぅ!」

ランとアナが巣の中の鳥の雛のように口を開けてレオのところに来た。


「あーん、わたしも、わたしも!」

ミユもスツールから降りて小走りでレオのところに来る。


「あ、じゃあ、私も食べさせていただくわ!」

「ナニ?オリヴィアまでそうするのなら、わたしもせねばならん!」

オリヴィアとベンケイも競うようにレオのところに行く。


「わかった、わかった!はい、じゃあ、順番にならんで!順番にならんで!」

「はーい!」

「わーい!」

「ピヨピヨ♪」

「あ、わたしもピヨピヨ♪」

「ピヨピヨって恥ずかしいけど、かわいいから、私もピヨピヨ♪」

「オ、オリヴィアがするのなら、わたしもぴよぴよだー!」


一斉にかわいい‐イザベルやランは肉感的な‐口を開けて寿司をねだる美女たち。



「あらら... みなさん、かわいい小鳥さんみたいですね?」

アイミが少し目を見開いて驚いた顔で言う。


「アイミさんも、ああやってレオさまに食べさせてもらいたいんでしょう?」

アウロラがずけずけと言う。


「な、なにを言っているの、ロラちゃん。私はもう三人の母親なのですよ?」


「じゃあ、わたしはベンケイさんの後にならんで食べさせてもらいます。ピヨピヨ♪」


「えーっ、ロラちゃんまでピヨピヨ?じゃ、じゃあ... 私も!」


「ダメ、アイミさんはわたしの後!」


「私は子持ちなのよ?」


「そんなこと、ここではカンケイありません!」


「ロラちゃん、ヒド――イ!」


それを見ていた白龍王たちが笑い転げた。


「ワーッハッハッハ!」

「おーほっほっほ!」

「キャハハハハー!」

「ひゃーっはっはっは!」

「ハッハッハッハ!」



「それにしても、このレオって人族の若者、不思議な人ね...なんの取り柄もないフツーの人族みたいだけど、キュリアナがぞっこんになり、これだけの美女に愛されるなんて...」

「ふふふ。今頃気づいたかアシュマナーダよ? 

見なさい、この守護天使を。この子が命をかけて守るレオという若者は、たぶん、創造主さまがお遣わしになられた救世主ではないかと私は思っておる...」

最後の方は、ほかの者に聞こえないように声を低くして白龍妃に言った。


「救世主?!」

「そうだ。だから、“救世主は、このミィテラの世界の安泰を末永くたもつために、子孫をたくさん残さなければならない”。そして、我ら白龍族も、その救世主に妻‐我らの孫娘キュリアナを捧げることで、その栄えある偉業に貢献しているのだ!」

「おお... プラキルスタ。キュリアナは、そんなスゴイ人の妻になったのですか...?」


 レオが聞いたら、腹をかかえて笑い出すか、恥ずかしくて穴に入ってしまうような白龍王夫妻の会話だった。


 レオは、ただ、DK(ドラゴンキラー)の世界を楽しんでいるだけなのだ。

 美女が彼に惹かれるのは、エタナールさまの“サービス”の一環だと思っているし、それで間違ってないのだ。


レオの愛する小鳥たちは、レオからたっぷりと寿司を食べさせてもらって、すっかり満足していた。



「ねぇ... レオ...」


 少しお酒を飲んだらしいイザベルが、赤い顔をしてやって来て、遠慮なくレオの膝の上に座った。

イザベルは、魔大陸から帰ったあとで白いレースのワンピースに着替えていた。


 ジーマラ・ゴカラ演習場の戦いで負傷した右足は、すでにアイミの治癒魔法で治っている、

エマの傷もアレクやミルラたちの傷もアイミが治癒している。


ずっしりとした柔らかいイザベルのオシリの感触に、レオの何かが目を覚ました。

当然、イザベルもそれを感じており、なぜかオシリをずらしたりしている?


「な、なんだ、イザベル? 急にやわらかいオシリで膝の上に乗ったりしたら...」

「ふふふ。何かが興奮しちゃう?」

「ち、違うよ、ほかの妻たちが見ているじゃないか?!」


たしかに、ラン、アイミ、ミユ、アナ、ベンケイ、オリヴィア、

それに恋人のアウロラたちが、ジト~っとした目で二人を見ている。



「私、魔大陸で死ぬかと思っちゃったわ...」

「そ、そうだな。危なかったな...」

「死に物狂いで戦って... 無事に帰って来たら、すごくお腹が空いていて...」

「よく寿司を食べたね...」

「死にそうな目に遭って、空腹を満たしたら... 人間の本能は次に何を求めると思う?」

「な、なんだ、今日はいやに哲学的なことを言っているな... 空腹を満たしたら、あとは寝るだけだろう?」

(スケさん、お願いね!)

(了解しました、イザベルさん!)



 次の瞬間、レオとイザベルは『タゥルン湖畔』にいた。


 空には6月下旬の太陽が赫々とほぼ真上で輝いているが、カチドキニア国の『タゥルン湖畔』は赤道からかなり離れているため、それほど熱くない。


 ときおり、水面を吹き抜けて来る風が心地よく頬をなでる。

太陽がほぼ真上にあるために、透明度の高い水の湖底にくっきりと古代の石造りの建物や女神像らしいものが沈んでいるのが見える。


「こ、ここは『タゥルン湖畔』じゃないか?」

「そうよ!私がスケさんにお願いして瞬間転移で連れて来てもらったの」


“スケさん、裏切ったな!”とも言えない。

スケさんは好意でレオのデートのお手伝いをしていただけで、レオの部下でもなければ、専属契約をしているわけでもないからだ。


「で... レオ、私のした質問の答え、わかった?」


風でひたいにかかった美しい赤髪を手で後ろになでつけながら、青い目でレオの顔を覗きこむようにして聞くイザベル。




 イザベルは、レオが初めて異性を感じた女の子だ。


 初恋の女の子でもある。


 イザベルは乙女(男を知らなかった)だった。


まあ、テラの世界の良家のお嬢さんたちは、レオの前世の世界の娘たちのように性に関して解放的ではないし、性に対する観念も中世風なところが多々あるので、結婚するまで純潔を守るというのはフツーなのだが。



「いや... お腹いっぱいになったら、オレは寝るんだけど...」

「レオったら、食い意地が張っているのね。死にそうな目にあった者は、九死に一生を得たら、子孫を残すための子作りに励むという本能が出るのよ!」

「そうか。じゃあ、子作りをしよう!」

「えっ、“子作りをしよう!”って... 別に今じゃなくても... ここじゃなくても いいのよ?」


急に顔を赤くして 言い訳っぽいことを言う赤髪の美女。


「ムギュっ!」


レオは問答無用でイザベルにチューをする。

いつもはレオが主導権をとって女の子とデートをするのだが、

今日はイザベルが主導権をとって、彼女から誘ってくれたのだ。


しかし、これからはオレがリードする!

そう決めたレオはいつも通りに積極的な行動に出る。

レースのワンピースの上からイザベルのバストはEカップにふれる。


レオは片手を後ろに回して、イザベルのワンピースのファスナーを下し、

ワンピースを腰まで下ろす。ついでブラのホックを外す。もうなれたものだ。


(もう... レオったら、いつもせっかちね!)


念話で話してくるイザベルだが、彼女ももう興奮しているのがわかる。

ふちにレースのついた白い半カップブラを外すと、“たゆん”といった感じでブレストが現れる。


 ............ 

 ............ 


「あ... だ め ... 」


「あん... もっとして!」


ダメだと言ったかと思うと、もっとしろと言う。

女と言うものはわからない種族だ。


イザベルのワンピースを下ろし、すべてを脱がすと― 


そこには、まぶしいほど白く輝く身体があった。


イザベルは、恥ずかし気に立って陽に美しく照らされる裸身を見せていた。


 赤い髪


 豊かな双丘


 細いウエスト


 やわらかそうな腹


 白く長い足…



「愛しているよ、オレの初恋の女の子!」


レオはイザベルにふたたび口づけをする。


「私も... レオが好き。愛しているわ...」


レオはイザベルをお姫様抱っこすると

湖畔からすぐのところにある、草ぶきの壁のない小屋に連れて行く。


小屋の地面には、柔らかそうな枯草が敷き詰められていた。


 ............ 

 ............ 

 ............



レオはイザベルを愛しながら


フィッシュベイの村で、初めてイザベルを見たときのことを思い出していた― 





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