11-08 サーリ
レオとアイミが跳んだのはアズマ山麓の秘湯だった。
もちろん、スケさんの瞬間転移で来たのだが、アーナンダの想像を絶する能力で見事に復元され、元通りの美しい秘湯が湯煙を上げていた。
夕暮れのせまったアズマ山麓の空には赤トンボが飛び交っている。
滝からは轟々と水煙をあげて水が落ち、清流が滔々と流れ、透き通った水の中にには魚が泳いでいるのが見える。
アズマ山麓から吹いてくる風は緑濃い森の葉を揺らし、すでに夜にそなえて木々の枝に止まっている小鳥たちをざわめつかせている。
そして森の近くには、あの古民家が何も変わらなかったように落ち着いたたたずまいを見せていた。
カア カア カア…
カラスが数羽、森の上を飛び去って行った。
それを目で追いながら、アイミが懐かしそうにあたりを見ながら言う。
「アーナンダさんのおかげで、このアズマ山麓の美しい景色も、この思い出の深い温泉も古民家も、元通りになりましたね...」
「ここは、オレがアイミちゃんのプロポーズを受け入れたあとで、アイミちゃんと初めて結ばれた記念すべきところだからね。オレにとっても思い出が深い場所なんだよ...」
「うふふ... モモさんやイザベルさんなど、たくさんの恋人や女性を連れて来た場所なのに、私との時のことも覚えておられるんですか?... ムギュゥゥウ!」
最後まで言わせずに、レオは子どもを三人産んでもまだ細いアイミのウエストを引き寄せると、唇をやわらかいピンクの唇に重ねた。
アイミは目をつぶって口づけを受けながら、念話でレオに気持ちを伝える。
(あの時とまったく同じです、レオさま...)
(変わったのは、アイミちゃんがオレの奥さんになり、三人の子どもを産んでくれ、そして、こんな立派な式服を着るようになったということだね)
そう言いながら、レオは濃紫色のトゥニカの上からアイミのブレストをしきりにさわっている。
レオはいつもになく燃えていた。興奮していた。
それは、アイミがエルフの新女王となったことにあった。
いわば“巫女さんコスプレ”のリアル・バージョンなのだ。
レオは決してコスプレマニアではないが、新エルフ女王となり、濃紫色のトゥニカを着たアイミとデートをしているのだ。そのことが彼をエキサイトしていた。
(エルフ女王になっても、超絶魔術師になっても、アイミはいつもオレの“永遠の恋人”だよ、オレの“永遠に愛する人”だよ!)
レオの手はアイミのトゥニカをたくし上げた。
そしてアイミのオシリをなではじめた。
(うれしいです、レオさま。私も常にレオさまの“一番の恋人”でありつづけます。
そして“永遠のかわいい恋人”でありつづけます!...
でも... お願いですからトゥニカをしわくちゃにしたり、汚したりしないでください...)
(なんだ... トゥニカをビリビリっと破って裸にしてやろうと思ったのに!)
(ええええ―――――っ!?)
(ふふふ。冗談だよ!)
肩の止め具を外し、紐をほどくと濃紫色のトゥニカの下はストンと落ちた。
トゥニカの下は、かなりセクシーな感じのレースがついたハーフカップブラジャーと同じレースがついた小さ目のショーツだった。
「アイミ新女王さま... これは驚きました。威厳ある女王さまのトゥニカの下には、このようなセクシーな下着をつけていらっしゃったとは...!」
「もう... レオさま、からかうのはよしてください!
こ、これは、たぶん今日あたりレオさまとのデートがありそうな予感が... ムギュッ!」
あまりにかわい過ぎるアイミに、強く抱きしめチューをし、素早く下着を脱がしてしまった。
そこにはヴィーナスのような白く輝く体があった。
白い髪
ふくよかな双丘
細いウエスト
やわらかそうな腹
なだらかな下腹部...
「レオさま!レオさま!レオさま!...」
レオに愛されながら、レオの名前を連呼するエルフ女王。
“エルフ女王である妻・アイミとデートをしている...”
レオは奇妙な満足感を感じながらアイミを愛していた。
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アズマ山麓の秘湯は夕暮れて行った。
* * *
サーリは、サヤカに案内されて迎賓館の部屋にはいってた。
部屋は一人用でそれほど大きくはないが、暖炉があり50型のマソテレビもあり、一人で寝るには大きすぎるくらいのベッドがあり、バス・トイレもある。
床には高級そうな絨毯が敷かれており、窓からは夕暮れのマハナヤ山脈の山々が見える。
化粧台にはきれいな花が活けられた花瓶が置かれており、部屋に備え付けの備品なども高級品で、VIP用の部屋であることがわかる。
サーリはバスで湯を浴びたあと、先ほどかわいいネコ族のメイドが
「これはサヤカさまからです。ご自由にお使いください」
と言って置いていったカラフルな紙袋を開けて見た。
紙袋の中には『ユウラブ』ブランドのかわいいワンピースやTシャツ、ショートパンツなどといっしょに、きれいな包装紙に包まれた下着がはいっていた。
サーリは下着を着ると上からバスガウンをはおり、椅子に座って窓から暮れ行く勇者王国の景色をボーっと見ていた。
ネコ族のメイドは、サーリが好きな『アイペッツァ』の熱々ペッツァとユウコーラも持って来てくれた。
「夕食は、たぶん、ライトパレスでとられることになると思いますので、それまでこれを食べられてごゆっくりなさってください。夕食前にはお呼びにまいります」
そう言ってネコ族メイドは言って、ニッコリ笑ってもどって行った。
ネコ族のメイドを見るのは初めてだったが、しっかりと教育されているらしく、礼儀正しく、微笑みを絶やさないメイドだった。
勇者王国には、獣人族からかなりの兵士たちが勇者王国軍に入隊したと聞いているから、その兵士たちの家族もメイドなどの仕事をしているのだろう。
サーリが『オリヴィーユ』と『ユウラブ』のモデル募集に応募したのは、友人のせいだった。
その仲のいい友人はモデルに応募したかったが、自分一人で応募するのは心細かったのか、サーリにだまってサーリと自分のマソキ写真を応募書類といっしょに送って応募したのだ。
その友人はサーリとともに書類選考には合格したが、残念ながら第一次面接で落ちてしまった。
サーリはモデルになることなど、まったく考えてなかった。
長姉のユーリは興国の士官学校を出て興国軍の参謀になっていたが、イーストランジア戦役のとき、“若くて将来性のある者を参謀として育てたい”という同盟国軍司令部の要請で、モモ参謀の下で働くようになっていた。
そのときの縁で人族連合軍のオダ・ノブハシ総司令官の息子 オダ・ジローと知り合い、しばらくつきあってから婚約者となった。
もう二人の姉のうち、次女のヤーナはすでにナンバ市でヤマト人の青年実業家と結婚しており、三女のラーミはナンバの大学に通っている。
サーリの家、サカル家は、興族によって滅ぼされるされる前は、現在の興国の北東部一帯を治めていたキタン王朝の王族だったという由緒ある家柄だった。
なので家は結構裕福で、サーリも別に仕事をする必要はないのだが、イーストランジア戦役のときに、休暇を過ごすために家に帰って来ていたユーリが、レオたち勇者グループのことを色々と話すのを聞いていた。
レオというリーダーがいて、彼はとても勇気があって、仲間思いで、なぜか美女にモテるらしく、彼はいつも美女たちに取り囲まれていると聞いて、サーリはかなり興味をもったのをおぼえている。
イーストランジアでの戦いがレオたちの大活躍により大勝利で終わったあとで、彼らは勇者王国を創立し、レオ王は8人とも10人ともいわれる美女たちと同時に結婚したと聞いて、さらに興味をもった。
“そんなにたくさんの美女に好かれるレオ王っていう人、どんな人だろう?...”
そして、自分とはまったく縁のない人だと思っていたレオ王に、モデル候補者の最終面接に残ったサーリは会うことになったのだ。
最終面接に残ったのは20人だった。
いずれも美人ばかりで、サーリは“とてもじゃないけど、わたしが受かる可能性はないわ...”
と思ったほどだった。
最終候補のうち一人が、なぜか今回のモデル選考情報にやけに詳しくて、応募者数はなんと20万人以上に達し、地方別に行われた一次面接で2千人が残り、ナンバ市で行われた二次面接には2百人が残り、勇者王国で行われた最終面接には20人残ったのだと話してくれた。
幸運の女神が微笑んだのか、最終面接に残ることになったサーリ。
面接室にノックをしてはいると、それほど広くない部屋には三人の面接官が座っていて、前にひとつのイスが置いてあった。
三人の若い女性と一人の男性。
女性のうち一人は黒く長い髪に紫の瞳をした美女だった。
サーリもマソテレビで見たことがある、高級ファッションブランド『オリヴィーユ』のトップモデルの女性だ。
近くで見ると、マソテレビで見るよりもはるかに美しい女性だということがわかった。
残りの二人の女性はどちらも興人かヤマト人らしく、髪も目も黒かった。
そのうち一人はかなり目立つ美人だが、もう一人の少し背が低い方はとりたてて美人というほどではなかったが、品の良さと教養をうかがわせる物腰だった。
若い男性は茶色っぽい髪をして、黒い目をしていた。
“この男性も興人かヤマト人かしら?”とサーリは思った。
サーリが部屋に入った時、その男性はさーっと頭の先から足までサーラを見た。
完全に“男が女を見る目”で。
サーリは姉たち同様、美人だった。
小さいころから、男たちからそんな目で見られるのになれていたので、
“またか...” と思ったが、面接官の紹介を黒い髪の美人面接官がしたのを聞いておどろいた。
「サーリさん、私は耀春玲、こちらはオリヴィアさんとサヤカさん。
そしてこの方はレオン・オーコットさま。勇者王国の王であり、ユウシャコの社長です」
「えっ、レオン王さま?!」
「うん?どこかでお会いしたことがありましたか?」
サーリの反応に、レオは白い歯を見せて笑った。
「いえ、はじめてお会いします。よくお噂をうかがっていますので」
「そう。ちょっと有名になりすぎちゃったかな...」
そう言って、レオはサーリの目を見てまた笑った。
サーリは、レオから見られて、なぜか胸がズキン!とした。
動悸が速くなり、心がざわざわするのを感じた。
その時、サーリは知らなかったが、あとで春玲もオリヴィアもサヤカもレオの妻で、オリヴィアとサヤカは王妃だということを知った。
紫の瞳の美女がサーリがユーリの妹だと言ったことが効果があったのか、レオン王はいっときサーリを見たあとで告げた。
「オレはサーリちゃんを採用したらいいと思うよ」と。
万が一にも選ばれることはないだろう...
と思っていただけに、サーリはおどろいたが、どういうわけか急に感動が突き上げてきて、思わず立ち上がってレオン王に抱きついて泣いてしまった。
レオン王も立ち上がってサーリを受け止め、抱いてくれた。
そしてレオン王は、面接室で合格と聞いた時、感動のあまりレオ王に抱きついてしまったサーリのオシリをなぜか堂々とさわったのだ?
“なぜ、レオン王はわたしのオシリをあんなにさわったのかしら?”
レオン王が女性にモテるというのは、あんな風に手が早いから?
よくわからなかったが、サーリはレオン王にオシリをさわられても、別にキモイとは感じてなかった。
どういうわけか、心地よささえ感じていたのだ。
“あのとき、もし、あの女性が部屋に入って来ず、ほかの三人の面接官がいなかったら、レオン王はいったい何をしたのかしら?...”
.........
勇者王国の夕焼けは美しかった。窓から見える街並みにはすでに街灯が灯っていた。
“もし、レオン王がわたしの恋人だったら... たぶん、あのあとはキスになり、それから愛し合うことになったのかしら...
そんなロマンチックなことを考えていると、なぜか人の気配を感じてドアの方をふり返ってみた。
そこにはレオン王がいた!
「レオン王さま?!」
サーリは心臓が止まるほどおどろいた。
たった今まで、レオン王のことを考えていたのだ。
“わたし、ドアのロックをしわすれたのかしら...?”
「やあ。突然来て、おどろかしちゃった?」
レオン王は、また白い歯を見せて明るい声で言った。
ズキン!
また、心臓に痛みを感じた。
レオン王の話あっている顔を見ると、またざわざわざわと胸が騒いだ。
「い、いえ、ドアのロックをし忘れたわたしが悪いんです!」
あがってしまったサーリは、少々トンチンカンなことを話す。
「どう? 勇者王国の景色はきれいだろ?」
レオ王は近づくと、窓からサーリが見ていた景色を見てから聞いた。
「は、はい。マハナヤ山脈が赤く染まるのを初めて見ました!」
「どう、夕焼けじゃないけど、きれいな月が見られる浜辺があるんだけど、行って見ない?」
「えっ?きれいな月が見られる浜辺? 勇者王国には、海があったんですか?」
「いや、この国は内陸だから海はないよ。海があるところに行くんだよ!」
「これから?」
「そう。今から!」
「で、でも、夕食会があるってサヤカさんがおっしゃって...」
「その前に余裕をもって帰って来れるさ!」
レオはすでにシーノにサーリとの時間を遅延するようにたのんでいた。
「それで... その浜辺に行って、月を見るほかになにかするんですか?」
サーリは、“まさか、月の浜辺で最新ファッションの水着とかビーチウエアなどを着て、マソキ写真機でモデルの写真を撮るのでは...” と思って聞いたのだった。
「いやあ... あはは。サーリちゃんを美しい月の下で、たっぷりと若いサーリちゃんを堪能したいな、と思ってさ!」
「えっ?...」
“わたしを堪能したい...?”
最初、意味がわからなかったサーリ。
くったくのないレオン王の笑顔を見て考えていると、ふと意味がわかった。
「あの... それは... わたしと... あれをしたいと言うことでしょうか?」
「そうそう。理解が早いねよ!」
サーリは自分の耳を疑った。
“この人は勇者王国の王... 王妃も恋人もたくさんいる...
それなのに...
今日、はじめて会ったばかりのわたしとあのコトをしたいと言っている...
厚顔無恥?
図々しいってこと?
いったい、なにを考えているの?
モデル募集って、レオン王の新しい愛人を探すための口実だったの?”
「うーん... オレはさ、どのモデルとでもそんなことをするような、だらしない王様じゃないよ?
そう思っているのかも知れないけど、もし、そう考えているのなら、それは間違っている」
「で、でも、わたしとレオン王は、恋人同士でもありませんし...」
「だけど、君もオレを見たときに心がドキッてしただろう?」
「!... (どうして、そのことを知っているの?)」
(そして、オレにオシリをなでられた時、気持ちよかっただろう?)
レオの声はサーリの頭の中に響いていた。
「ええっ?!」
(それは、すでに君がオレを受け入れているという証拠だよ!)
「で、でも、私は... フギュッ!」
言い終わる前に、サーリはあっという間に抱きしめられて唇を思いっきり吸われていた。
あまりの速さに抵抗するヒマもなかった。
レオは片腕でサーリを抱きながら、もう片手はバスガウンの裾をまくり上げて、パンティの上からプリプリしたサーリのオシリをなでている!
「フガフガフガ...(レオン王さま?)...」
レオはサーリの黒い髪をなでながら、頬から首筋にかけてチューをしている。
サーリはすでに抵抗をあきらめた。
サーリは夢中になった。
親の躾けが厳しかったこともあり、遊び半分でも男とつきあったこともなければ、キス一つしたこともなかった。恋を知らなければ、男も知らない。
ましてや、男にオシリをさわられたのも初めてだった。
それが今は、レオ王の手はパンティの上からオシリをもんでいたのが、すでにパンティの中にはいっていた!?
サーリは恥ずかしくてたまらなかったが、抱かれてみたいと心のどこかで思ったレオ王に抱かれて幸せを感じている自分がいることにおどろいていた。
ときめきと未知の世界にはいるという感覚で、
心臓はドキドキと音が聴こえるほど鳴り続けている。
ゾクゾク…
とした感じに、ブルっとふるえるサーリ。
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............
............
「ふぅぅん......」
すべてが終わり
生まれて初めて感じためくるめくような体験のあとで、
VIPルームのベッドの上で、少しクタっとしてレオにもたれかかるサーリ…
レオはサーリにやさしく口づけをしながら、黒い髪をなでている。
サーリは、未だかって感じたことのない幸福感に浸っていた。
「好きです... レオン王さま 愛しています...」
髪をやさしくなでられながら、
少し前までは考えたこともない言葉が自分の口から出ていた。
「オレもサーリが好きだ。愛しているよ!」
チュッ!
そう答えながらレオはサーリに口づけをする。
「オレの新しい恋人になってくれるかい?」
「はい。レオン王さまの新しい恋人にしてください!」
勇者王国のハーレムに、また一人恋人がふえた。
レオのハーレムに、また一人美女が増えました。




