86 洞窟
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俺が戦闘モードに突入すると同時にヌボローネの表示が消えた。
マークのある所に飛んでいくとその途中オークの死骸が転々と転がっておりマークにちかづくにつれ白い鎧を着た騎士の死体や馬の死骸などが増えてきた。俺は飛びながら急ぎ遺体を回収しながら、しばらく進むと山の中腹に洞窟が見えてきた。多分洞窟の中に捕らえられているんだろなと思いながらさらに近づくと洞窟の入り口の前に見張りのオークが立っていた。
俺は地上に降り立ち、見張りの近くに近づいた。戦闘モード中なので俺から見るとオークは止まっている状況だ。俺は【アイテムボックス】からアイシャ様から貰った短剣を取り出し見張りのオークの首を切った。しかし切ったはずの首はそのままだった。短剣も折れていない、確かめるためオークの頭をトンと押して見るとオークの頭は洞窟の壁に向かってゆっくりとしたスピードで飛んで行き壁にぶつかり豆腐の様に潰れた。これはあれだな、通常の時間の流れだととんでもなく凄いスピードで飛んでいったんだろうなと考えてながら俺は洞窟の中に入った。
洞窟の中はオーク達の明り取りの為の松明がたかれ意外と明るかった。そんな事を考えていると久しぶりに《【夜目】のスキルを取得しました》と表示されると辺りが昼間の様に明るくなった。多分十六夜さんが気を使ってくれたな。
洞窟内はアリの巣の迷路みたいになっていた。俺は【マップ】を使って最短で捕まっている女性の所に向かい、鉢合わせしたオークを切っていった。暫く進むと女性が捕まっている部屋の前に着いた。そして、その部屋に入ると一人の白い鎧を着た女性が首から大量の血を流して亡くなって居るのが見えた。手にはとても小さなナイフが握られており多分それで頸動脈を切り自害したのであろう。それからその近くに普通のオーク10匹とひときわ大きなオークキングがいた。そして今まさにそのオークキングはもう一人の白い鎧を着た女性と繋がっていた。俺は女性が怪我をしないように奴を引き剥がし首をはねて倒し、それから周囲のオークも同様に倒した。
そして周辺の安全が確保できたのを確認し、戦闘モードを解除した。そして俺は【アイテムボックス】から毛布を取り出して女性の所に近づく。女性の意識は無かったので出した毛布を下に敷きその女性を毛布の上に寝かせて【クリーン】と【ヒール】をかけてから、上からもう一枚毛布を掛けた。それから目を覚ました時に周りにオークの死骸が有ると可愛そうなので死骸は回収しておいた。それから次に、亡くなった女性の元に行き、毛布を敷きその上に寝かせ【クリーン】をかけてから毛布を掛けておいた。
俺は、この部屋は大丈夫だなと思い隣の部屋の女性の所に向かった。
部屋に入ると金髪ドリルの気の強そうな女騎士が縛られ座っていた。女性騎士は入ってきた俺を見ると安心したのかニコッと微笑んでくれた。しかし彼女は笑顔のまま両の目から大粒の涙流し始めた。俺は安心して気が抜けたのだなと思っていると、彼女の口からゴボゴボと大量の血液が溢れ出して来た。そう彼女は舌を噛み切り自害しようとしていたのだ。
俺は凄く焦った。だから、たかだか数メートルの距離を移動するのにも戦闘モードに入り近づき大慌てで【ヒール】を掛けてからナイフで拘束していた縄を切り戦闘モードを解除した。
彼女から見ると少し先にいた人が消えたと思うと突然すぐとなりに隣に居たのだ。驚いて当然、彼女はビクッとして俺の方を見た。しかし次の瞬間、自分の口の中が治って居ることに気づき舌を口からベーっとだして、舌を指で触りながら必死で見ていた。
俺はきれいな顔がより目をしながら舌を出している光景に今の状況、笑ってはいけないのだけど思わず笑みをこぼした。
「大丈夫?痛い所はない?」
その言葉に、彼女は俺がいることを思い出し顔を真っ赤にして
「オホン、大丈夫です。救けていただきありがとう御座います。私はノエルと申します。」
ノエルは立ち上がり頭を下げ丁寧にお礼を言ってきた。
「いえ、お気になさらず。私は弘隆です。」
思わずこっちも丁寧に返してしまった。
「それで、先ほどのはなんですか?一瞬で私の前に来て、なおかつ噛み切ったはずの舌まで再生されている。そしていつの間にやら縄まで切れている。貴方は一体何者なんですか。見た所、冒険者のようでもないみたいですし。」
俺はなんと答えようとちょっと考えていると
「そうでした、それより、私と一緒に捕まった同僚はどうなりました?」
勢いよく聞いてきた。
「隣りにいます。一人は自害し、一人はオークキングに、」
「そうでしたか、それでオークキングは?」
「私が倒しました。」
ノエルは驚き
「私がって、お一人で?」
「そうですね。一人ですね。」
「救けてもらって疑うのは失礼なんですけど」
俺はさっき倒したオークキングを【アイテムボックス】から取り出した。
「キャッ、」
ノエルは小さく叫び顔を手で隠した。ちょっと刺激ががきつかったと思ったんだがよく見たらオークキングのナニが全開で見えていたのだった。ある意味刺激が強いのには違いないなと思いながら、直ぐに回収した。
「もう片付けましたよ、ノエルさん」
するとノエルは気を引き締める感じでキリッっとした顔をしたのだが耳まで真っ赤だった。
「わ、分かりました。ありがとうございます。それでは隣に参りましょう。」
俺とノエルは隣の部屋に行くとノエルは寝かせてある同僚の所に行きしゃがみこんで顔を覗きこんだ。
「ヌボローネ、痛かったでしょね。ごめんなさい。」
ノエルは目を閉じ奥歯を噛み締めながら小声でつぶやいた。
それからもう一人の所に行きしゃがみ込、顔を覗き込んだ。
「ネティーニュス、貴方、捕まった時は自害ですよ、って自分で私達に言っていたのにどうして、」
何かに気づいたのか彼女はネティーニュスの鎧の胸の所に手を入れて何かを取り出した。
「自害用のナイフは有る。なのにどうして、」
俺はその理由が何となく分かり、思わず口に出してしまった。
「多分、時間稼ぎですよ。」
ノエルはどういう意味?という感じで俺の方を向いた。
「彼女は貴方が大切だったのでしょう。自害が頭をよぎった時、自分が死んだら、貴方の番になってしまう、と気づき、自分が我慢さえすればたとえ5分でも10分でも時間が稼げる。そうすれば貴方に救けが来るかもしれない。たとえそれが僅かな時間で有ったとしても。そう思ったにちがいないでしょう。その御蔭でこうして間に合いました。」
その言葉を聞いた彼女は大粒の涙を流しながらネティーニュスに抱きついた。
しばらくして落ち着いたのかノエルは俺のところに戻ってきて
「二人への手厚い対応ありがとうございます。ヒロタカ殿、助けて頂いたお礼もまだのなか不躾ではありますが、お願いを聞いて貰えませんでしょうか。」
ノエルは畏まって頼んできた。
「はい、無理なことでなければ」
「ありがとうございます。お願いというのはこの子達を町まで連れて行くお手伝いをお願いできませんでしょうか。」
助けに来たんだから連れて帰るのは当たり前だと思っていた俺は、思わず眉を潜めたみたいで、それを見たノエルは何を勘違いしたのか頭を下げ謝ってきた。
「すみません。お礼はちゃんとさせて頂きます。ですから」
「ノエルさん、落ち着いて、ちゃんと連れて帰りますから安心して下さい。そのため救けに来たのですから。」
ノエルはそれを聞いてホッとした顔で
「それでは、急かせて申し訳ありませんが私がヌボローネを運びますのでヒロタカ殿はネティーニュスをお願いします。」
ノエルがヌボローネを運ぼうとしているなか
「じゃ、行きますね。」
と、言って【転移】を使って洞窟の外に出た。




