83 夜の露天風呂
俺は、やっと食堂を片付けて部屋に戻ると美恵は寝たままだった。俺は取り合えず寝ようかと思ったがまずは風呂だと思い一階の露天風呂に向かった。前回の失敗を繰り返さないように一旦脱衣所の前に出てからそっと戸を開けて覗き、誰も居ないことを確認してから中に入った。
脱衣所は6畳位の広さが有りそこには棚があり着替えを入れるカゴが有った。要するに温泉などでの脱衣所っぽく創って見たのだった。棚の一角にバスタオルとフェイスタオルを何時でも使えるようにいっぱい置いておいた。
俺は服を脱ぎフェイスタオルを取り浴室の中に入った。
外に出ると、綺麗な星空だった。俺は体を洗ってから湯船に浸かった。
俺は湯船に浸かり明日のことを考えていた。
「異世界か、こっち来てバタバタ続きで退屈しないな。明日はちょっとは落ち着くかな。明日は美恵の店でもするかな、店建てて、従業員探して、売るもの考えて、どうせメイドイン地球の商品だろうな。仕入れるのは俺だな。在庫管理とか俺やらさるのかな。美恵の事だから何売るかな。俺も少し商品置こうかな。ヒール板とか、アイテムポーチとか異世界らしく武器とかも良いかな、防具かな、でもワグネルさんところと被ると悪いしな。」
そんな事を考えて湯船に浸かっていると後ろの戸が開いた。
「こ、こんばんは、ヒロタカさん。」
振り返るとそこにはウルメラが居た。
ウルメラは少し照れた顔をしてこっちを見ていた。もちろんお風呂だ、服は来ていなかった。その整った体を申し訳程度のフェイスタオルで隠したその姿は照明の魔法具の弱い光に照らされとても美しかった。
俺は思わず見とれていたが、不味いと思い顔を前に向け、出来るだけ冷静に
「あれ?ウルメラどうしたの?てっきりみんな寝てると思ってたんだけど」
ウルメラは洗い場の方で体を洗っているのか後ろから水の音がする。
「そ、そうですね。目が覚めて寝る前にお風呂に入ろうかなって思って来たら、ヒロタカさんとばったりです。」
「そ、そうか、寝る前にお風呂は気持ちいいからな。」
ウルメラはちょっと緊張気味の話し方だったせいで俺もつられてしまった。そもそも俺が風呂に入っているの脱衣所で気づいているよね。
程なくして、洗い終えたウルメラがそっと湯船に入ってきた。俺から少し離れた右斜め前位の所に。
二人はしばらく無言だったが、ウルメラが
「ヒ、ヒロタカさん、来たばかりですがこちらの世界はどうですか?」
あー、ゴメン、年下のウルメラに気を使わせてしまったな。此処は俺が会話を始めるところだったな。これだからコミュ力低いと気が回らないな。
「ありがとう、ウルメラ。」
ウルメラはニコッと微笑んで居た。
「そうだね、こっちに来てバタバタだね。でも、良いことがいっぱい有ったよ。色々な人と出会えた事、これが一番かな。いい人ばっかりだ。それと美恵も逸樹も勇気も楽しんで居ることかな。特に美恵はね。」
そう言って笑うとウルメラも笑っていた。
「それでも悲しいことも有ったね。俺の前で人が死んだ事かな。これはウルメラも居たね。あっ、そうだ。ウルメラの仲間なんだけど、生き返らすね。いいかな?」
サラッと言った言葉に思わずウルメラがお湯から立ち上がり俺に近づいてきて
「ホントですか?キャッ!!」
ウルメラは自分の状況に気づき直ぐにお湯に浸かった。お湯にタオルを入れないほうが良いというのは美恵に聞いていたのかタオルは湯船の縁に置いてあった。そのため立ち上がったウルメラは全裸だった。初めて見たウルメラの裸だった。思った通りスタイル良かった。胸も控えめかと思えばそんな事は無かったオリビエよりは控えめであるが十分な大きさと綺麗な形だった。体もボディービルダーみたいな筋肉質ではなく、女性らしい綺麗な肉の着き方だった。これで戦闘出来るって筋肉とレベルは関係無いみたいだね。そんな事を考えていると。
「ヒロタカさん、生き返らせるって、」
距離が近くなったウルメラが食いつくように聞いてきた。
「そう、レベルの関係であの時点では【蘇生】のスキルを創る事が出来なかったんだ。ゴメンね。でも先日のスタンピードのおかげでレベルが達したのでスキルを創ることが出来る用になったんだ。実はさっきまで忘れてた。ウルメラ見て思い出したんだ。ゴメンね」
「いえ、そんな、生き返るとわかっただけで十分です。ありがとう御座います。」
ウルメラは涙ぐんでいるが笑顔だった。可愛いよな。
「それでなんだけど、一番気にしているのは蘇生された人ってこっちの世界的には大丈夫なの?」
「大丈夫です。何も問題ありません。蘇生事態は出来ないわけでは無いのですし、この村では居ないかもしれませんが、王都に行けば結構居ます。」
「そっか、それなら良かった。明日にでも生き返らせるね。」
「ありがとう御座います。」
俺は気になっていたことを聞いてみた。
「それで、仲間が生き返ったら、ウルメラどうする?」
「どうするって、何をですか?」
ウルメラは本当に何の事か分からずに聞き返してきた。
「何って、パーティー復活で斬撃の乙女に戻るのかなって、」
「あー、そういう事ですか。そんな事気にしていたんですか。私はヒロタカさんの所に居ますよ。多分ケイト達もヒロタカさんのパーティーに入りたがると思いますよ。なんだったらイツキさんとパーティー組ませて頑張って貰いますか、イツキさんちょっとナヨってしてますものね。ダンジョンアタックでもして鍛えて貰いたいですね。」
笑いながらウルメラは答えてくれた。
「そうなんだ、ウルメラは此処に残ってくれるんだ。良かった。」
「そうですよ、私はヒロタカさんの第二夫人を狙っているんですからね。」
こんな若くて可愛い子にそんな事を言ってもらえるなんてなんて俺は幸せものなんだろう。思わず抱きしめたくなるのをグッと堪えた。
「ホントはですね。お風呂で会ったのは偶然じゃなかったんです。」




