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77 商品

 俺達4人は店の前に【転移】した。突然現れた4人に周囲は驚いていたが、あらわれたのが俺だとわかると「なんだ、ヒロタカさんかびっくりした、」などの声が上がったがすぐに平静を取り戻していた。初めて【転移】したライネルとヨハンスは目をパチクリしていた。


「じゃ、行きましょうか。」


 ぞろぞろと店のなかに入った。店のなかは盛況でお客さんがいっぱいだった。俺は店員に声をかけようとしたら向こうから「お待ちしておりました。」と言われ階段を上がって上の事務所に通された。事務所に入ると美恵達はソファーに座りお菓子を食べていた。ワグネルとウルメラとオリビエは俺を見ると会釈してきた。


「遅い、遅すぎてお菓子でお腹一杯だよ。」


 それは食べなきゃいいじゃないかと思うけど


「ごめんな、結構急いだんだけどな。」


 美恵とそんな会話をしていると


「相変わらずですねヒロタカさん」


 反対側のソファーに座っていたワグネルさんが話しかけてきた。


「こんにちはワグネルさん、今日は妻がご迷惑をかけてすみません。」


「いえいえ、全然そんなことは有りませんよ。色々と日本の事を聞けて為になりました。それにしても変わったご同行も一緒ですね。まぁ立ち話もなんですのでこちらにお掛けください。」


 4人はそれぞれソファーに座るとお茶がすぐに用意された。


「それにしてもチカノーヴァさんやヨハンスや兄さんまで来るとは驚きましたよ。」


 俺は思わず「えー」っと叫んでしまった。


「そうです。ワグネルは私の弟です。ワグネルは言ってませんでしたか?」


 横でワグネルはしてやったりの顔をしていた。すると


「ヒロヒロ、日本の商品をだして。」


「ハイハイ」


 俺は【異世界情報収集】を創った。創った瞬間膨大な情報が頭に入ってきた。入ってきたのは地球の情報ではなく【異世界情報収集】のマニュアルであった。今まで創ってきたスキルとは比べ物にならないほどの量が。俺は粗方理解したので、とりあえず何か買ってみることにした。


 目の前に【異世界情報収集】のメニューウィンドウを出し購入の欄をクリックすると生物、不動産、製品などの大きな分類に別れていた。とりあえず製品をクリックするズラリと項目があらわれた。食料品、衣類、電化製品、自動車など色々有ったが兵器などと言う項目や客船や列車など、「えっ、買えるの?」って感じの商品もあった。


「じゃ、美恵、とりあえず何か買ってみるけど何が良い?」


 お菓子を食べている美恵に聞いてみると。


「チョコレートケーキにしようか」


「了解。」


 俺は食料品の中からケーキを見つけた。そこを開けるとズラリとケーキが出てきた。あまりの多さに探すことを諦めたくなるぐらいの量だった。そこはスキル、チョコレートケーキをイメージするとチョコレートケーキだけが表示されたけどそれだけでもとんでもない量だった。よく見ると店の名前が一つ一つ書かれていた。


「十六夜?まさかこれって地球上の店のチョコレートケーキが表示されてる?」


「はい、表示されています。すべての物に値段がついていてネット販売に対応していない商品でも購入することができます。例えばお母さんが子供のために作った誕生日ケーキもタイミングが合えば買うことも出来ますし、一般家庭の晩御飯も買うことが出来ます。そこまで出来てこその【異世界情報収集】です。」


 周りは突然俺が独り言を言い出しそれに答える謎の声に驚いていた。


「美恵、アホぐらい種類があるけどどうする?」


「じゃ、近所のケーキ屋さんのチョコレートケーキでいいよ。よく分かるから。」


 俺は近所のケーキ屋さんをイメージすると一つのチョコレートケーキが表示された。価格は銅貨5枚だった。残り個数も出ていた。その横にホール買いも書いてあった。とりあえず此処にいる8人分の8個を購入してみた。お金はギルドカードから落ちるみたいだ。ウィンドウの上の方に残金が表示されている。俺は【アイテムボックス】の中に購入したものが入るのを知っていたので見てみた。すると買ったばかりのケーキが入っていた。


「十六夜?これって向こうのお店ではどうなってるの?」


「向こうの店では普通に売れた事になっています。店員も売ったという記憶に書き換えられています。」


 やってしまったなーと俺は思いつつもケーキをテーブルに取り出した。すると美恵が


「あーこれこれ、そうそう、このチョコレートケーキ。美味しいんだよ。みんな食べて。」


 美恵はみんなの前にケーキを配ろうとすると後ろに控えていたワグネルさんの使用人の女性が「失礼します。」と声を掛けてきてお皿とフォークを用意し配膳してくれた。


 美恵がみんなに説明していた。


「ケーキの周りのこの透明のビニールは食べれないから、この印の入ったところからクルッと回して外してね。」


 そして、美恵は一番にケーキを食べた。


「いやー、おいしー、これこれよ、久しぶりに食べた。こっちにはチョコレートなかったからね。」


 美恵が食べたのを見てからみんな食べだした。


「えっ、なんですこれ?初めてです。甘い中にも苦味があってすっごく美味しい」


「すっごいフワフワで口の中で溶けていきます。こんなケーキ食べたことありません。」


「ホントだな。ワシも長い間生きているが、こんなケーキは初めてだ。凄くうまい。」


 女性陣はあっという間に食べてしまった。一方男性陣も程なくして食べ終わりお茶を飲み一息付いてから、


「と、まぁ、こんな感じで商品を取り寄せる事が出来ます。お金は要りますけどね。」


 ワグネルが難しい顔で聞いてきた。


「ヒ、ヒロタカさん、貴方はケーキだけを売るわけでは有りませんよね」


「そうですね。衣料品から雑貨とか、まぁ、日用品ですかね」


 美恵が向日で頷いていた。


「例えばどんなものを売りますか?」


「日本のお店で100円均一って店がありまして、こっちで言ったら銅貨ですかね、置いてある商品が銅貨1枚なんですよ。そこの商品を売ろうかと。」


 ワグネルは難しい顔をして腕を組んでいた。


「一度その商品も見せていただけますか。」


「いいですよ、」


 俺はそう言ってさっきのウィンドウを見ながらダ○ソーと思うと108円の商品がズラリとならび手当たり次第に買っていった。


 とりあえず買った商品をテーブルの上に取り出した。


 ノートに鉛筆、ハサミにカッター、プラスチックケース、毛抜きに、箸に爪楊枝、コップにお皿その他色々。


 出した瞬間俺と美恵を除いた全員が目を見開き、各々商品を手に取った。


「ヒロタカ、お前の国ではこの商品が一個銅貨一枚で売っているのか」


 チカノーヴァが険しい顔で聞いてきた。


「そうですが」


「ワグネルの心配が分かったわ。ヒロタカこの商品をいくらで売るつもりだ。」


「一個銅貨2枚ぐらいですか。倍は儲けすぎですかね」


 ワグネルはガックリうなだれていた。


「ヒロタカさん、この商品の価値が分かっていますか?」


 俺は価値と言われても100円だなと思いながらも聞いていた。


「ここにある商品の品質が高すぎます。この世界ではここまでの品質で作ることは無理です。その商品を銅貨二枚で販売したら皆が買い求めるでしょうが同じ系統の商品を作っている店は潰れます。ですからこれらの商品を売らないで下さいと言いたいところですが、無理な話なのでせめて価格を上げて、販売していただけませんか?。」


「いくらぐらいですか?」


「銀貨2枚位で」


 俺は200倍はあり得ないと思い、


「わかりました。そこまで値上げして売るつもりはありません。私はお金儲けで商売するつもりではなく異世界ってこんな商品があるよって知ってもらい、みんなに便利になってもらえたらなって、この程度の事しか考えていませんので。なのでそれならばこの世界に無いものならこの世界の職人には影響は少なくないでしょうか?」


「例えば?」


「分かりません。なので雑貨は適当に今みたいに多くの種類を買ってみます。それをワグネルさんに一度見てもらっていいでしょうか?」


 ワグネルは快く了承してくれた。


「ヒロヒロ、そろそろ晩御飯だよ。」


 美恵の一言で時計を見ると17時を回っていた。


「ワグネルさん、そろそろ、晩御飯の事が有りますので帰りますね。商品とかはまた後日持ってきますね。」


「はい、分かりました。また、お待ちしております。」


 そう言って、部屋を出ようとすると、


「んんっ、ヒロタカ、すまないが頼み事を聞いてくれ。」


 チカノーヴァが、頼み事なのに上から頼んできた。


「どうしました?」


 何故か言いにくそうにしていた。が、意を決して口を開いた。


「先ほど食べたチョコレートケーキなるものをもう少し売ってもらえないだろうか?」


 チカノーヴァの顔が少し赤いのは気にしない。「此処で熱が有るのですか?」と、ヒールでも掛けたらとても怖いことになりそうなのでおとなしく答えた。


「良いですよ。お代は結構ですよ。多分他の人も必要だと思いますので色々出しますね。」


 俺はケーキをホールでいくつも購入し、ついでとばかりにプリンやゼリーにアイスクリーム、はてはスナック菓子やグミや飴にチョコレートなどをどっさり買ってみた。流石に日本以外の国の物はチャレンジしなかった。

 

 俺は購入したものをテーブルに出した。大きなテーブルは見る間に一杯になってしまった。


「とりあえず、これだけ買って見ました。今度感想を聞かせてくださいね。それと要冷蔵、要冷凍の物がありますので、と言っても分かりにくいですね。ケーキは冷たいです。こっちのアイスクリームは凍ってます。ですのでお持ち帰りになる時はこれに入れて貰えれば大丈夫です。」


 そう言って、時間凍結付きピクニックバスケット型アイテムポーチを4つ取り出し置いておいた。


 チカノーヴァ、ワグネル、ライネル、ヨハンスの4人に挨拶をすると4人はどうやって分けるかの話し合いに戻った。


「さっ、みんな帰ろうか。」


 美恵、ウルメラ、オリビエの視線はテーブルの上だ。その為、なかなかお尻が持ち上がらない。


「はい、そこ、家に帰ったらいくらでも出してあげるから。帰るよ。」


 そう言うと、3人の顔はパッとこっちを向いて「ホント?」と聞いてきたので「本当。」と答えると、立ち上がった。


 扉の近くに行くと使用人の女性が扉を開けて先導してくれた。俺は使用人の女性にここの従業員の人数を聞き、その人数に十分足りるだけのケーキをピクニックバスケットに入れた。それを店を出る際に「みんなで召し上がって下さい。」と言って手渡した。最初は遠慮していたが快く受け取ってもらった。俺らがケーキを食べている時、後ろで見ているだけだったんだからかわいそうだよね。


 店を出て帰ろうとした時、勇気から【チャット】が入ったのでみんなで迎えに行った。

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