76 店舗
俺とチカノーヴァとライネルとヨハンスの4人は村に出たのでついでに食堂で昼食を食べ店舗となる物件へ大通りを住宅街の方に向かっていた。
途中で美恵とウルメラとオリビエの矢印を見つけたので【マップ】で見るとやっぱり村に来ていた。逸樹は留守番みたいだった。まぁ、女三人が何も言わずに来ているのだからこちらから声を掛けるのもなんなんであえて声は掛けない。
日本の事を色々話しながら歩いていると大通りも商業街と違い少し静かになってきた。先ほどまでとは違い建物も石造りのビル風な感じから庭付き一軒家みたいな感じに変わってきた。そんな感じの所を歩いていくとライネルが
「ヒロタカさん、ここです。」
俺の前に建っていた家は俺の考えていた家とは違った。そこには大きな門があり建っていた建物は村長のライネルの家にも劣らない大きな石造りの三階建てだった。しかも道路側はおおきな庭になっていた。どう見ても周りの家とは別格だった。ライネルが大きな門を開くと、一行は中に入っていった。
「ライネル、ヒロタカにやる家なんだぞ。お前の家と大して変わらんではないか」
チカノーヴァが何か訳の分からんことを言っていた。
「いやいや、チカノーヴァさん大きすぎますよ。」
俺は慌ててチカノーヴァの話を遮った。
「バカかヒロタカ、お前はこの村の恩人だぞ。たかが村長と同じなんてあり得ないだろう。」
いやいや、たかが村長って言ってますけど貴族様ですよ。そんなことを考えているとチカノーヴァは更に話を続けた。
「あのなヒロタカ、お前は分かっていない。ライネルはお前にこの村を出ていって欲しくないのじゃぞ、それなのにこんな中途半端な物件を選びおって。言葉は悪いがお前には利用価値がある。お前の力は一国の戦力を凌駕している。それにお前の日本での知識。」
ライネルはばつが悪そうに頭を掻いていた。横でヨハンスが笑いを噛み殺していた。
「ヒロタカさんすみませんでした。違う物件をにさせていただきます。」
歩みを止め戻ろうとするライネルを俺は呼び止め
「いやいや、大丈夫です。十分過ぎます。いいです此処でいいです。いやむしろ此処がいいです。」
チカノーヴァはフンと鼻をならすと
「お前が良いならそれでいいが、」
いまいち納得をしていないみたいだった。
俺たちは建物へ向かって庭を歩いた。そう、庭は広かった。それに綺麗に手入れされていた。建物の前には馬車用のロータリーがありロータリーの中心は円上の花壇になっていた。建物の前は雨の日濡れずに馬車を降りれるように屋根がついていた。
玄関に着くとライネルが扉の鍵を開け扉を開いた。
中に入ると2階まで吹き抜けのエントランス正面に2階に上がる階段。何処の豪邸だよ。ボーッと見ているとライネルが
「此処は今は使われていませんが、この村に貴族が来た時用に宿泊場所として私が用意したんですよ。村の中心に近いところに新しく建てたので此処は空き家になっていたんですよ。やっぱり新しく建てた物件の方が良かったですよね。」
ライネルがすまなそうに言ってきた。
「いやいや、十分です。いや、もったいないぐらいです。中心街と違い静かでいい。それに必要なら自分で直しますから。」
俺はライネルにニッコリ笑った。
「そう言ってもらえると助かります。改築の費用はこちらで出させてもらいますので随時言ってください。」
えらく気を使わせているなと思っていると
「じゃ、俺の実家も直してくれ。」
「そうだな、ワシの家も改築するかな。」
ヨハンスとチカノーヴァが笑いながら要ってきた。
「それじゃあ、中を案内しますね。」
ライネルは二人の発言を軽く流し部屋を案内しだした。
三階までを一通り案内してもらい一階のエントランスにもどった。
「どうでしょうか?」
ぶっちゃけ店舗としてはきついな、一階を喫茶店とかにするならできるが販売店にするに適していないな。
「バカかお前はどう見ても商店には向かんだろ。」
チカノーヴァのきつい一言が炸裂した。あー言っちゃったよ。ホントにストレートな人だな。
「私は問題ないですよ。この建物は住居としてつかいます。あと庭の方をいじらせてもらいますけど問題ないですか?」
「大丈夫です。此処は貴方のものですから、庭をどう使おうが自由です。」
「よかった。じゃ、少し変えさせて貰いますね。」
そんな話をしていると
[ 美恵様 ] ちょっと聞きたいんだけどヒロヒロってレベル1000越えたよね。
[ 弘隆様 ] おお、越えたがどうした?
[ 美恵様 ] ヨシ、ヒロヒロ偉い。誉めて遣わす。
[ 弘隆様 ] で、何?
[ 美恵様 ] 確か前、十六夜がレベル1000越えたら日本から色々取り寄せること出来るって言ってたよね。
[ 弘隆様 ] ああ、出来ると思うぞ、まだやってないけど
[ 美恵様 ] そうなんだ、今さ、3人でワグネルさんの店に来てて今度店だそうかなって話しになってさ、何売るの?って話しになって日本の商品出してみようかなったら、ワグネルさんも一枚噛みたいって、だからヒロヒロに日本の商品取り寄せれるか確認したんさ。
[ 弘隆様 ] まだそっちに居るの?
[ 美恵様 ] まだもうちょっと居るかな。
[ 弘隆様 ] こっちももうすぐ終わりそうだからそっちに行くよ。
美恵とそんなことを話していると突然黙った俺を気にしてライネルが声をかけてきた。
「どうしたんですか?ヒロタカさん。いきなり黙って絞まって」
「あー、すみません。妻が話しかけてきたもんで。そっちに気を取られました。」
一瞬驚いたが、弘隆さんの事だからみたいな感じで普通に戻った。
「どうしたんですか?何か有ったのですか?」
「えっとですね。今妻がワグネルさんの店に来ていて今度店を出す話をしていて日本の商品を仕入れないか聞いてきたんですよ。」
3人は凄く食いついてきた。
「で、できるのですか?そんなことが」
ライネルの目が血走っていた。
「あー、多分出来ると思います。まだやってないですけど。だから今からワグネルさんの店で試してみようかと思って。」
「行きます。私もご一緒させてもらっていいでしょうか」
「なんだ、ライネル、こんな面白そうなことをワシ抜きで進めるな、ワシもいくぞ。」
「と言うことで、私もご一緒させてもらいます。」
結局全員でワグネル商店へ行くことになった。
戸締まりをして俺の転移でワグネル商店の前に移動した。




