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74 動き出した美恵

 時を同じくして、美恵も動き始めていた。


 寝室から這い出し、服を着替えて身だしなみを整えた。そしてリビングへ降りていった。


 美恵は十六夜に現状を確認し弘隆は村長宅に勇気は友達と一緒に逸樹は部屋で寝ていると分かった。


「ヨシ、行動開始。」


[ 美恵様 ]ウルメラ?オリビエ?聞こえている?


[ ウルメラ様 ]はい、聞こえています。


[ オリビエ様 ]はい、美恵さん聞こえています。


[ 美恵様 ] 身だしなみを整えてリビングへ集合。


 【チャット】で二人をリビングへ呼んだ。10分ぐらいすると二人はリビングへ降りてきた。いつも通りオリビエはメイド服、ウルメラは冒険者風だった。


「おはよう。二人共。」


「おはようございます。美恵さん」


「今日は村に行きます。買い出し部隊です。そして一番重要なのが市場調査です。そのうちお店を持つつもりです。それの調査です。」


「はい、護衛ですね。わかりました。」


「荷物持ちさせていただきます。」


 美恵はなにか微妙な顔をしていた。


「あーっと、二人共なんか勘違いしてる。今日一緒にいくのは二人共私の仕事を手伝ってもらうために一緒に行ってもらいます。私はこっちのことは知りません。だから二人には色々教えてもらいます。」


 二人の頭には?がでているようだった。


「まぁいいわ。とりあえず出発だ。移動は徒歩だな。尚この作戦はヒロヒロに内緒だ。以上。」


 何故かやる気満々の美恵だった。


「十六夜、逸樹が動き出したら、お出かけ中って言っておいて。ご飯は【アイテムボックス】に入ってるの食べときなさいって。伝えておいて。」


「分かりました。」


 空中から十六夜の声が聞こえる。


 美江とウルメラとオリビエは玄関に歩いて行った。玄関を出ると美恵は


「まずウルメラ。村はこっちで良かったよね」


 そう言って美恵は玄関を出た正面を指差した。


「はい、そうです。」


 3人は村に繰り出そうと向かって歩き出した。


「ウルメラ、ここの世界って凄いわね。レベルって卑怯ね。」


 美恵は改めて自分がハイレベルになったのを実感した。


「この前歩いて村に来たときはレベルが低かったから歩くのが嫌だったけど今は歩くのが全然気にならない。ウルメラとオリビエもそう?」


「そうですね。この前のスタンピードの時にヒロタカさんに一気にレベルを上げてもらったので体が羽の様に軽いです。」


「はい、私はこの前までウルメラさんより随分とレベルが低かったのでこの急成長にウルメラさんより驚いていて扱いに戸惑っています。」


「やっぱり。私もそうなんだ。体の扱い方におっかなびっくりよ。」


 話しているうちに村の入り口までついた。


「あら、以外と近かったのね。」


 美恵は近いと感じているが実際3人の歩いている速度はかなりの早さだった。


 門の前までくると守衛さんが


「おはようございます。ミエさん、ウルメラさん、オリビエさん」


 3人は身分証を見せて中に入った。


「オリビエ、守衛さん私の名前知ってたよ。なんか有名人みたい」


「ミエさん、有名人みたいじゃないですよ。十分有名人です。」


「そっか、道理で視線を感じると思った。」


 歩いていると村人が会釈してくるので美恵達もそれに応じていた。


「それではどうします?ミエさん」


「とりあえず手当たり次第店に入るわよ。品揃えを中心に見ていくわよ。十六夜もお願い。」


「はい、分かりました。」


「相変わらず十六夜は不思議ね。あなたの視界はどうなっているの?」


「はい、弘隆様の【チャット】のメンバーになっている一人一人の頭上から見下ろす感じになっているのが基本で必要に応じて増やしていきます。」


「あーありがとう。ビックリスキルだわ。じゃ、とりあえずあの店から行きましょうか。」


 そう言ってお店に入っていった。


 何件か入るとお腹が空いた美江が昼食しようと言い近くの食堂に入った。


 中に入ると綺麗なお店で男の人が居心地の悪そうなお店で案の定女性客ばかりだった。


 3人は近くのテーブルに座った。


「ウルメラ、ここって綺麗なお店ね。」


「そうですね。ここは女性客が中心ですね。メニューも軽いものが多いですね」


「とりあえず日替わりでいい?」


 ウルメラとオリビエはハイと返事した。店員を呼び注文した。


「あっそうだ、ウルメラとオリビエはエール飲む?」


「いいんですか?」


 オリビエが気になって聞いてきた。


「あー大丈夫よ、酔うまで飲むわけじゃないんでしょ。それにレベルが上がって酔いかたって変わるのか気になるし。」


 美恵は笑いながらエールを2つとフルーツジュースを追加した。


 飲み物はすぐに来た。


「とりあえず、お疲れ様。午後も頑張ろうね、カンパーイ。」


「カ、カンパーイ」


 美恵に連れてコップをあわせた。


「あれ?こっちって乾杯ってしないの?」


「初めてですね。でも、なんか盛り上がりますね。」


「そうでしょ、まっ、とりあえず今まで回ってみた感想は衣類品は意外とあるんだな。でも、種類が少ないしデザインが悪い。次に食材はやっぱり旬のものが中心になりどの店もあまり代わり映えしない。次に調味料はほぼ無い塩、砂糖、胡椒、酢、これぐらいしか売ってなかった。あーそれと卵が少なかった。次に化粧品は少し、薬関係も少し、代わりのポーション類は意外とあった。魔道具はちょこちょこあったけど高い誰が買うんだか。ぶっちゃけワグネルさんの店で足りてしまう。」


 美恵は一気に話しジュースを飲んで落ち着いた。


「そうですね。ミエさんの言う通りです。しかし他の村はもっと小規模です。」


 オリビエが言うと


「そうね、王都でもビックリするほどは増えないわよ。増えるのは値段の高いものが増えるだけ」


「ウルメラって王都に行ったことあるの?」


「有りますよ。護衛依頼で何度か。」


「そっか、いいな。」


 そうしていると食事が運ばれてきた。鶏肉みたいなのが入ったスープとサラダとパンが確かに見た目はヘルシー感たっぷりだ。男だとちょっと物足りなさそうだった。


「来た来た。スープとサラダとパンか。女性向けだね。ウルメラこれで大丈夫?」


 美恵がウルメラを心配して聞いた。ウルメラはちょっと顔を赤くして


「大丈夫ですよ。ミエさん私ってそんなに大食いに見えますか?」


 美恵はオリビエを見た。


「止めてくださいよ。ミエさん。私に振らないで。」


 オリビエは困った感じで


「確かにウルメラは私よりちょっと多めに食べていましたけど、どちらかと言うとミエさんの方がしっかり食べてましたよ。」


「あー、言っちゃったよ。どうせおばさんはガッツリですよ。でもレベルが上がった影響でちょっとお腹周りがスッキリしだした気がしてるんだから。」


「それそれ、それ有りますよね。ハイレベルの人に太った人は居ないですよね。あんまり動かない魔術士系の人でもスラッとしてますよね。」


「じゃ、私もレベルが上がったので太るの気にしなくてもいいかな。」


 オリビエのその言葉にウルメラはおばちゃん口調で


「聞きました?ミエさん。」


 美恵もおばちゃん口調で、


「聞きましたよウルメラさん。あの体型が変わらないって卑怯ね。」


「ホントですね。」


「ちょっとウルメラさん。昨日の夜の事なんですけど。」


 美恵がその言葉を出した瞬間、


「あーあーあーあーそーだーさっき行ったお店に」


 オリビエは慌てて話題を変えようとしていた。しかし、二人はお構いなしに


「なんです?ミエさん」


「スタンピードのあとヒロヒロが部屋に戻って寝る前に汚れていたのでお風呂に行ったのよ。そうしたら、」


「そうしたら」


「お風呂に入ろうとしていた全裸のオリビエさんと鉢合わせ。」


 横でオリビエが真っ赤な顔になりキャーキャー言っている。


「それからどうした」

 

 おっちゃんみたいなウルメラの合いの手


「そうして、一緒にお風呂に入ろうとヒロヒロを誘ったんですよ。」


「それからそれから?」


「残念にも断られてしまいました。」


 オリビエはしゅんとなり、ウルメラは笑っていた。


「やるね、オリビエ、ナイスチャレンジ。しかも奥さんにばれてネタにされてる。」


 ウルメラは満面の笑みでサムズアップをした。


「もー、ミエさん酷いです。」


「私もヒロヒロに聞いて、オリビエ頑張ってるなって思ってたのよ。」


「でもミエさんそこは怒ると所じゃ無いんですか?うちの旦那になにしてんのよ、泥棒猫。って感じに」


 ウルメラのその言葉にオリビエは泣きそうな顔になっていた。


「多分元の世界ならぶちギレてる。けど、何て言うか、二人には狙ってます宣言されてるし、私も二人の事嫌いじゃないし、お金は余裕あるし、ヒロヒロ稼ぎまくって大富豪になって、私、第一婦人ですが何かに?って感じにしてみるのも良いかなーって思って来はじめてるだなこれが。」


「でもなんか昨日と言ってること違いません?」


 ウルメラは不思議そうに聞いてきた。


「あーそれね。スタンピード後のお祭り騒ぎの村を見てたら、ちょこちょこお奥さん二人って人に会ってさ、奥さん同士仲良さそうでなんか友達とは違う感じでどちらかと言うと姉妹って感じでなんか良さそうに見えた訳なの。それ見たらなんかアリかなって思っちゃって。それに私一人っ子だったから」 


その言葉を聞いたオリビエは


「ミエさんごめんなさい。」


「いいの、いいの。オリビエもそれだけヒロヒロの事好きなんでしょ。それとやっとなんか冗談も言えるような仲になってきたのかなって思ったら嬉しくてね。ホントは私こっちに女友達居ないからちょっと寂しかったんだ。旦那と女友達は別もんでしょ。」


「ミエさん、」


 ウルメラの目が何故かうるうるになっていた。


「なんでウルメラうるうるしてるのよ。オリビエなんか言ってやってよ。」


「よし、ウルメラ、今日から貴方はうるうるメラだ。」


「オリビエなにそれ。ひどい。」


 3人は大笑いをした。他の客が一瞬こっちを向いたが直ぐに興味が失せもとに戻った。


「じゃ、もう少ししたら私からヒロヒロに言っとくね。それまで我慢ね。」


「「ハーイ」」


「ハァ、二人共いい返事だこと。」


 そんな雑談をしながら昼食が終わって、店を出た。

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