表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/92

73 お約束玩具

 中に入った5人は床に輪になるように座った。勇気は【アイテムボックス】から木のコップと果物のジュースが入った木のピッチャーを取りだし、コップにに注いでみんなに渡した。渡された4人はまだポカンとしていた。そんなことは気にせず勇気は


 「とりあえず、飲もう。カンパーイ」


 「「「「カ、カンパーイ?」」」」


 トゥーリア達は何の事か分からないままつられて乾杯していた。そしてみんなはジュースを飲んだ。ジュースを飲んだとたんトゥーリア達は我に返った。すると、


「スゲー」


「何処からジュースを出したの」


「家出来た。」


「ジュースおいしい」


 様々な声が飛んできた。冷静だった勇気はジュースのおかわりを注いでいた。そして、ジュースにはお菓子と思ったがお菓子は持っていなかったので昨日?正確には今朝買った串焼きを木の皿に何本か取りだしみんなの真ん中に置いた。まぁ、ちょっとおやつに串焼きはと勇気も思ったが気にしたら負けのような気がしたので気にしない。


 年長のトゥーリアが冷静を取り戻した。


「ユウキくん。ありがとうね。」


「うん、これぐらいの事なんて気にしないで。自分が無理をしないで出来ることに恩をきせるなっていつもお父さんに言われてるから。」


「ハハハ、ユウキ君のお父さんて厳しいね。そっか、だからあんなに強くなれるんだね。」


「そんな事をないよ。お父さんは甘々だよ。あっ、でもちょっと違うか、基本的にお父さんは面倒くさいのが嫌いで他人にやらせて時間がかかるくらいなら自分でやるだからね。」


「へぇ、お前のとーちゃん変わってるな。俺等のとーちゃんはあれやっとけこれやっとけってけっこううるさいぞ。」


 ユリウスが言うと他の3人がうんうんと頷いた。勇気はあれっと思い聞いてみた。


「もしかしてみんな兄弟なの?」


「はい、そうですよ、」


 トゥーリアは答えたあと、ユリウスが


「そうだ、俺とテニンがナディアかーちゃんの子供でトゥーリアとヤモンズがニキータかーちゃんの子供だ。」


 ユリウスは当たり前に答えたが勇気にはビックリだった。


「お母さん二人いるの?」


「そんなに珍しいか?お前の所では居なかったのか?お前どこの村から来たんだよ。」


 勇気は一瞬困った顔になったが、


「えっとね僕達は日本って所から来たんだよ。ここの世界じゃないんだ。」


 その言葉に串焼きを必死に食ながらサンゴンと遊んでいたテニンとヤモンズまでもこっちを見て固まった。


「あー、そうだよね。驚くよね。ごめんね。」


 勇気は苦笑いをして頭を掻いていた。とりあえずジュースを飲みながらみんなの復活を待った。


 復活一番手は意外にも年少組のテニンとヤモンズだった。復活してまた串焼きを食べ出した。そしてユリウス、トゥーリアと続いた。


「そうだったんですね。異世界人ですか。通りで強いし変わったスキルを持っていると思いました。」


「日本ではお父さんとお母さんは一人づつだったらお母さんが二人いるのにビックリしちゃった。お母さんが二人ってどんな感じ?」


「どんな感じって聞かれても俺も産まれたときからかーちゃんは二人だったから普通だ。二人ともかーちゃんだ。どっちのかーちゃんも優しいし怒ると恐い。分かるかな?」


「そうね、ユリウスの言う通りどちらのお母さんも分け隔てなく私たちを育ててくれているわよ。4人とも二人のお母さんのおっぱいを飲んで育ったんですからね」


「へー、そうなんだ。お母さん同士って仲良いの?」


「あったりまえだ。かーちゃんは仲いいぞ。たまにとーちゃんとケンカはしてるけど2対1になるからとーちゃん負けてるし。」


「そっか、仲いいんだ。僕もお母さん一人いるけど」


「ミエちゃんでしょ。明るいお母さんね。」


「そうなんだ。でも、こっちの世界に来たからお父さんはお母さんを増やすみたい。」


「へー、ヒロヒロやるな。良かったなユウキ。」


 意外な言葉に勇気は


「そうなの?良かったの?」


「そうだよユウキ君お母さんが増えるって良いことだよ。お母さん見てて思うよ。私のお父さんももっとお母さん増やしてくれないかな。」


「そうなの?突然家族が増えるって困らない?こわくない?」 


「なんで?お父さんとお母さんが選んだ人が新しいお母さんになるのよ。悪い人な訳ないでしょ。それにお母さんの多い家は周りから一目置かれるのよ。あー私も新しいお母さん欲しいな。」


 トゥーリアは少し遠い目をしていた。


「なんだユウキ、お前新しいかーちゃんが出来るの恐いのか。どうせウルメラさんかオリビエさんだろ。それとも両方か。でも良かったな綺麗で優しそうなかーちゃんので俺のかーちゃんには負けるけどな。」


「そうなんだ。ちょっと安心した。」


 勇気はにこやかに笑った。


「そんなことよりユウキ向こうではどんな遊びをしてたんだよ」


「そうねそれは私も気になる。」


 横でテニンとヤモンズが口に串焼きを咥えながら頷いていた。


「えっとね日本では僕はねよくドッジボールというのをよくしていたんだ。こっちの世界にはボールってあるの?」


「こっちでボールって言うと木を削って出来た玉だな。」


「そうなんだ。柔らかくて軽いこれぐらいのは無いの?」


 そう言って勇気は自分の胸の前で両手で丸を描いた。


「無いわね。」


「そっか、じゃボール遊びは今度にしよう。お父さんに言ってボール造ってもらうよ。じゃ、次はゲームとかはないから、こっちで出来そうな、そうだ、あれだ。異世界召喚物を定番のお手軽ゲーム。」


 勇気は【ブロック】で造った木の棒と木のブロックとワグネルの店で買ったインクと短剣を取り出した。勇気は木の棒をキュウリでも切るかのように短剣で厚さ1センチに切っていった。そして木のブロックを某泥棒団の一員の石川五○門ばりに1メートル角の木のブロックを3センチにスライスしてそれを十字に4等分した。


「また、つまらぬ物を切ってしまった。」


 そして剣を鞘にチンとしまった。流石勇気、そこら辺のお約束はきっちり押さえてくる。


「なにがつまらなかったの?なにが?」


 テニンが聞いてきた。こっちの世界では流石に通用しなかった。


「これはね向こうの世界ではお約束なんだよ。切ったら言う。」


 テニンはふーんと興味なさげに串焼きに戻った。どんだけ食べるんだと思ったら串焼きが意外に大きいからテニンの小さな口では食べるのに苦戦していただけだった。勇気は見かねて肉を串から外して小さく切ってあげた。


 勇気は作業に戻り、切った輪切りの片面をインクで黒く塗り、四角切った板の上にインクで8×8の升目を描いて乾かした。そう、皆さんご存じ


「ジャジャーン。リバーシの出来上がり。ドンドンパフパフ」


 4人ともなんだろうって顔でこっちをみたいた。


「説明します。これは向こうの遊びです。」


 オオーっと4人から歓声が上がった。初めて見るものに目をキラキラさせていた。


「これは二人でする遊びなんだ。トゥーリアさん手伝って。」


「トゥーリアでいいよ。で、どうするの?」


「じゃ、僕の前に座って、それと僕のことも勇気でいいからね。」


 そう言って勇気の対面に座った。そして勇気はリバーシのルールを説明してトゥーリアと一戦してみた。結果は勇気の勝ち。当たり前である


「すごいわ。おもしろい。単純なのに難しい。」


 周りからやりたいの声が起こった。勇気は慌てて残りの材料で盤と石をつくった。 

  

 それから盤を増やして2組で対戦して待ち人は串焼きを食べつつサンゴンと遊ぶというローテーションを繰り返していた。


 すると一人の栗色ロングの髪の毛の綺麗な女性が部屋の中を覗き込んできた。


「あっ、ナディアかーちゃん。」


 順番待ちしていたユリウスが気付き声をかけた。


「あら、新しいお友達ね。」


 ナディアは勇気にニッコリ微笑みかけた。


「あっ、初めまして佐々木勇気です。」


 勇気は立ち上がりお辞儀をした。


「あらあら、小さいのに礼儀正しいのね。今日は一緒に遊んでくれてありがとうね。ユウキ君」


「いえ、僕こそ楽しく遊べました。」


「迎えに来たらいつもの空き地に変わった建物が有るからビックリしたわ。」


 外を見ると少し暗くなっいた。時間はまだ5時前だった。


「ユウキが建てたんだ。すごいだろ。」


 ナディアは何かに気が付いたのか


「もしかしてユウキ君は、ヒロタカさんのお子さん?」


「そうだよユウキはヒロヒロの子供だよ」


 そうユリウスが言うとナディアは


「ユウキ君、今日は一緒に遊んでくれてありがとうね。それとヒロタカさんにも村の為にありがとうって伝えておいてね。」


「はい、分かりました。」


 そう言うとみんなは帰り始めた。


「ユウキ、明日も遊べるか?」


 ユリウスのそんな問にすぐさま勇気は答えた


「うん、大丈夫。10時にこの場所でいい?」


「いいぞ、明日はリバーシ負けないからな。」


「あっ、そうだ、これ持っていきなよ。」


 そう言って勇気は床においてあるリバーシのセットを4つをユリウス達に渡した。


「いいのか、勇気?」


「いいよ、こんなの材料代もかかってないんだから。それにまた必要だったら作るから。」


 子供たち4人は一人一つづつリバーシを持って家に帰って行った。


「さて、サンゴン家に帰ろうか。」


 一人になり少し寂しくなった勇気は弟か妹欲しいなと思いながら【チャット】で弘隆を呼んで家に帰って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ