68 衣装変更
コンコンコンコン。コンコンコンコン。
「ヒロタカ様、おやすみ中申し訳ありませんがお客様がお見えになられおります。」
扉の向こうからオリビエの声が聞こえてきた。
寝ていたはずなのにオリビエの声がハッキリ聞こえた。不思議なもんだ。多分レベルが上がったせいだろうな。時計を見ると朝の10時を過ぎていた。結構寝ていた。横で寝ている美恵は起きる気配はない。とりあえずベッドからそっと抜け出し扉を開けた。
「おはよう。オリビエ。」
今日もオリビエはメイド服姿だった。夜に裸を見てしまった事が頭をよぎったがここは大人、その事は置いておいて、
「おはようございます。ヒロタカ様、1階のリビングで冒険者ギルドマスターのチカノーヴァ様がお待ちです。」
「ありがとう。オリビエ。」
俺は自分の体を見た。昨日帰ってきたままの戦闘服だった。お風呂入り損ねたからである。それとちゃんとクリーンは使ったので汚くはありません。
「オリビエ、服を着替えてから降りていくよ。」
「分かりました。」
そう言うとニコッとしてお辞儀をし階段の方に向かって歩いていき1階直通の通路に入っていった。
俺は思わず驚いた。何にも説明していないのに普通に使っていたことを。
そんな小さな驚きに気づいた十六夜が
「ヒロタカ様、朝方にオリビエ様にあの通路の事を聞かれましたので説明させていただきました。」
俺はチカノーヴァをこれ以上待たせるのも何なので服を着替える事のにした。
「服か、面倒くさいなぁ。何着ようかな。そんなに種類無いしな。」
そんな事をつぶやくと十六夜が【衣装変更】と言うスキルを創ってくれた。
使い方は他のスキル同様理解できているからとりあえずこの中二病くさい戦闘服をGパンとTシャツに変えてみようとスキルを発動すると体中が光り服が変わった。思わず色々な服も試してみた。ジャージにスーツに海パンに着物も試してみた。面白すぎる。次はアニメのコスプレだ。何が良いかなと考えているとベッドから視線を感じそっちを見ると美恵がジト目で俺を見ていた。
「おはよう、なんか楽しそうね、ヒロヒロ。着物も似合ってるよ。でも水玉の海パンはどうかと思うよ」
「見てたのか。」
「見てたよ。ヒロヒロがベッドから降りた時から目は覚めていたよ。」
「それならもっと早くに声を掛けたら良いのに」
ちょっと苦情ぎみに美恵に言うと
「ごめんごめん。なんか魔女っ子物の変身シーンぽくて面白かったから思わず見いったの。それよりも下でチカノーヴァさんが待ってるんでしょ。」
俺はすっかり忘れていた。とりあえず、GパンとTシャツに着替えて【転移】で一階のリビングの前に行き扉を開けて中に入った。
「お待たせして、すみません。」
中に入るとチカノーヴァがソファーに座りお茶を飲んでいた。
「いや、こちらこそ朝からすまんな。」
チカノーヴァは立ち上がり頭を下げてきた。
「そんな、朝からと言ってももう昼前ですから寝ていた私が悪いんですよ。」
そう言いながら、俺はチカノーヴァの向かいのソファーに座った。俺がソファーに座るとオリビエがお茶を運んできて、俺の前に置き、チカノーヴァには新しいのに交換していた。
俺はお茶を飲んだ。何故かチカノーヴァが俺を見ている。いや、むしろガン見していると言っても過言でもない。
「えっと、チカノーヴァさん俺に何か付いていますか?」
「ああっ、すまん。いや、ヒロタカの服装が珍しくてな。ちょっと見ていたのだ。」
「そうですか。こっちにはTシャツとGパンって無かったんですね。」
確かに村には居なかった。
「まぁ、それは置いといて、今日来たのは村長がヒロタカにお礼を言いたいそうだ。だから、すまんが今から村長の家に来てもらえんだろうか?」
ちょっと面倒くさいなと思いながらも
「良いですよ。行きましょうか。でもこの格好じゃ不味いですかね?」
流石にTシャツとGパンはどうかと思って聞いてみた。
「大丈夫じゃ、公式な場じゃ無いから服装はあまり気にしないでいい。その格好で十分じゃ。」
俺は【チャット】で美恵に説明して村長の家に向かった。




