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66 アイテムポーチ

 俺は創った魔法具を試したくなったが試す方法が無いので、とりあえず【痛覚遮断】を創り自分の腕を手刀で切り落としてみた。意外と上手く切り落とせた。落ちた腕をまじまじと見た。なんで切り落としたら汚く見えるんだろうね不思議だ。髪の毛と一緒だな。床屋で落ちている髪を見ると汚く感じてしまうのと。ふと、周りを見るとドン引きしていた。そうだよね。なかなか自分で腕を切り落とすバカはいないよね。


「チカノーヴァさん、チカノーヴァさん。」


 チカノーヴァの意識は何処かに行っていたようだったが我に返った。


「お、おい、大丈夫なのか?痛くないのか?」


「うーん、痛くはないですよ。痛覚遮断していますから。出血も筋肉で止めていますから。」


 いつの間にかこんな事も出来るようになっていました。


「それでは使ってみるぞ。」


 チカノーヴァは魔法具を構え魔力を流した。


 すると俺の体が光、腕に集まって腕を形成して治った。


 俺は手のひらをグッパーして感触を確かめた。異常なし。汚れも消えてた。


「上手くいきましたね。」


「ああっ、本当に上手く行った。これを無料で使えるなんて驚きだ。それに使う時に使う魔力も少ないと来ている。」


「それはですね。回復させる為の魔力は魔石から取り出しています。最初に流すのは起動用の魔力ですので少量で問題ありません。あっそれとですね魔石がうっすら光っている時が魔力が満充填の合図ですので使ったあとは再度充填が終わるまで待ってくださいね。満充填していなくても使えますが効果は期待しないで下さい。」


 そう言いながら、さっき失敗した木の板を取り出した。それにヒールのだけを付与したものを10枚ほど創った。


「ついでで悪いのですが、こんなものも創りましたのでお使い下さい。」


 木の板をチカノーヴァに手渡した。


「これはなんだ?」


 チカノーヴァの素直な問に


「これはヒールだけを付与しましたので、魔力が有れば誰でも使えます。魔力量の調整は本人なので失敗して全魔力を使わないよう気を付けて下さい。」


 そう言いながらある事に気になった。


「今気づいたんですが、この板を複数の人で使ったら大量の魔力で発動出来そうですね。」


「そうだな。今度試してみるとする。それにしてもヒロタカには随分と世話になったな。」


 そう言っているとまたもや別館への通路が騒がしくなってきた。


「ギルマス、大変です。」


 男が大きな声で叫びながらフロアに入ってきた。


「今度はどうした。」


 気分良くなっていたチカノーヴァがちょっとイラッとしている。


「それがですね。魔獣を運んできたのは良いのですが置いておく場所がなくなってきているんですよ。」


「ああ、そうだな。すまない。此処の倉庫では入り切らないな。なにせ6万匹だからな。一番初めに気づくべきであった。」


「それとですね。大きすぎて運べない魔獣も居ましてどうしたら良いでしょうか。」


 チカノーヴァは苦虫を噛み潰した様な顔になり美人が台無しになった。


「分かった。とりあえず運べるものから運べ。置き場所はとりあえず裏の空き地にでも置いておけ。こちらも随時解体して場所を空ける。」

 

 チカノーヴァは量が量だけにどうしようもなく歯がゆそうだった。


「あー、乗りかかった船ですし。お手伝いしますね。」


 俺は前に創ったピクニックバスケットを取り出した。


「それをどうするんだ?」


 俺はピクニックバスケットについている時間凍結を取り消し、【時空魔法】でピクニックバスケット型の【アイテムボックス】式のアイテムポーチを創った。作り方は【時空魔法】に記載されていた。


「どうぞ」


 ピクニックバスケットをチカノーヴァに渡した。


「ああ、」


 チカノーヴァは訳が分からない顔で受け取った。そして蓋を開けて覗いて、驚いた。そして中に手を入れて更に驚いた。


「ヒロタカ、これはアイテムポーチかと思えば違うじゃないか、何だこれは、容量に制限がなく、時間凍結までついている。これではまるでアイテムボックスじゃないか。」


 すごい勢いでしゃべるから、ちょっと怖かったよ。


「あー、そんな感じです。使って下さい。便利ですよ。でも悪いことには使わないでね。使い方は分かりますよね。」


「分かる、分かるが、君はなぜこんな貴重な物をポンポンと人に渡す。部位欠損回復魔石にアイテムポーチ、渡された人の身にもなってみろ。管理するのも大変だぞ。」


 あー、しまった。なんか逆ギレされてる。


「大丈夫ですよ。盗まれても俺のマップに表示されるように出来ますから。それとも使用者をチカノーヴァさん限定にしますか?」


「い、いや、まて、それは困る。何ていうか、そう、ワシが居ない時使えないと困るからな。そう、そうだ。」


 ちょっと焦っているチカノーヴァは可愛かった。


「実際、こんなものいくらでも創れます。数が無いから価値が上がり危険なだけなんですから、俺はアイテムポーチとか回復板とかは販売していくつもりです。そうすれば所有者の危険度は下がりますからね。」


「ヒロタカはそんな事を考えていたのか、驚いたぞ。それはそうとこれで場所の問題と腐敗の問題と輸送の問題も片付いた。ありがとう。」


 手にしていたピクニックバスケットを報告に来た男に渡した。男は2、3何かチカノーヴァに言われてたらまた別館への通路に走っていった。


「いろいろありがとう、助かった。」


 チカノーヴァは頭を下げた。


「とりあえず、なんとかなりそうですね。それでは俺は帰りますね。」


「あー、そうだ。君の家を建てる敷地だったな。冒険者ギルドで管理している土地は裏の空き地ぐらいでな。もう少し待ってくれ。なんとかしよう。今回の事は村長も満足だろう。それが君の功績だと知れば土地の一つや二つどうってこと無いからな。」


 普通、そこは領主とか代官じゃ無いのか?と思いながら、


「気長に待ってますね。村の外でも危険じゃないですから。一応【結界】はって、魔獣避けしてありますからね。それでは帰りますね。」


「ありがとう。」


 その一言を言いチカノーヴァは頭を下げ俺が扉を出るまでそのままだった。ちょっと申し訳ない気がしてきた。


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