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63 逆鱗

 俺は、リザレフに頼み村から少し離れた森に降りてもらった。籠城するつもりでいたので村の周りは明かりに照らされていた為こちらの様子も村の様子もよく見える。その為冒険者達が遠巻きにして俺達を見ている。


「ありがとう、リザレフさん。無理を頼んですみませんでした。」


「いえ、魔王のご命令でしたら、いくらでも。」


 ドラゴンの表情は分からないが多分冗談半分で言っているような口調だった。


「リザレフさん、魔王は勘弁して下さい。世界征服はしませんから。」


 そう言うとリザレフは豪快に笑った。


「本当の話し、ヒロタカさんが世界統一してくれるのが多分平和が一番長く続くと思われるのだが、残念だ。」


「そうですね。なるべく平和になるように努力はします。俺も平和が好きですから。それにしても今更ながら、俺、自己紹介してないのに名前よく知っていましたね。美恵もヒロヒロとしか呼んでないのに。」


 リザレフは少し口元を上げ


「伊達にエンシェントドラゴンしてませんよ。名前ぐらい見えてますよ。ヒロタカさんにも出来るでしょ?」


「あー、そうですね。名前は見えていますよ。でも、それ以上を知ってしまうとなんだか人生の面白味がなくなり世界が色あせてしまいそうで。」


「ハハハ、意外と奥深い事言いますね。でも、大丈夫ですよ。貴方の事だから退屈な人生にはならないと私は思いますよ。」


「ありがとう御座います。確かに退屈な人生にはしませんよ。第二の人生ですから。」


「じゃ、そろそろ行くとするかな。今度はうちの家族を紹介しよう。ヒロタカさんならすぐに場所も分かるだろう。暇な時にでもやってこい。大したもてなしは出来んがな。」


 そう言ってリザレフは帰ろうとすると勇気が近づいてきて、


「ドラゴンさんさっきはごめんね。痛かったでしょ。でも、もう一枚鱗が欲しいんだ。ダメ?」


 勇気は上目遣いでリザレフを見上げた。リザレフは勇気に顔を近づけ、


「ハハハ、アレぐらい痛くも無いわ。チクっとしただけだ。もう一枚ほしいのか。良いぞどこでも持っていけ。」 


「ありがとう。」


 勇気はそうお礼を言って、鱗を取りにリザレフの首の下に潜り込み、一枚だけ逆さになっている鱗を剥ぎ取った。


「ぬぉ、ボウズ、その鱗を取るとはなかなかやるな、他の鱗と違いかなりしっかり生えておるのに。」


 リザレフは落ち着いた口調とは裏腹にかなり痛そうだった。そう、勇気は逆鱗を剥ぎ取ったのだった。


「だ、大丈夫ですか?アレって逆鱗ですよね。」


「大丈夫だ、百年もすれば生えてくるわ。」


 その言葉を聞いて百年は不味いと思い、部位欠損を直せるヒールをリザレフに掛けた。すると、逆鱗は見事に再生した。


「おおっ、すまないな。流石、ヒロタカさんだ。部位欠損を治すとは自分でも出来るが人にやってもらうとまた違ったものだの。」


 なんだかすごく嬉しそうだった。


「じゃ、帰るとするか。家には妻も子供も待って居るからな。結構心配していたからそろそろ帰るとするか。じゃ、またな。」


 そう言うと美恵達も話し終わった?という感じにこちらに近づいてきた。


「リザレフさん。乗せてくれてありがとうね。」


 そうだ、美恵が言ったんだから、美恵が一番感謝するのは当たり前だろう。


「気にするな。奥方。これぐらいお安い御用だ。今度は家に遊びに来い。待っているぞ。」


 そう言うとリザレフはフワッと浮き上がり西の山の方に飛んでいった。逸樹も勇気も手を振っていた。


「行っちゃったね。やっぱりあんなデカイもんがいなくなると寂しいね。」


 美恵、大きさは関係無いと思うよ。


「ちょっと寂しいから。サンゴンでっかくする?」


 あー、サンゴン確定なんだと、思いながら。


「美恵、止めて、村が大慌てになるから。」


 そんな話をしながら村では寝ないけど村の方に歩いていった。

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