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61 ドラゴンの背

 俺達はリザレフの背に登った。正確には俺がリザレフの背に【転移】したんだけど。ドラゴンの背って広いんだけど、鱗でゴツゴツしていて何もつかまる物も無いから傾いたら困りそう。


「ヒロヒロ分かるわね。」


 来たっ、美恵のわけの分からないキラーパス。俺は意を決っして聞いた。


「ごめん、それ、分からない。」


 美恵はあからさまにガーンとした顔になった。


「母さん、無理だよ。俺も無理だ。分からない。」


 逸樹の優しいフォローありがとう。勇気はさっき取った鱗をウルメラ達に見せていた。


「わっかんないかな、よく見てよ。」


 そう言って美恵は広いドラゴンの背中を指差した。


「全く、分からん。逸樹は分かるか?」


 俺は、全く分からず逸樹に振った。


「親父、ごめん分からん。アラル分かるか?」


 逸樹もわからなかったのかとうとうアラルにも話を振ったが、アラルは首を横に振った。

 

 美恵は、ハァとため息をついて。


「仕方ないから教えてあげる。見ての通り何にも無いのよ。椅子が無いのよ。」


 聞いていた一同は呆気にとられていた。


 俺はさっきしまった椅子を出した。


「ち・が・う。わっかんないかな。こんな時普通の椅子だしてどうするの。こんな時はアトラクション用の安全バーが付いた椅子でしょう。」


 全く意味がわからない。逸樹も一緒みたいだった。アラルに至っては何を言っているのかすら分かっていない。


「ヒロヒロ、ボーッとしていないでさっさと創る。」


 俺はちょっとしたベンチみたいなのを創りそれに安全バーみたいなのを付けた。


「おっ、ヒロヒロ、ちょっとちゃっちいけどヨシとしよう。ご苦労。」


 俺は軽く手を振って答えた。


 全員そのベンチに座り安全バーを下ろした。俺は【転移】でリザレフの頭の近くに行き、そろそろ出発してもらうよう頼んだ。その時一緒に無茶なお願いをしたことを謝っておいた。


 そしてもう一度【転移】で席に戻るとリザレフが羽根を動かし上昇し始めた。ぶっちゃけおかしいよね。このサイズのドラゴンがそんなに大きくない羽根で上昇していくなんて。気になったのでまた【転移】で頭の所に行き聞いてみた。すると予想通り【飛行】スキルで飛んでいるそうだ。羽根を動かしているのは見た目だそうだ。そして席に戻ると美恵が、


「ヒロヒロ、オシッコは出発前に行っておかないと。」


 その言葉にみんなが苦笑いをしていた。


「ハイハイ、すみませんでした。」


 そう言っていると、美恵が有ることに気がついた。


「ぎゃー、ヒロヒロ、肩に虫止まってる。」


 美恵が慌てて叫んでいた。


「あー、これね、虫じゃないよ。サンダードラゴンだよ。スキルでテイムしてちっちゃくしたんだ。」


 美恵はこの話を聞くと恐る恐るサンダードラゴンに手を伸ばし、


「噛み付いたら殺す。」


 物騒なことを言いながらサンダードラゴンを鷲掴みにした。


 サンダードラゴンがキューと泣いた。


「ごめん、美恵、鷲掴みは止めてあげて、痛いって言ってる。」


「なに?ヒロヒロ、サンダードラゴンと話しできるの?」


 そう言ってサンダードラゴンを放し、手を出して乗る様に促した。


「ちょ、ちょ、ちょっと、来て。」


 美恵はなぜか小声で言っていた。俺はサンダードラゴンに乗るように合図した。


「ヒロヒロ、頂戴。ちょっと可愛い。ハリー○ッターの炎のゴ○レットに出てたくじ引き用のちっちゃなドラゴンみたい。私の言うこときくの?」


 美恵は早速ねだってきた。


「基本的に俺がテイムしたから俺の命令には従うから大丈夫じゃないかな。」


「私はサンゴンと話し出来るの?」


 早速名前付けたけど


「ごめん、サンダードラゴンはメスなんだ。サンゴンはちょっとどうかと思います。それと話はなんとかします。」


 そんな事をしていると村に到着した。


「ヒロヒロ、ドラゴンの背中乗った感全く無かったわ。」


 美恵のキツイ一言が来た。


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