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60 魔王

 急降下で俺の前に静かに着地したエンシェントドラゴンは、四つん這いになり頭を低くして挨拶してきた。


「初めまして魔王。私はエンシェントドラゴンのリザレフと申します。挨拶が遅くなりまして申し訳ありません。1000年ぶりの転生者ですから対応が遅れました。」


 どうやら敵意は無いみたいで助かった。でも魔王ってなんだ?


 そんな事を思っていると結界の方で何か動きがあった。結界の中で美恵が何か叫んでる。けど、聞こえない。みんなが寝てから【結界】に消音を付けて音が通らない様にしていた。すると


[ 美恵様 ]ヒロヒロなに無視してんのよ。あんなに叫んでるんだから聞こえてるでしょ。


 美恵は機嫌が悪そうだった。寝起きだからだな。


[ 弘隆様 ]ごめんね。みんな寝てたから【結界】に音が通らないようにしていたんだ。


[ 美恵様 ]それなら許す。それより何なのそのでっかいエンシェントドラゴンは?


[ 弘隆様 ]よくわかったね、エンシェントドラゴンって


[ 美恵様 ]当たり前でしょ。【完全鑑定】でみたら分かるわよ。


 そうでした、美恵は鑑定持ちでした。俺も創れると思うけどなんか微妙なんだよな。現在それほど必要としてないし、人を鑑定するのは気が引けるからあまりやりたくないし、だから最悪必要な時に創るかなって程度でした。


[ 弘隆様 ]それより敵じゃないから出てきても大丈夫だよ。


 そう言うとみんな出てきて俺の周りに来た。俺はエンシェントドラゴンの名前がリザレフということをみんなに言った。それより気になった事を優先した。


「リザレフさん、私のことを魔王と呼びましたがどうしてですか?」


「魔王ってなによ、いつから悪者になったのよ。私の旦那は犯罪者じゃありませんから。」


 美恵の何が言いたいのか分からない横やりが入った。それより魔王って犯罪者確定なのか? 


 リザレフは首を傾げて答えた。


「それはですね。奥方。」


「奥方なんて恥ずかしいじゃない。」


 そう言って美恵は顔を赤くして照れていた。いい年して。


「転生者は概ね世界をかき混ぜて世界征服をしようとし始めるのですが、力不足で大概は失敗します。しかし、貴方様は違う、前回の悪魔族の転生者とは桁が違う。下級とは言えランクSの魔獣を赤子の手をひねるように倒してしまわれた。いくら私がランクSの上位とは言え貴方様には勝てませぬ。前回の悪魔族の転生者は私たちに危害を加えなかったので敵対はしなかったのですが、もし敵対してきた時は十分私達が勝ちましたが、今回は貴方様相手では戦いになりませんので、こうやって挨拶に来た所存で御座います。」


「要するに異世界人で世界征服する人を魔王ってよんでいますか?」


 リザレフは大きくうなずき、


「その通りです。それで、いつから征服を始めますか?」


 リザレフは俺が世界征服をすることが前提だな


「うちのところのヒロヒロはそんな野蛮な事はしません。」


 美恵が速攻返事してくれた。よく見ると勇気がリザレフの足元に行き鱗を取ろうとしている。


「勇気、勝手に鱗とったらダメだぞ。」


 そう言うとリザレフが


「大丈夫ですよ。子供には簡単に剥がせませんから。」

 

 といった瞬間にリザレフの足がピクッとなった。


「ママ、鱗取れたよ、魚の鱗と違ってでっかいよ。フリスビーできそう。」


 勇気は取った鱗を頭の上に掲げ美恵に自慢している。よく見ると3枚あった。


「さ、流石、魔王のご子息、ただの子供とは違いますな。」


「すみません、大丈夫ですか?」


 俺はすかさずヒールを掛けておいた。


「お心遣い痛み入ります。もう大丈夫です。それより世界征服はなさらないので」


「はい、争いごとは嫌いですので、今回のは特別です。乗りかかった船ですので。」


 リザレフはなんかホッとした感じで


「それならそれでいいのです。私達一族も争いごとがあまり好きではありませんので。」


「すみませんね、わざわざ出向いてもらって。」


 話が終わりそうな時に


「ヒロヒロ、リザレフさんに乗りたい。乗せてもらえる?」


 勇気の近くに行っていた美恵が大声で叫んだ。もちろんリザレフにも聞こえている。リザレフも困ったような顔をしているにちがいない。ドラゴンの表情なんてわからないからな。


「えーっと、リザレフさん大丈夫ですか?」


 ものすごく聞きづらい。


「だ、大丈夫ですよ。」


 美恵にも聞こえたみたいだ。


「やった、ドラゴン乗れる。夢だったんだよ。ドラゴンの背に乗るの。みんなリザレフさん乗せてくれるって。」


 みんなを呼んでいる。


「あっ、そうだ、リザレフさんついでに村まで乗せていって、お・ね・が・い」


 40過ぎのおばちゃんがそんな事したらダメ。


 リザレフは諦めた様に体を低くして俺達を乗せる用意をしていた。


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