59 サンダードラゴン
エンシェントドラゴンの視線を感じながらしばらく待っていると、ランクSの魔獣がやって来た。
サンダードラゴン、バジリスク、ベヒモス、ケロベロス、全てデカイ。サンダードラゴンはエンシェントドラゴンと違いワイバーンに近い感じで細身のドラゴンで金色の鱗で綺麗。リオ○イア希少種に近い感じ。でもかなり大きいです。2階建ての一軒家位ありそうです。バジリスクはそのまんま蛇。色は緑で長さ200メートルで太さ5メートルはある。ベヒモスはイノシシみたいな感じで頭に二本の角、下顎にも2本の牙で体は大きめの鱗みたいな物に覆われている。こいつは他より一回り大きいエンシェントドラゴンほどでは無いけど10メートルを超えていそうだ。ケルベロスはイメージどおりだった。3つの頭の犬、デカイ牙に血走った目体は青色、全然可愛く無い。
こいつらが1匹でも大暴れしたら確かに止めるのは至難の技だな。街クラスの壊滅もあり得る話だ。普通に考えて、一軒家サイズの魔獣が俊敏に動くんだ。どうやって止めるんだ。逆に今までどうやって倒していたんだ?
「十六夜、今までどうやってランクSの魔獣を倒していたんだ?」
「ハイ、ランクSの冒険者が盾代わりになり周りからの集中砲火、ランクS冒険者は足止め要員です。」
キッツいなランクSなんてそうそう居ないだろうに。
でも、こいつらは金になるな、美恵が喜びそうだ。
「十六夜、これで今日の仕事は終わりだ。サクッと終わらせて、風呂入って寝よう。」
「そうですね。お疲れ様です。弘隆様、万が一も有りえませんが十分気を付けて下さい。怪我をしますと美恵様が心配致しますから。」
「ありがと。」
確かに今のレベルだと無防備に攻撃を受けてもダメージは無いだろうな。
でも、サンダードラゴンはちょっとカッコイイな、ペットに出来ないかな、逸樹の召喚で出てくるかな?でもちょっと大きいな。小さく出来ないかな。
そんな事を考えていると、しびれを切らしたバジリスクが大きな口を開けて俺を飲み込もうとした。俺は流石に飲み込まれるのは嫌だったので上の牙を片手で受けて阻止した。が、それは失敗、めっちゃ息臭い。毒ガス攻撃かっていうぐらい臭かった。足で下顎を蹴飛ばしたら後ろにひっくり返った。ピクピクしてる。【アイテムボックス】にしまえたので倒せたみたいだった。
次に来たのはケルベロス、すごい勢いでやって来て俺を噛み付こうとしてきた。俺はさっきの二の舞いはしないと決め後ろに飛び退いた。が、それも失敗、ヨダレが凄すぎる、ダラダラ垂れているから噛み付こうとしてそのヨダレがこっちに飛んできた。一軒家クラスの魔獣の口の大きさと来たら車を軽く丸呑みできそうだ。そんな口から流れるヨダレだ、凄い量で避けた俺の頭上から滝の様に降ってきた。結果べっちゃべちゃになった。何かを感じたのかケルベロスの追撃は無かった。とりあえずクリーンで綺麗にし俺はケルベロスをキッと睨みつけた。ケルベロスは一瞬ピクッとし、動けなくなっていた。俺は構わず3つの頭の付け根の部分を大剣でぶっ叩き、倒した。これも【アイテムボックス】しまった。
次に来たのは意外にベヒモスだった。こいつの加速は生半可じゃ無かった。戦闘モードじゃ無いから思わず焦って逃げそこね、はねられてしまった。景気良く飛ばされそうになったので【飛行】で飛び元の位置に戻った。ベヒモスは俺をはねてもそのまま突進し、その勢いのままUターンしまた俺を轢こうとしてくるので俺は【重力制御】で自分に荷重を掛け弾き飛ばされない様にした。地面に足がめり込んだ。するとベヒモスはそのことを知らず突っ込んできて下顎の牙で俺をはねようとした。ぶつかった瞬間バキッという音と共にベヒモスが宙に舞い背中から地面に落ち動かなくなった。さっきの音は下顎の牙が折れたみたいだった。動かないベヒモスを【アイテムボックス】にしまった。スピードの出し過ぎには注意しましょう。
さぁ、最後に残ったのはサンダードラゴンだ、俺はあいつをペットにしたいので【テイム】を創った。
俺はサンダードラゴンに近づき【テイム】を使ってみた。
すると、サンダードラゴンが光った。頭のなかにテイム成功のメッセージが流れ、
「初めまして、ご主人様。テイムしていただき有難うございます。」
あれっ?メスだった?声がどう聞いても女の声だった。
「ああっ、気にしないで、キラキラしていて、倒すのが勿体無い気がしたからね。それより君はメスなの?」
「はい、私はメスです。サンダードラゴンはメスしか居ません。逆にファイアドラゴンはオスしか居ません。」
「へー、そうなんだ、それよりテイムしたから会話が出来るの?」
「はい、そうです。テイム前の記憶はありますが、会話出来る知性、理性などはありませんでした。実際にご主人様を倒そうとしていました。テイムしていなければ私は倒されていたでしょう。」
「そうなんだ、君としては俺が他の魔獣を倒しているのを見てどう思う?」
嫌な質問をしてみた。
「そうですね。特に何とも思いません。テイムされる前の記憶でも他の魔獣がやられたから悔しいとかそんな事は無かったです。今でもそうですね。同じサンダードラゴンが倒されても何とも思わないでしょうね。」
「そうなんだ。それと君をテイムしたのはただ、ペットにしたかった為なんだ。ごめんね。それで体を小さくとかできないよね。」
「そうですね、サンダードラゴンにはその能力はありません。すみません。」
俺はとっさに【サイズ変更】のスキルを創った。
「君は自分が小さくなったら嫌だよね。」
「特にそんなこだわりはありません。大きいとか小さいとか気にはしません。気にしないでください。」
本人の了承も取れたことだし。
「ちっちゃくするけど、嫌だったら言ってね。」
そう言うと【サイズ変更】を使いサンダードラゴンを手のひらに乗るサイズに変更した。
「どう?どんな感じ?」
小さくなったサンダードラゴン地面から飛び上がり俺の顔の近くまできて、
「大丈夫です。少し違和感はありますがすぐに慣れると思います。」
「じゃ、頭か肩にでも乗って居たらいいよ。」
「お言葉に甘えて」
そう言ってサンダードラゴン俺の左肩に乗った。
さぁ、帰ろうと美恵達の所に行こうとしたら、後ろから猛スピードで近づくものが居た。
もちろん、さっき迄俺をガン見していたエンシェントドラゴンだった。




