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51 夫婦

 女性達が風呂に入っているから弘隆は部屋に風呂でシャワーをしてベッドにゴロンとしてくつろいでいた。


 すると美恵が戻ってきた。


「おかえり、美恵。」


「ただいま。」


「なんか3階にウルメラとオリビエが来ていたけど何だったの?アラルに関係するの?」


 弘隆のマップにアラルが表示されていたので分かっていたのだが、


「そうそう、アラルって、逸樹の召喚魔獣のアラクネガールなの」


「それと、ウルメラ達となんか関係有るのか?アラルははウルメラの部屋に行ったけど」


「アラルは蜘蛛の糸でブラジャー作れるのよ、だからウルメラ達は部屋で自分のサイズに合ったブラジャー作ってもらってるんじゃ無いかな。」


「そうか、ならいいか。じゃ、そろそろ寝るか。」


 美恵は「うん」と言ったがなんか微妙な感じだった。


「なんか、有ったのか」


 美恵は険しい顔つきになった。


「ヒロヒロ大事なお話があります。とても大事です。」


 その緊張がこっちにも伝わり思わず生唾をのみこんだ。


「な、なんだ?」


「さっきお風呂でね、ウルメラとオリビエがヒロヒロを狙ってるって。」


「なんで?どこかの刺客?そんな恨み買った覚えないよ。」


 美恵は怒りながら


「違う、なんか二人共ヒロヒロが好きみたいなの」


 俺は思わす「はぁ?」言ってしまった。


 すると、美恵の顔がみるみる崩れて泣き出してしまった。


「ビロビロ、私ね、絶対勝てないよ、可愛くて若いんだよ。絶対私捨てられるよ。」


 そんな美恵を見て、


「ごめん、意味が分からない。ウルメラ達が俺に好意を持っていたとして、俺が美恵を捨てるのと関係有るのか?」


「だって、あんな可愛い子二人が好きって言ってきたら、ヒロヒロ絶対に断れないよ。」


 そう言われて、俺は困った。


「確かに困るな、二人は可愛いからね。でも愛しているのは美恵だよ。昔からそうだよ。」


 そう言うと、美恵は泣き止みニコッとした。


「そ、そうだよね、ヒロヒロいつまでも一緒だよ。信じてるよ。」


「俺はね、若い子や可愛い子が良いなら、美恵と一緒になってないよ。美恵は昔から強気な割に心配症で、でも天然なんだから。天然で思い出したけど、覚えてる?昔美恵はアメリカの映画で出て来る保安官の事をホアン・カーンって人だと思っていて、違う映画見た時にまた、「ホアン・カーンさんまたでてるよ」って、凄い真剣な顔で言ってたの。」


 美恵の顔はカッと赤くなり


「なんで、今そんな事言うのよ。もう」


 少し美恵に元気が出てきたので


「あれも有ったよな。政治家が汚職事件で捕まったって報道に「政治家ってパーティー券を売ってるって言ってたからね、あれって悪いことだったんだ」って、汚職事件とお食事券を勘違いしてたよね。後は薬剤師もあったよね。」


「もう、良いから。私が悪う御座いました。ヒロヒロが私を捨てるなんて考えませんから許して下さい。」


 これ以上は恥ずかしい話をしないでと言わんばかりに美恵は頭を下げて謝ってきた。


「そうだよ、美恵。もうちょっと俺を信じてね。」


「うん、分かった。」


 俺達はいつも通りの状態に戻った。


「でもさ、ヒロヒロ、ウルメラが結婚して下さいって言ってきたらどうするの?」


「まいったな。どうしようかな。無理って断るのが普通だよな。出会って数日で結婚って普通ありえないだろ。それに、美恵も嫌だろ。」


 そう言うと美恵はまた困った顔をした。


「そうなのよね。なんか微妙なのよね。こっちの世界が一夫多妻制なのは聞いた、エルムさんに聞いた話だと、新しい妻が来てもほとんど変わらないって、逆に家事の分担が出来るから意外と楽になるわよって。それにワグネルさんがエルムさんを飽きるとかそっけなくなるとかそんな事は無いとも言っていた。どちらかと言うと夫婦のスキンシップはすごく変わったって言ってた。それと子どもたちも新しいお母さんが来た時はお姉さんが出来たみたいな感じだって。それでも妻同士の多少の苦情は夫に言っていたとも言っていたよ。基本家族と言っても妻同士は他人だからね。どうしても反りが合わないときも有るよね。」


「そうなんだ。特にワグネルさん達は仕入れに行ったりするから、もし今回の事みたいなことで二人共亡くなっても家にもう一人妻が居たら子どもたちを育ててくれると、そんな考えも有ったのかもしれないな。」 


 なんか二人はしんみりとなり話に詰まった。


「美恵はどうなんだ。ウルメラやオリビエの事はどんな感じなの?」


「うーん、まだ一日よ、どんなとは言えないけど、私が感じた事は二人共子供好きかな、逸樹や勇気を良く見てくれてる。私に対しては仲のいい職場の上司って感じかな。本心は流石にわからないけどね。」


「本心なんて分からない方が良いと俺は思うよ。多分俺は人の心を読むスキルを創る事は出来ると思う、でもそれを使えるほどまだ人間が出来ていないとも自分では思っている。それを使って良いのは神様だけで良いと思うよ。」


 ふと、女神アイシャの事を思い出し、いや、俺も使っても良いかもと一瞬思ってしまった。


「そうだよね、向こうもこっちも本心なんて分からないんだからお互いの事を気づかえるのかもしれないね。」


「で、俺は美恵が嫌と言うなら新しい妻は取らないつもりだけど。」


「そうなのよね。ヒロヒロは本当は新しい妻が欲しいよね。異世界ハーレムもの大好きだもんね。本当はね、多分新しいお嫁さんが来たらその人に嫉妬してしまうと思う、ヒロヒロ取られちゃうって。上手く割り切れるかな。」


「美恵、それはお互い様じゃ無いかな、美恵と俺は長い間夫婦をしているからツーカーの仲だから新しい妻からしてみればそれは嫉妬の対象だよ。俺が考えるに悪意を持ってしまうと嫉妬でしょ、悪意を持たなければ憧れじゃ無いかな、悪意なんて持っていたら何か大切な物を失っちゃうよ。」


 そんな風に諭す様に言うと。


「あー、もう難しい、わけわかんないよ。」


 美恵の短気が出てきた。


「難しく考えないで良いと思うよ。家族、家族じゃない定義なんて難しいからね。血の繋がりだけでは何とも言えないよ。血がつながっていても殺し合う事も有るんだし。」


 俺は少し考えて


「美恵、俺の考えだけど自分の身を犠牲にして守ろうとした者は家族に値するんじゃないかな。俺は美恵や逸樹や勇気のためなら身を投げうって命を守ろうとするつもりだよ。上手く表現出来ないな何ていうのかな家族だから守るじゃなく守りたいものが家族なんじゃないかな。」


「うーん、ヒロヒロの言うこと難しいけど、なんとなくわかった様なわからないような、」


「もし、ウルメラとオリビエが結婚してくださいって言ったら、まず、美恵の許可を貰ってこいって言っておくね。」


「ヒロヒロ最悪、それじゃ、ダメって言ったら私が悪役になっちゃうじゃん。」


 美恵は少し怒りながら言った。 


「じゃ、その時に考えるか。」


「そうだね、そうしよう。さぁ、寝よう。」


 頭を使い過ぎた美恵が寝る用意に入った。美恵は【アイテムボックス】からパジャマを取り出した。


「ワグネルさんところで買ったんだよ、ヒロヒロのもあるからね。」


 そう言って、美恵はおそろいのストライプ柄のパジャマを俺に渡してきた。


 そして、着替えて、二人でベットに入った。


 【マップ】で見ると勇気はウルメラの所で寝ているみたいだ、逸樹は部屋に居る、アラルも逸樹の部屋に戻っている。オリビエも部屋にいる。他の人の居場所が分かるのは便利な様でなんか罪悪感があるなと思い、心のなかで謝っておいた。


「ヒロヒロ、今日も色々あった一日だったね。これからもヨロシクね、」


 そう言って、照明を消して、夫婦のスキンシップをして、眠りに着いた。





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