49 アラクネガール
その頃、逸樹は勇気と二人で部屋に戻っていた。
「兄ちゃん、日本に居た時の部屋よりいい部屋になったね。」
「ああ、そうだな。お前も新しいの部屋貰ってよかったな。」
「うん、」
しかし、二人共浮かない顔だった。
「なぁ、勇気、退屈だな。」
「そうだね。テレビも無いし、ゲームも無いからね。」
「何しよう。まだ微妙な時間だな。」
「そうだね、8時30分だね。向こうならお風呂入ってから、明日学校だから寝なさいって、言われてるね。」
二人共笑っていた。
「そうだな。何かするか。」
「そうだね、何する兄ちゃん。」
「よし、【召喚魔法】使って新しい魔獣増やすか」
「おおっ、いいね、早くやってよ。」
逸樹はランダム召喚を行った。
逸樹の前に魔法陣が現れ魔獣が現れた。
「なんだ、またオークジェネラルかよ。帰ってよし。」
逸樹がそう言うとオークジェネラルは消えていった。
「兄ちゃん、何回もオークジェネラル出てるの?」
「おう、結構出てるぞ。ちょっと待て」
逸樹は動かなくなり何かを考えていた。
「8だ、8回、オークジェネラル出てるぞ。」
それから逸樹は何回かランダム召喚をした。
「兄ちゃんさっき出てた。2つの頭の蛇何ていうの?」
「あれはツインスネークだ。」
「じゃあ、鎧着たガイコツは?」
「あれは、ジェネラルスケルトンだ。」
「なんか可愛くないね。」
「言うな。俺もそう思ってるから。でも、なんともできないだろう。ランダムなんだから」
逸樹はまた召喚をした。
魔法陣が出て、魔獣が現れた。
「ハイ、キター、アラクネきましたよ。待ってました。」
「でも兄ちゃん、アラクネちっちゃいね。」
そう、出てきた魔獣はアラクネ、普通なら蜘蛛の上に大人の女性の腰から上が合体したような魔獣のはずなんだが。出てきたアラクネはどう見ても中学生位だった。蜘蛛の大きさも小さめで蜘蛛の部分と人の部分をあわせても大人の身長ぐらいだった。髪は黒色のウェイビーボブだった。顔は可愛かった。
「は、はじめまして、逸樹さま。あ、アラクネガールです。」
出てきたアラクネは恥ずかしそうにモジモジとしながらアラクネガールと名乗った。
「こんばんは、アラクネガールのお姉ちゃん、僕は逸樹兄ちゃんの弟の勇気です。よろしく。」
勇気は逸樹より先にアラクネガールに話しかけた。
「こんばんは、勇気くん。よろしくね。」
「やっときたよ。ヨロシクね。アラクネガール。」
「よろしくおねがいします。逸樹様。」
「名前が長いから変更ね。」
「分かりました。何にしますか?」
逸樹は考え始めた。
「よし、アラル。どう思う。勇気。」
「良いと思うよ。可愛いし。」
「じゃ、とりあえず、裸はだど流石にヤバイいからなんとしないとな。母さんに見つかると特にな。」
そう、出てきたアラルは裸だったのだ。魔獣だから仕方がないって?そんな事ないでしょ、ゴブリンもオークもちゃんと下は隠してあるでしょ。
「そうだね兄ちゃん。裸はダメだよね。兄ちゃんエッチだし。」
「バ、バカ言うな。誰が、こんなちっぱい見ても何とも思わんわ。」
その言葉にアラルはガクッとうなだれ、小さな声で「ちっぱいって、おっぱいちっちゃいって事だよね。」つぶやいていた。
「兄ちゃん酷い事言った。アラル泣きそうだよ。」
そう言うと逸樹は慌てて
「い、いや、ごめん、そんなつもりで言ったんじゃないんだ。ただ、勇気があんな事言うから。」
逸樹は勇気のせいにしだした。
「兄ちゃん、ずっこい。」
「だ、黙れ。まずは服だよ。服。」
そんな、やり取りを見ていたアラルはクスッと笑った。
「兄ちゃん。アラル笑ったよ。」
「おー、良かった。ゴメンな。アラル。でもなんとかその胸を隠さないと目のやり場に困るからね。」
アラルはニコッとして、
「分かりました。こんなちっぱいですが。隠させて貰います。ちょっと待ってて下さいね。」
そう言うとアラルは蜘蛛のお尻の部分から糸を手の所まで器用に足を使い持ってきた。すると前足と両手で器用に糸を編み始めた。道具も無いのに凄い勢いで編んでいる。前足の先端が尖っていて、そこに糸をひっかけて器用に編んでいる。機械を見ているみたいだ。キューイーンって音がしそうな感じだ。みるみるうちにTシャツが出来てきて、完成した。そして、アラルはそれを着た。
「これで、いかがですか?」
アラルはちょっと勝ち誇った感じで言ってきた。
「良いのは、良いんだけどな、勇気。」
「そうだね、さっきよりは良いね。白色のTシャツが、似合ってて、良いんだけど。」
男二人はちょっと言いよどんだ。
「どうしたんですか?何か、問題でも」
アラルは分からないといった感じで聞いてきた。
「そうだね、さっきちっぱいって言ったのはごめんね。しっかり綺麗な形です。」
アラルの作ったTシャツはニット系の素材ならではでピチッと体にフィットして、胸のポッチが逆に強調されやらしくなってしまった。
「もう、仕方ないじゃないですか。結構可愛いと思ったのに。」
アラルはちょっと悔しそうだった。
「そうだ、兄ちゃん、ブラジャーだ。ママたちはブラジャーしてたから大丈夫だったんだ。」
勇気は突然、とんでもない発言をした。
「バ、バカ。ブラジャーって。」
流石に逸樹には抵抗が有るのか恥ずかしそうだった。逆に勇気にはなんでか分からずキョトンとしていた。
「そ、それもそうだな。アラル、ブ、ブラジャー作ってつけてくれ。」
そう言うと。アラルは困った感じで、
「ブラジャーってなんですか?」
その問いに勇気が即答で、
「おっぱいバンドだよ。こんなの」
勇気は自分の胸を両手で隠すような仕草で真似をしていた。が、アラルにはいまいち分かっていなかった。
「仕方ないな。こんなの」
勇気はおもむろに【アイテムボックス】からペンと紙を取り出し。ブラジャーの絵をを書き出した。
書けた絵をみて、アラルは
「あー、なるほど、そうやって胸を隠すのですね。前面の生地は厚めにしてと、そうなると自分のサイズに合った方がいいみたいですね。」
そう言うと、アラルはまた糸を取り出して、編み始めた。今度は作る量が少ないからあっと言う間に出来た。そしてTシャツを一度脱いでブラジャーを着けた。着けたブラジャーを見回し、色々納得していた。
「なるほどね。着け方によっては胸が大きく見える。これは凄い。今度作る時は柄なんかいれて、可愛くしてみようかな。」
アラルはブラジャー1枚で自分の体を色々見たり、胸を触ったらりして納得していた。
「アラル姉ちゃん、Tシャツ着ようね。」
目のやり場に困っていた逸樹の代わりに勇気が言った。
「あ、ごめんね。」
そう言ってさっき作ったTシャツを着た。
「あー、よくなった。バッチリだよアラル。」
逸樹はアラルを褒めていた。
「ありがとう。」
召喚されて、すぐの時はちょっとおどおどしていたが、慣れてきたのか随分とフランクに話すようになってきた。




