45 でっかいドワーフってなに?
「じゃ、晩御飯どこにする?」
俺がそう切り出すと勇気が
「回転寿司」
逸樹が「右に同じく」って、そのうち、拙者とかいいだすなよ。
「はい、ざんねーん、晩御飯は決まってます。」
美恵が速攻言ってきた。
「晩御飯はでっかいドワーフのスープ屋さんで決まってます。」
その言葉に、いつ決まったんだよ。ってツッコミを入れたかったが、ぐっと我慢した。
「えー、ご飯食べたかった。パンは美味しいけど晩御飯って感じじゃない。」
勇気が言い出した。
すると、オリビエが
「勇気さん、ご飯はありますよ。この世界ではあまり食べていないだけで、今から行くお店にもご飯は有りますよ。」
勇気に、優しく教えてくれた。
「お寿司って、有るの、オリビエ。」
その問いにオリビエは
「勇気さん、すみません、オスシという食べ物は聞いたことがありませんので分かりません。」
「えっと、お寿司って、ご飯にお酢を混ぜて、そのご飯を一口大の大きさに分けて、その上に生魚の切り身を置いて、醤油をつけて食べる食べ物なんだよ。」
そう言われたオリビエは
「なんとなくは分かりますが、見たり聞いたりしたことは無いですね。そもそも魚を生で食べることはあまりしませんので。」
なんか、長くなりそうなので、話をここで切った。
「分かった。とりあえず、でっかいドワーフのお店に行こう。ご飯も有るから我慢しろ。」
そう言って、一行はでっかいドワーフのスープ屋さんに向かった。
俺達が移動する時はいつも俺が先頭でその横に美恵がいて、後ろに逸樹、その隣にオリビエ、その後ろに勇気、その隣にウルメラの順番になりがちだ。
移動中、勇気は悩んでいた。
オリビエの尻尾、触ってみたい。
勇気はそっとオリビエの後ろに行き、意を決して尻尾をつかもうとした。
その瞬間オリビエの尻尾はシュッと横に動き勇気の手をかわした。勇気は、ん?と思いもう一度掴もうとそっと手を出した。またもや、尻尾は勇気の手をかわした。勇気はムキになり何度も挑戦するが全てかわされた。疲れてふと視線を上に上げると、オリビエと目が合った。オリビエは勇気を見てニコッと笑っていた。その瞬間、勇気は口笛を吹き全然違う方を見て何知らぬ顔をした。 勇気の挑戦はまだまだ続く。
一行はお店に着いた。看板にはでっかいドワーフのスープ屋さんと書かれて、横にはマッチョで髭モジャな4等身ぐらいのおっさんの絵が書いてあった。
一行は中にはいった。
「いらっしゃいませ。何人ですか?」
奥から店員の女の子が聞いてきた。
「6人です。」
「こちらにどうぞ。」
そう言って、大きな丸テーブルを勧めてくれた。
一行は進められた席に座った。っテーブルにはメニューが置いてあり、各自メニューをみて決めていた。
各自メニューが決まり店員をもう一度呼んで、注文した。
「ヒロタカさんはエールは飲まないのですか?」
ウルメラは聞いてきた。
「そうだね、向こうの世界に居たときも。お酒は飲んで居なかったよ。美恵も飲まなかったよ。逸樹に至っては向こうでは未成年だからね。飲めなかったんだよ。」
「ヒロタカさん、私もエール頂いて良いでしょうか?」
申し訳なさそうにオリビエが聞いてきたので
「気にしないで飲んで飲んで。遠慮なんてしないでいいよ。食べたい物を食べよう。」
「そうよ、晩御飯は楽しく、いっぱい食べないとね。」
美恵がそう言ってきた。
全員の注文を聞いた店員は奥へ戻っていった。
するとすぐに飲みものが運ばれてきた。ジュースが3つにエールが3つだった。
「おっ、逸樹はエールをチャレンジするのか。」
「おう、ちょっとチャレンジしてみる。」
そう言って、飲み物がみんなの元へ届いた。
「それでは一日お疲れ様でした。昨日から色々あって大変だったと思いますが。私たちには新しい仲間が増えました。初め家族4人でどうしようかなと思っていましたがウルメラにオリビエが仲間に加わってくれてとても助かっています。ありがとう。それでは沢山食べて沢山飲んで楽しんで下さい。足らなければ色々注文してくださいね。それではこれからもみんなで頑張っていけるように、ガンパーイ!」
乾杯の風習はこっちにも有ったみたいでウルメラもオリビエもカップを合わせていた。
俺はカップのジュースを飲んでみた。今回はリンゴジュースのようだった。こっちの飲み物は美味しい。
逸樹は一口、エールを飲んだみたいだった。微妙な顔だった。
「親父、無理、交換してくれ。」
そう言って、エールを俺に渡してきた。俺はエールとジュースを交換してやった。
「あれ?ヒロタカさんはお酒飲めないんじゃなかったんですか?」
ウルメラが聞いてきたので
「正確には飲まなかったんだよ、酔うのが好きじゃなかったし、向こうの世界では自動車って言う乗り物を運転するのに酔っていては駄目なんだ。大体、外に食べに行くときは自動車で移動していたから。特に飲めなかったんだよ。でも、本当はお酒の味が苦手だったからなんだよ。お子様の味覚なもんでね。」
そう言って、笑って、エールを一口飲んでみた。まぁ、意外に飲みやすかった。アルコール度数も低い感じがした。そうしているうちに料理が運ばれてきた。
テーブルにはいろいろな料理が置かれた。基本一人ひとりにスープ物が有り大皿にサラダ、唐揚げ、焼肉などテープルいっぱいになった。
各自小皿に取り分けて、食べ始めた。
「勇気は何注文したんだ?」
「僕はスープの中にご飯が入っているやつ。」
雑炊?リゾット?もっとスープがいっぱいだな
「そうか、美味しいか?」
「うん、美味しいよ。」
逸樹のはスープパスタみたいなものだった。
美恵はこっちは完全なリゾットだった。
ウルメラは言っていた魚介類のスープ
オリビエはクリームシチュー
俺は、ビーフシチューだった。
みんな楽しくワイワイと食べていた。俺は食べるのが早いからみんなより一足先に食べ終わったので、トイレに行った。




