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44 布団

 冒険者ギルド別館をでた俺達は、タニエの服屋さんに向かった。


 外は17時を過ぎ空は赤みを帯びてきた。


「夕方だね。」


 何気ない俺の呟きに逸樹が


「晩御飯どうする?」


「とりあえず、布団買ってからだな。」


 逸樹は渋々引き下がった。


 そして俺を先頭にタニエの店に向かった。


 晩飯どうしようかなと考えて歩いている俺の後ろでは、


「オリビエ、ウルメラ、どこか美味しいお店知ってる?晩御飯食べに行こうよ。」


 美恵の質問に


「そうですね、幸運の夢見亭も美味しかったですが、シチューが絶品のお店が有ります。」


 ウルメラがそう答え、


「こっから近いの?」


「歩いて10分ぐらいですかね。でっかいドワーフのスープ屋さんって店なんですよ。」


「知ってます。結構有名ですよね。私も一度行ってみたいと思っていたんですよ。」


 オリビエが話に参戦、


「村に来ていた行商人の人がよく言っていたんですよ。アカチーに行ったらでっかいドワーフのスープ屋さんに一度は行っとけって、あそこのクリームシチューは絶品だって。」


「わかります。私もちょくちょく行きますよ。後、おすすめが魚介類のトマトスープ、これがまた美味しいんですよ。」


「よし、今晩はそこのお店にしよう。」


 後ろでそんな話になっているとはいざしらず、一行はタニエの店に着いた。


「着いたぞ、タニエのお店に」


 みんなにそう言って、中に入った。


「おかえりなさい、ヒロタカさん」


 中に入るとタニエが出迎えてくれた。


「ただいま、お金はバッチリ持ってきたよ。」


 俺はサムズアップした。が、タニエはよくわからないようで、首を傾げながらサムズアップを仕返してくれた。


 「それで、どの布団にします。」


 俺は迷わず、


「魔獣羽毛でお願いします。それとサイズって色々有りますか?」


「そうですね、基本一人用、二人用、三人用になります。」


 イマイチよく分からず


「二人用ってどれぐらいの大きさですか?」


「二人用は二メートル✕二メートルです。これは敷布団です。上布団はこれより少し大きくなります。」


 二人用でキングサイズでした。


「それでは二人用の魔獣羽毛の布団を六組お願いします。」


「はい、分かりました。しばらくお待ち下さい。」


 そういって、奥に入って行った。


 俺は当たりを見回した。逸樹は近くに有った椅子に座り、どこかの白く燃え尽きたボクサーの様にうなだれていた。勇気はウロウロしていた。美恵に至ってはガールズトークが始まっていた。


「オリビエ、オリビエ、この服なんてどう?絶対似合うって」


「ミエさんこそ、この服なんてどうですか?」


「そういえばウルメラ、この世界ではミニスカートの人少ないね。」


「えっ、ミエさんの世界ではミニスカートって普通だったんですか?」


 ちょっと驚き気味のウルメラとオリビエ


「普通だよ、若い女の子はみんなはいてるよ。ウルメラもオリビエも足長いしスラっとしているからミニスカート絶対似合うよ。」


「そうですか。ミエさんありがとう。でも、こっちの世界ではミニスカートは微妙なんですよ。どちらかといえば男の人を誘っている感じに取られるんですよ。」


「そうなんだ、なんかガッカリだ。でも、私は負けない。やらしくないミニスカートはある。私がミニスカート革命をおこしてやるー。」


 美恵の意気込みにちょっと引き気味の二人


「でもミニスカートが無いわけでは無いんですよ。細めのズボンの上からミニスカートをはくのは結構ありますよ。」


 美恵たちがミニスカ談義をしていると、タニエが台車に布団を乗せて持ってきた。


「お待たせしました。こちらが商品になります。」


 そこに来たのは可愛い花がらの布団だった。オー、俺としたことがこの店女性向けじゃんか。


 そのことに女性陣は満足そうだった。一方、逸樹に至っては白さを通り越して透明になるぐらいうなだれていた。俺は意を決して聞いてみた。


「他の柄って有りますか?例えば単純な緑色とか、せめて草の柄とか。」


 そう言うと、タニエが


「分かってますよ、冗談です。ちゃんと男ものも用意してあります。」


 そう言うと奥からもう一台、台車を押してきた。


「こちらが男の人向けですね。」


 運ばれてきた布団はチェック模様と葉っぱ柄と四角い幾何学模様だった。


「良い感じです。これでいいです。ありがとう御座いました。おいくらですか?」


「二人用サイズなので倍の値段になり、金貨12枚になります。が、よろしいですか」


 日本円で1200万円か異常だな、でも、払えちゃう。


「はい、問題ないです。」


 この時点で気づいてしまった。支払いは現金のみ?だと、ギルド戻りだな。


「それで、支払いはカードでいけますか?」


 そう、恐る恐る聞くと。


「どちらでもいけますよ。ここはギルドカード取扱店です。表のドアにも貼ってありましたでしょう。」


 全然気づかなかった。


「全く見てませんでした。」


 そう言うとタニエはガクッとうなだれた。


「やっぱりもっと目立つ所に貼らないと行けないわね。」


「それじゃ、支払いお願いします。」


 そう言って、タニエは魔導具を持ち出した。


 この魔導具って、量産されているんですね。


 魔導具にギルドカードを置き魔力を流して、支払いを完了させた。


「それと、枕はセットで買われたお客様にはサービスで付けさせてもらっています。それでは、何処にお運びすればよろしいでしょうか?」


 そんなタニエの問に


「大丈夫です。持って帰ります。」


 と、言うと、不思議そうに


「確かに軽いですが、かさばりますよ。大丈夫っですか?」


「大丈夫です。」


 そう言って、台車の近くに行き布団を【アイテムボックス】にしまった。


「えっ、無くなった。スキルですか?」


「はい、【アイテムボックス】です。」


 そう言うと、


「良いですね。私もほしいです。」


 店を出ようとした時、思い出した。


「タニエさん、お肉が大量に手に入ったのでお裾わけをしたいのですが、お肉を入れる物などありますか?」


 タニエは「待ってくださいね」と言って、奥に入って行った。

 

 タニエはすぐに直径30センチメートルぐらいのお盆を持ってきた。


「すみません。こんなものしかありませんでしたが良いでしょうか?」


「はい、大丈夫ですよ」


 そう言ってお盆一杯のお肉のブロックを出した。


「ヒロタカさん、有難うございます。でも、お裾わけの域をこえていますよ。」


「これでも5キロぐらいなので全く問題ないです。じゃ、帰ります。」


「ありがとう御座いました。」


 タニエは頭を下げていた。


 みんなは手を振り店を出る時、ウルメラが「これ、ランクA魔獣のお肉よ。」って、タニエに教えていた。後ろでタニエが驚きの声を出していた。


 俺は店を出た。そして振り返り、ドアを見た。


「どこに貼ってあるんだ。ギルドカード取扱店って」


 ドアを見回すと有った。ドアの右上に。


「N○Kの受信料払ったら貼ってもらえるシールかっ!」


 思わず突っ込んでしまった。


 タニエ、何処に貼るじゃない、大きくしなさい。


 そして、俺達は晩御飯を食べに行く事にした。


 

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