40 恩返し
するとそこには、美恵、逸樹、勇気、ウルメラ、オリビエ、エルムが居た。
しかし、何かが違った。そうエルム以外の服が変わっていたのだ。
「おまたせ。って、お前ら服変わってるし。びっくりしたよ。」
美恵は花柄のワンピース。よく似合ってて可愛いです。合格。逸樹は外は黒っぽいロングコート中も黒っぽい、お前は殺し屋か。勇気は何故?魔法使いスタイル。ウルメラはずっと革鎧だったのに赤いドレスになってる。髪の色とあって綺麗です。オリビエは美恵の趣味だな。メイド服だった。しかもクラシック。頭にはホワイトブリム付き。首は奴隷の首輪はスカーフで綺麗に隠してある。そして尻尾はもちろん出してます。服に合わせて靴も変わってる。ワグネルの店はなんでもあるな。
「そう、エルムさんがそのままじゃ格好わるいわよって、着替えて行きなさいって、商品を選ばせてくれたの。」
そう、ワグネルの店は1階が雑貨、生鮮食品、2階が服、3階が、武器、鎧だった。
俺が裏に行っている間にエルムに服を頂いたみたいだった。
「すみません、エルムさん。服を頂いて。かなり高かったですよね。」
「いいのよ、ヒロタカさんも着替えていって。」
そう言うとエルムは俺を連れて階段を上がって2階に上がった。他のメンバーは下に残った。
2階に上がるとそこには、服がいっぱい掛けて有った。普通にハンガーが有った。木製だけどね。
階段の右は女性用、左は男性用、別れていてその中でも新品と古着に分かれていた。
エルムは俺を新品の場所に連れていき、色々と選んでくれた。上下のセットを数着と靴を選んでくれた所で
「ヒロタカさんとはあまりお話しできませんでしたので、改めて有難うございます。本来ならば家に迎えおもてなしをしなくてはならないのですが、美恵さんに話をしたところ気を使わないでって言われましたので、」
エルムは申し訳なさそうに話してきた。
「ハハハ、エルムさんそんなことを気にしていたんですか。本当に気にしないで下さい。」
「しかし、」
まだ、納得がいかなそうなので、一つお願いをしようかな。
「それでは、エルムさん、一つお願いがあります。
」
「はい、なんでしょう。」
エルムは嬉しそうに聞いてきた。
「エルムさんが、私たちに恩を感じ恩返しをしたいとお思いなら、エルムさんが無理しない程度で、私達ではない誰かを助けてあげてください。」
「それでは、」
エルムの言葉を遮り話を続けた。
「私はいつも考えるんですよ。恩返しを。助けた人はそんな事を考えて助けるでしょうか。助けた人に取ってその行動は何か無理をして行ったでしょうか?助けられた人には大きな事でも助けた人には些細な事、助けた人は恩返しなど考えていないでしょう。ならば、その恩は誰か違う人に使ってあげてください。」
エルムは黙って聞いている。
「普通の恩返しは二人で終わりです。しかし、その恩を他の人に使えば恩返しの連鎖が始まるかもしれません。それは、とても素晴らしい事だと私は考えます。そんな甘い考えと笑われても仕方ないですが、そんな美しい世界を私は見てみたいです。」
そこまで話すとエルムはニコッと笑い。
「流石、美恵さんですね。ヒロタカさんの事をよく分かってらっしゃる。ヒロタカさんはこう言いますよって先に聞いていました。騙す様な感じになってごめんなさいね。」
エルムが頭を下げて謝ってきた。
「ハハハ、そうでしたか。」
「それにしても美恵さんはヒロタカさんの事をよく知っていますね。羨ましい。」
エルムが軽く冷やかして来たので、
「私が愛した妻ですからね、これぐらい当たり前ですよ。」
と、俺が言うとびっくりした顔をしたが、すぐさま笑顔に戻り
「あら、ごちそうさま。」
と、エルムは笑った。
「なので、誰かに恩返しのつもりで誰かを助けその人が恩を感じてくれたならこの話も一緒にして上げて下さい。私のお願いはこれだけです。でも、くれぐれも無理はしないで下さい。本末転倒にならないように。」
俺は、深々と頭を下げた。
「無理なく、やってみます。それじゃ、選んだ服を着てくださいね。」
俺は、試着室に入り着替え、出た。
「よく似合っています。」
俺は、「ありがとうございます」と、言い、二人で階段をおりた。
「おっ、戻ってきたな、ヒロヒロ」
速攻、美恵に発見された。
「おう、もどってきたぞ。」
「意外と似合ってるじゃない」
俺の服は茶色のズボンに上は黒、靴は茶色の革のブーツ、そして、黒マント。黒マントと言っても、バンパイアマントじゃ無いからね。
「ありがと、エルムさんの見立てです。」
「やっぱりね、ヒロヒロにそのセンスはない。」
そうだね、そうだよね、服のセンスは無いよね、合言葉はアイ、ラブ、ジャージ。
「じゃ、ヒロヒロ、そろそろ行こうか。」
行こうかって、どこに?と思いながら
「そろそろ町を探検するかな。色々見たいからね。じゃ、ワグネルさんそろそろ行きますね。」
「そうですか、いつでも寄ってくださいね。お待ちしています。」
「ちょこちょこ来ますよ。」
と、言いながらワグネルさんに手を振り店をでた。ワグネル夫妻は俺達が店を出るまで頭を深々と下げていた。




