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38 奴隷商

「それでは、ヒロタカさん。亡くなった奴隷商と奴隷の遺体はどちらに?」


 そうスカーレットが聞いてきたので、小声で


「【アイテムボックス】にしまってあります。どちらに出せば良いでしょうか?」


 一瞬スカーレットは驚いたが


「それではこちらにお願いします。」


 と、言って、隣の部屋へ先導してくれた。


 美恵たちは、俺が移動するのに全然気にせずに話に夢中だった。


 隣の部屋に入ると、普通の会議室みたいなところだった。何組かのデスクと椅子があった。


「それではこちらにお願いします。」


 俺は床に奴隷商と奴隷二人を出した。するとスカーレットは


「あっ、ルイスさんですね。亡くなった方には悪いのですがあまり評判の良い奴隷商ではなかったのですよ。それと、奴隷の方は」

 

 そう言うと何か魔導具を首輪に当てた。


「セシリオとソフィアですね。ギルドに情報が有りました。ヒロタカさんありがとうございます。それと、ルイスさんのカードの残高なんですけど遺族の方が居ますのでそちらの方に相続していただきます。申し訳ありません。セシリオとソフィアにも家族が居ますのでこちらから連絡をさせていただきます。ヒロタカさんには、少しながらの謝礼金を出させていただきます。この度はお手数をおかけ致しました。」


 俺は忘れていた。馬車のことを


「スカーレットさん、ルイスさんが乗っていた馬車と馬の死骸はどうしましょう。」


「はい、本来ならば遺体が戻ってくる事などなく、良くて、ギルドカードが戻ってくるだけです。馬車などは戻ってくることなど到底有りえませんので、そちらはヒロタカさんが自由にしてもらっても結構です。」


 スカーレットはそう言ったが、


「やっぱり、遺族の方に返して上げて下さい。遺族の方も大変でしょうからね。多少の足しにでもなれば良いのですけど。何処に馬車を出したら良いですか?流石にこの部屋に出したら外に出すことが出来ませんからね。」


 そう言うと、スカーレットは部屋を出てホールに戻り、またそこから裏口で裏庭に出た。そして、此処に出してほしいと言ってきた。俺は【アイテムボックス】からルイスの馬車と馬の死骸を裏庭にだした。馬車はゴールデンニードルベアの棘が刺さり無残な有様であった。それを見たスカーレットは俺に聞いてきた。


「ヒロタカさん、馬車に刺さっているゴールデンニードルベアの棘はどうしましょう。」


 俺は何を言っているのか分からなかった。不思議そうな顔をしていると


「ヒロタカさん、えっとですねゴールデンニードルベアの棘は市場では高値で取引されています。軽くて硬い、見た目も金色で綺麗ですし装飾品として加工したりしますし、武器にも使われます。買取値で1本銀貨5枚はしますよ。ざっと見ても馬車には30本は刺さっていますよ、銀貨150枚ですよ。それを他人にポンと上げてしまうのですか?」


 スカーレットは不思議そうに聞いてきた。


「それならなおさら遺族の方に渡して上げて下さい。私達の事は気にしないでいいですから。」


 出した馬車の中にも色々荷物が有った。スカーレットは馬車の中に飛び乗り、中を見ていた。


「ヒロタカさん本当に良いのですか?結構値打ち物も入っていますよ。これだけで金貨十数枚はありますよ。本当に良いのですか?」


「良いですよ。あぶく銭は身につかない。といいますからね。お金は自分で稼がないといけませんよ。そうしないとお金のありがたさが分かりませんからね。」


 そんな事を言っていると、ワグネルが


「ヒロタカさんは商人みたいな事を言いますね。」


 と、笑っていた。


「分かりました。ヒロタカさんがそこまで言うのでしたら全て遺族の方にお渡ししますね。でもヒロタカさんは欲が無いですね。殆どの人が報告しないでもっていきますよ。いい人ですね、ヒロタカさん。」


 そう言って、スカーレットは俺の方をみて微笑んでいた。が、俺は心が痛かった。本当はそんなにいい人じゃ無い。俺の中ではこれぐらいの金額は微々たるものだと思っていてどうでもよかった。とりあえず、不要物の整理のつもりだったんだ。しかも俺のスキルを使えばもっと稼げる。お金の価値すらわからないぐらいに、だから、そんなにいい人に見ないで下さい。と喉まで出かかっていた。


「これで終わりましたね。ワグネルさん。次はワグネルさんのお店に行きましょう。」


 と、言って4人でホールに戻った所で、スカーレットが


「ちょっと待って下さいね。謝礼金を用意しますね。これは受け取ってくださいね。ちゃんとしたお金です、ヒロタカさんの労働の対価ですから。」


 スカーレットはカウンターの奥に行き、すぐに戻ってきた。


「はい、こちらが謝礼金の銀貨10枚です。あっ、カード払いの方が良かったですか?」


 そう心配そうに聞いてきたので。


「大丈夫ですよ。現金で。有難うございます。」


 そう言うと銀貨の入った袋を受け取った。


「ヒロタカさん、それと、奴隷ギルドでは奴隷の販売もしております。常時ある程度の人数は揃えておりますので、また、お寄り下さい。」


 此処で、俺は気になったことを聞いてみた。


「奴隷の値段ってどれくらいですか?それと、値段ってどうやって決めているのですか?」


 質問を2つぐらいしてみた。


「奴隷は金貨1枚ぐらいから上は大金貨数枚の奴隷も居ます。値段は奴隷自身が価値を決めますし、奴隷期間は買われてから減っていきます。そして、買われた値段によって、奴隷期間は相殺されます。だから、安く売れば早く売れるが奴隷期間は長いし、高く売ればなかなか売れないが、奴隷期間は短くなります。良いスキルが無い奴隷は安く売り早めに奴隷期間を終わらせにかかります。良いスキルが有る奴隷は少しでも高く売り奴隷期間を短くします。ですので、奴隷たちは売れるまでの間は自分を磨き色々スキルが発現するように努力をしています。そうすることで奴隷期間をまっとうした後もちゃんとした仕事に付けるように頑張らせています。」


 俺は、すげーな奴隷ギルドと思っていた。


「ありがとう御座います。色々勉強になりました。また、寄らせて貰いますね。」


 そう言うと、みんなを呼び奴隷ギルドを後にした時、美恵が、「ハイ、」と手を出してきた。


 俺が、なんのことか分からずに考えていたら


「ヒロヒロ、さっき貰っていた袋、お金入っているでしょ。」


 美恵がニコニコした顔で言ってきて、改めて手を出してきた。


 俺は無言で渡した。すると美恵は中を確認し、一枚取り出し「ハイ、お小遣いね」って俺に渡した。


 そして美恵はウルメラとオリビエの3人でワイワイ騒いでいた。


 俺って、レベル高いから耳よく聞こえるんだよな。向こうで「明日ランチ行こうね」って話が聞こえる。



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