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36 ゴールデンニードルベア

 俺達は冒険者ギルドの別館に着いた。車でも通れそうな広い通路の右側に受付があり、受付を過ぎると通路の右側に大きなドアがいくつも有った。俺達は受付に行くと


「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件で?」


 受付に居たのは大丈夫?って言いたくなるような小さな女の子だった。見た目は間違いなく小学生、しかも3、4年生ぐらい、パッと見たら勇気の友達?って感じの女の子だった。俺が思わずガン見していたら、


「びっくりしました。お客さん此処は初めてみたいですね。私は、シャルロッテといいます。私はドワーフでして、こう見えても大人なんですよ。安心して下さい。」


 危ない、思わず履いてますよって言いたくなったよ。後ろで勇気が「履いてますよ。」って言っているのは無視だ。


 俺は周りを見回し、


「受付は俺がしても良かったのかな?」


 と、独り言の様に言ったら、ウルメラが


「良いんじゃないですか?ゴールデンニードルベアはヒロタカさんが倒したのですから。」


 そんなものなのか?と、思いつつ、


「俺が貰っても良かったのですか?みんなで分けないのですか?」


 ウルメラが不思議そうに


「倒したのはヒロタカさんですから、ヒロタカさんが貰うのは当たり前です。逆に貰ってもらわないと困ります。そうですよね、ワグネルさん」


「そうですよ。それぐらいではまだヒロタカさんに助けてもらった恩はお返し出来ませんが。」


 そう言われると、断りづらいので遠慮なく


「ありがたく頂きます。」


 話が着いたので、受付のシャルロッテに


「魔獣の買い取りをお願いします。」


「はい、分かりました。ギルドカードをお願いします。」


 そう言われ、俺は【アイテムボックス】からギルドカードを取り出し、シャルロッテに渡した。


 シャルロッテはギルドカードを魔導具に乗せるちょっと目を見開いたがとすぐに返してくれた。


「ササキヒロタカさん、今、魔獣はお持ちですか?」


 その問いに「はい、持っています。」と答えると、


「それでは、3番の部屋の中でお待ち下さい。」


 と、言われたので、一行は3番の部屋の中に入った。


 部屋の中は特に何が有るわけではなかった広さ30畳ぐらいかな、ただの広い部屋だった。奥にも扉が有った。


 しばらくすると、奥の扉から一人の男性が入ってきた。


「おー、待たせたな。俺はレイモンドだ。」


 レイモンドは大柄な男で短髪の40歳ぐらいのおっさんだった。レイモンドは俺達を見ると、


「なんだ、初顔だな、なんだちっちゃいのも居るな。おっ、なんだ、ワグネルさんにウルメラじゃねえか。なんだよこの顔ぶれは。」


 そう言うとワグネルが


「なんじゃ、お主が出てきたということは、他の職人は忙しいみたいだな。」


「そうなんだ、最近大物は少ないがC、D、E、の魔獣が結構入ってくるんだ。忙しくてかなわん。」


「それは結構なことじゃないか、しっかり稼げる時に稼がないとな。ハハハ」

 

 ワグネルとレイモンドは知り合いみたいだった。


「おっとすまねえ、脱線したな。えっと魔獣の買い取りだったな。で、なんの魔獣だ?」


 俺は何も気にせずに、


「クレージーシープ、ビッグスパイダー、ニードルベアー、ゴールデンニードルベアです。」


 レイモンドはちょっと怪訝な表情で、


「ゴールデンニードルベアってなんだよ。ランクA魔獣じゃねえか。なにサラって言ってんだよ。」


 レイモンドは逆ギレ気味に怒ってきた。


「まぁ、いい、早く持ってきな。」


 そう言うと俺は【アイテムボックス】から魔獣をレイモンドの前に置いた。


「なっ、なんなんだよ。お前は、まさかそれは【アイテムボックス】なのか。」


 またもやレイモンドは怒っている。


「おじさん、ちゃんと小魚を食べないと、イライラは治らないよ。」


 勇気が勇敢にもレイモンドに注意した。


「おおっ、すまねえ、ちっちゃいの。でも小魚を食べると治るのか?」


「治る。僕はよく食べるからイライラしない。」


 そう言って、勇気はサムズアップした。


「なら、今度食べてみるわ。じゃ、なくて、とりあえず仕事だ。」


 そう言うと紙を持って来て、聞いてきた。


「どうする?全部丸ごと買い取りでいいのか?部分買い取りか?」


 どうしたものかと考えていたら、


「私は肉が食べたいから肉は売らない。」


 美恵が言ってきた。


「まぁ、仕方ない、ランクAの肉はうまいからな。 でも、このゴールデンニードルベアの重量が約7000キロ位だから、半分ぐらいが食べられるから3000キロは有るぞ。」


 美恵が驚いた。


「凄いじゃない、お腹いっぱい食べられるよ。レイモンドも食べたい?あとでちょっと分けてあげるね。」


 レイモンドはちょっと困った顔で、


「おお、す、すまないな。ありがとう。」


「じゃ、それ以外の部位は全部売っちゃって、あとの4匹も全部売っちゃって、ランクAの肉の方が美味しいのにその下の肉はいりません。」

 

「おいおい、旦那を無視して決めてもいいのか?」


 レイモンドは俺の方をちらっと見たが


「いいわよ、どうせ、放っておいても勝手に狩りに行くんだから。いいの、いいの。狩ってきたらまた持ってくるからね。ヒロヒロ、今度はもう一つ上のランクSを狩ってきてね。」


 美恵のその口調に一同はあっけに取られていた。


 レイモンドは書類を作り引き換え券を渡してきた。


「それにしても、見事なもんだな、どの魔獣も頭部への一撃で仕留められている。あんたがヤッたのか凄いな。あんな小さな魔術でゴールデンニードルベアの眼球を抜けるなんてな。」


「ありがとう。」


「じゃ、仕事を始めるとするか。解体は17時ぐらいには終わるから。それ以降だったらいつでも来な。とりあえず受付は開いているからな。でも、なるべく早く取りに来いよ。生ものだからな。」


「じゃ、お願いします。」


 そう言うと、ゴールデンニードルベアを見ているレイモンドは無言で手を上げた。


「さぁ、行こうか。」


 俺達は、扉を出て、受付の方へ歩き、シャルロッテに手を振り、本館へ繋がる通路ではなく、反対の外へ出られる扉を開けて外へ出た。


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